705 まいドール 余話 sage 2008/03/09(日) 02:41:04 ID:CcdFNIzD
突然だが、舞はいわゆる「つるぺた」だ。
引っ込むべきところは引っ込んでいるが、出るべきところがどうしようもなく不足している。背丈もクラスで一番低いらしい。
サイズは…無乳と呼ばれることだけは免れるかな、多分、きっと…。全裸で迫られた時に知ったが、下もつるつるだ。
これらすべて親どもの設計どおりと知った時、舞は自分の発育不良っぷりを親父に抗議したことがある。
「お父さん! なんであたしはこんなにちっちゃいの? お兄ちゃんに『色気が足りぬ』と言われて返す言葉がなかったじゃない!」
「可愛いと思うんだがなぁ」
「まさかお父さんって、危ない趣味が…」
えらく失礼なことを言われて、さすがに親父の頬が引きつった。
「そこまで言われては仕方ない。実はおまえがその姿なのには、やむをえない事情がある」
不審そうな表情を浮かべる舞に、親父は一枚のプリントアウトを示した。
「おまえのボディの見積もりだ。皮膚の面積単価をみろ」
「なにこれ? 高っ!」
「完全に人間と同じに見える特注品だからな。もうわかっただろう。 コストを抑えるために、皮膚の面積は
できるだけ少なくせねばならん。植毛はさらに高いから、毛も最低限に…というわけだ」
今度は舞の顔が引きつった。
「つまり…あの努力は、日々の牛乳はまったく無駄だった?」
「うむ」
親父のヤツ、無駄に重々しく頷くなぁ。
「ナイスバディになるためには…」
「部品を買い換えるしかないな。先に言っておくが、お前の小遣い程度じゃ話にもならん値段になるぞ」
あ、絶望が宣告された。
「ひどいよぉ」
「その代わり、いくら食べても太らないぞ」
「うっ…」
妹よ、おまえのコンプレックスはわかった。解決法がそれしかないのも理解できる。だがなぁ…
年ごろの娘が目を血走らせてセクサロイドのカタログ見ては溜息つく姿ってのは、人には見せん方がよいと思うぞ。
最終更新:2008年03月09日 22:43