チョコっと妹(シスター) バージョン・ホワイト

750 チョコっと妹(シスター) バージョン・ホワイト sage 2008/03/14(金) 00:08:21 ID:YdEG53qJ
とろとろと流れる粘りを含んだ液体。
糸を引きそうな露は香り高く、口に運ぶと甘やかな芳香と味が伝わります。
ひどく独特の風味は脳髄を痺れさせて疼きを生み、
血と共に全身を流れるもどかしさには、どこか言い知れない、女を虜にする魔性がありました。

「ああっ」

絡めた指を上下させる手から伝わる脈動が、ぴくぴくと私の体までも震わせてしまいます。
ひどく、熱い。
青く、木漏れ日のようにカーテンの隙間を縫った月光に照らされる薄闇が敷かれた室内。
冷めて行く夜気に肌を晒しながら、私は火照った息を吐きました。
ごくりと、早鐘の響きとなった心臓にも劣らぬ大きさで喉が鳴り、
唾液の滑ったそばからまた渇きを訴え始めます。

────蜜を。もっともっと、甘い蜜を。

そう、脳の側から耳の奥へ囁きが聞こえてくるようでした。
否やはありません。
肉と、本能と、意識と。
三者が諸手を挙げてこの飢えを満たすことに賛同し、
私は潤いを求めて十の指を激しく、けれど蜜を出す幹を決して痛めない動きで表皮を撫で擦ります。
時には指だけでなく手の平を添え、更に摩擦の中にも搾り、押し込み、揉む動きを加えて。
世界で最高の甘露を頂く代わりに、せめて少しでもお返しを出来るように。
請い願い、そして感謝する気持ちで奉仕します。

幹は、すぐに応えてくれました。

茂る枝葉の代わりに張られた笠が開き、滲むように透明な樹液が流れます。
それも、今まで一番多い。
手に零れてきそうなそれを見て堪らなくなった私は、
はしたないという言葉を何処か遠くに感じたまま、幹ごとその雫を頬張っていました。

「んんっ!」

本当に、はしたない。
離した腕で姿勢を保ち、口内で舌を回します。
柔らかな笠の表面を撫で回し、反対に硬い幹へと巻きつかせ、上下させては搾り、
蜜が採れたのを感じると掬い取って喉奥に仕舞いこみ。
少しでも多く早く直接に蜜を吸おうと、幹を根元まで、喉に刺さりそうな深さまで迎え入れもしました。
淫ら、と言われても反論は出来ません。
いいえ。そんなことをする必要は忘れてしまいます。
甘露です。この蜜は本当に甘くて、鼻を直接突くと思うほどに香り高くて、狂おしい。
全身が満たされると同時に、すぐにもっともっとと求めてしまう。
愛しさと、感謝と、更なる欲求。
それ以外は、全て焼けそうな熱を帯びた股の間から流れ出す思いでした。
膝にまで濡れた感触がします。

「ちゅっ・・・はむ、んむ・・・ずじゅ・・・」

そんな風にだらしなく汁を零してしまう穴を、この逞しい幹で埋めることが出来たら。
ふと、そんな考えが浮かび、しかし即座に斬って捨てます。
だって。


751 チョコっと妹(シスター) バージョン・ホワイト sage 2008/03/14(金) 00:09:49 ID:YdEG53qJ
「れる・・・ぴちゃ・・・・・・っぷは。まだ早い、ですよね────お兄様?」

今、私の前に根と、幹と、笠を雄雄しく漲らせたまま眠っている殿方。
この世で最も愛しいお兄様の胤を宿せる体に、まだ私は育っていません。
幾ら愛するお兄様が相手でも、
婚姻を結ぶ前に処女を散らすような『はしたない』女など、それこそお兄様には相応しくない。
まして眠っている、薬で眠らせた相手の部屋に女が自ら夜這ってなど論外。
今はまだ、愛しければこそ耐え忍ぶ時。
先月の『お返し』を頂くだけに止めなくてはいけません。

今日、三月十四日に相応しい、
白く香り高く、私をどろどろに溶かしてしまう蜜液を頂くだけに。

「くすくす。お兄様がいけないんですよ?
 こんなにもお兄様のことを思っている妹に、ヴァレンタインのお返しを忘れてしまうから」

だから、私はお兄様が欲しくて、
でも女の方から求めるようなはしたない真似が出来なくて、ついお薬を盛ってこんなことをしてしまうんです。

「うふふふ」

そう。悪いのはお兄様。
こんなにもお慕い申し上げているのに、いつも理由をつけて私を避けようとしてばかり。
折角、両親もころ────────亡くなって、
親族を黙らせて遺産の相続も終えてゆっくり出来るように差配を終えたのに。
金銭なんて下賎な物に惹かれて酔ってくる低俗な女にばかり目をやって、私を見て下さらないから。

「私はお兄様が欲しいのに。お兄様だけが居て下されば、それでいいのに」

なのに、お兄様は目移りしてばかり。

「ちゅっ」

溢れんばかりの愛しさと、ほんの少しの恨みをこめて、お兄様の分身の先に接吻をします。
それから深く口内へとお迎えして、舌を絡めてから強く長く吸い上げる。
ぞぞぞぞっ、とはしたない音が鳴って頬が震え、お兄様の男根もびくびくと身を揺らしました。
手を伸ばし、根元にある子種の詰まった二つの袋も揉んで差し上げます。
一際強く跳ねたお兄様の先端が歯の裏を叩きました。
事前に十分な刺激を蓄え、考える間にも手で扱くのを怠ってはいません。
脈打つの幹の震え方が変ったのが分かりました。

「~~~~~~っ!」

来る、と思うと何もかもを忘れて、ただ思い切り頬を窄めて吸い上げます。
嘗め回す舌が吊りそうになり、両の頬がぴたりと張り付いてお兄様を包み、
途端に、ぶるりとお兄様の腰から全身へ震えが走りました。


752 チョコっと妹(シスター) バージョン・ホワイト sage 2008/03/14(金) 00:11:52 ID:YdEG53qJ
「あは」

びゅうっと、見なくても分かる白い迸りが私の中へ注がれます。
舌に当り、頬に飛び散り、喉奥へ注がれて食道へ、そして胃へと。
耳だけが歳を進めた学友などは、
よくこれを『苦くて生臭くてマズイらしい』と話題にしていますが、とんでもありません。
今まで口にした何よりも甘く、美味しい。
舌に乗ってどろどろと流れる食感の生々しささえ、愛するお兄様が注いでくださったことの証明です。
更に、その心地良い味と感触の一瞬後にはくらくらするようなお兄様の匂いが口内で溢れ返り、
私の鼻を通って室内を満たす闇へと抜けて行きます。
至福の一瞬。
お兄様以外の煩わしい全てを忘れて、
その味と匂いと感触へと、私の意識の全てをお兄様から与えられる感覚の中に沈められる一時。
これ以上の幸せは、きっとお兄様と結ばれる一瞬、そして結ばれてからの日々だけ。
何物にも勝る愛による、何者にも得られない幸福。
集めれば手の平に乗るような少量であってさえ、お兄様の下さる蜜は私を溺れさせてしまいます。

ああ────────何て、愛おしい。

注がれた白濁に誘われて、私の意識までも白く染まって行きます。
お兄様に塗り潰されるように。
私が盛った睡眠薬で深くお眠りになっているお兄様と同じ、夢心地。
もう慣れた目で見ているはずの薄闇がぼやけ、持ち上げる目蓋が甘く沈みそう。

お兄様は、薬のおかげで、明日は遅くまで目をお覚ましにならないはず。

そう考えながら、風邪をお召しにならないよう、何とかお兄様の寝巻と布団だけを戻します。

「・・・・・・あ」

そこが限界でした。
柔らかな布団の上、お兄様へ向けて頭を寝かせます。
一センチあるかないかの距離を隔てた、先程まで触れていたのとはまた異なるお兄様の感触。
その心地良さの傍らで、
満足して冷め始めた肌を晒したままの体が寒さを訴えましたが、もうどうにもなりませんでした。

「風邪を・・・引いたら・・・・・・その時だけは、お兄様が・・・・・・傍に」

それだけを夢見て、意識を手放します。
風邪を引かずに済んだ時は、またお兄様に近付く雌猫の退治を。
最後にそう決めて、私は穏やかに甘い夢の中へと身を沈めて行きました。

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最終更新:2008年03月16日 20:04
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