329 夕食 sage 2008/02/19(火) 14:44:22 ID:TLJaADoC
河野透。
―俺の名前だ。
いきなりだが、状態を教える。
場所は自宅の居間に居る。
時刻は夕食の時間の6時だ。
俺は姉貴と2人だ。
親はどこかに行ったらしい。
この現状だと、姉貴と一緒に夕食を作って、食べなければならない。
姉貴は料理が下手ではないが、なぜか、内心の不安もあった。
杞憂であればいいのだが。
「透君との初の共同作業だねっ」
ここは、キッチン。
姉貴と一緒に料理を作っている。
「…聞いてる?私の声が聞こえないのかな?透君」
「返事ないなら、…イタズラしちゃうだからねっ!透君」
……おっと、どっかに、旅だっていたぜ、危ねぇー
「ねぇ、料理出来たら、…あーんとか、口移しとか、やろうよ!」
……俺の内心の心配はこれだ、さすがに、ブラコンすぎねぇか?いや、ブラコン以上な気もする、これをなんて言うのだっけな…思い出せない…
どうでもいいか。
「からかわないでくれよ」
「えー私と透君の仲じゃない、やろうよ!」
どうやら、俺を、からかっているようだ。
姉貴は、引くとしたら、あきれさせるとかだな、だが、それが難しいんだよな、やはり、あーんや口移しをするしかないのだろうか。
330 夕食 sage 2008/02/19(火) 14:45:16 ID:TLJaADoC
したく、ないな。
あれ?あーんに口移しって、口移しってある種のキスだよな?俺はキスは、一度もしたことないし、こんな口移しごときで、初めてを失いたくね。
…これは、徹底抗戦してやる。
俺は姉貴には負けねぞ。
自分の貞操は自分で守るんだ。
覚悟は決めた、あとは、姉貴に俺の意思をみせるだけだ。
「姉貴、…それはだめだ」
俺は、料理を作りながら、はっきりと意思を強く持ちながら、言った。
「一回ぐらい、いいじゃない、減るもんじゃないし」
「俺の、…ファーストキスがかかってんだよぉぉ」
「私だって、…ファーストキスだし、問題ないでしょ」
「それに、…透君なら、…初めてをあげても、問題ないの!」
ひるんじゃだめだ。
徹底抗戦するんだろ!冷静に…
「あ、あほな事言わないでさ、料理作ろうぜ」
「ちぇー、話反らさないでよっ!」
まだ言うか。
「私はしたいのぉ!」
ん…なんか、かわいいなw
もっと、遊んでやろうかな。
「……あっ!いま、透君変な事考えたでしょ!!」
かわいいと思う事は変な事かな?
「話を戻すね、互いに初めてなら、…いいよね?」
うっ…いきなり姉貴が顔を本気の表情をし、目をうるませながら言う。
正直反則だよ、罪悪感がでちまうし、断りにくい。
どうしよ・・・俺
331 夕食 sage 2008/02/19(火) 14:46:37 ID:TLJaADoC
まてよ…そうだノーカンにすればいいんだ、単なる事故だと。
なら安心だ。
「…しょうがないな」
「え、してくれるんだねっ!!」
「やっぱり、透君は優しいよっ!」
あれ、なんか照れるな///
「さあ出来たから、料理食べましょ」
「はーい」
俺は皿や箸を用意し、料理を皿に盛り付ける。
姉貴も炊いたご飯を茶碗に盛り付ける。
これで食卓の出来あがりだ。
今あるもので作ったが、とても見た目はおいしそうな、肉じゃがに豚汁だ
なぜか肉が多いが気にしないでもない。
姉貴はなぜか、サラダも作っていた、キャベツ等を盛り付けた物だ。
夕食は始まった。
そして、俺は恥ずかしい夕食を体験する。
終わり。
最終更新:2008年02月24日 19:02