埋めネタ:コードキモス

965 埋めネタ:コードキモス sage 2008/04/18(金) 23:55:17 ID:by8aTIU1
皇歴2010年8月10日、世界唯一の某神聖大国が地下資源サクラダイトを
巡って日本に侵攻してくることもなく。
何年経っても日本は日本であり、相変わらずEXILEが売れまくっていた。
さて、そんな日本の首都、東京は新宿区。
一人の少女が街を悠々と歩いていた。
少女の名は、ハチリー。名前が明らかに日本人ではないが、そんなものは些細な事である。
悪いのは、こんな名前をつけたモンスターペアレントであって、彼女には何の非もない。
ハチリーがいつものように、伊勢丹周辺をうろうろしていた時のことである。
事件は起きた。
向かい側から、髪をライトグリーンに染め、妙ちきりんな拘束衣を纏った少女がやってくるではないか。
まあ、ファッションなんてものは各個人の美意識に基づくものであるから、ハチリーが文句をつけるのは
お門違いな話ではある。
しかしこの緑色の女、事もあろうにいきなりハチリーの前に立つと、意味不明な事を話だしたのである。
『王の力はお前を孤独にする。それでも私と契約するか?』
ハチリーは、
(ああ、これはきっと新手のキャッチなんだわ…。こんなのに付き合ったりすれば、
きっと高い空気清浄機とか買わされるんだわ…。さっさと家に帰ってお兄様とお茶でも
しようっと…)
突然現れたDQNに惑わされる事なく、駅に向かって歩きだした。
しかし、その緑髪女、何とハチリーの後をずっと付いてくる。
しかも『王の力はお前を…』とか『力が欲しいか?』などと、ジャンルを超越した言葉をひたすら
囁いてくるのだ。
あまりのしつこさに、ついにハチリーが折れた。
「分かった!分かりました!契約しますよ!これで文句ないでしょう!?」
その瞬間、何だか色んな映像(提供、サンライズ)が頭の中を駆け巡った。
そしてハチリーが全てを理解した時には、もう緑髪の女は跡形もなく消え去っていたのだ。
ハチリーが手に入れたモノ。
それは、キモスという力。
相手と目を合わせる事で、どんな命令にも従わせる事のできる絶対尊主の力である。
無論、ハチリーはこの力を使って「この国をぶっ壊す!」などとは考えない。
そんなものは、X JAPAN好きの元総理にでも任せておけば良い。
ハチリーが考えたのは、
(この力があれば、お兄様を一生私のモノにできるかもしれない…。)
あくまでこの一点だけであった。









966 埋めネタ:コードキモス sage 2008/04/18(金) 23:57:03 ID:by8aTIU1
さて、そんなこんなでハチリー我が家へと帰ってきた。
期待に微小な胸を膨らませ、股間をビショビショに濡らしながらハチリーは玄関のドアを開ける。
愛しの兄がいる部屋のドアを開ける。

(……いた)

ベッドの上で、こちらに背を向けるハチリーの兄、福山潤。何かブツブツ呟いている。
「お兄様♪こっちを向いてくださいな♪」
「ん?なんだいハチ…」
潤がハチリーへと首を回すと同時に、ハチリーの瞳にベンツのマークのような記号が浮かび上がる。

『ハチリー・リ・ぶるあああぁぁぁたにあが命じる!私の性奴隷になれ!!』

(ふはははははははははははははははははははははは!!やれる!やれるじゃないか!!)
ハチリーはこの時、既に勝利を確信していた。



「は、ハチリー…お前…何てはしたない事を…」
「あ、あれ?」
ところがキモスの力が作用しない。
理由は簡単である。
潤の顔全体に包帯が巻いてあったのだ。
「お、お兄様…。お兄様こそ一体何を…」
良く見れば、包帯には目が描かれている。ただし、瞳の部分が人差し指を立てた拳になっている
イカしたデザインだった。
「オレ、今日から世界征服する事にしたぜ!!」
「いけません、お兄様!そういう夢や思想は小さい頃に作った秘密基地にでも捨ててらっしゃい!!」
ところが、兄はこの包帯が大層気に入ってしまったらしく、なかなか外そうとしてくれない。
そのうえ、先程のハチリーの言動についてお説教を始めてしまった。

痺れる足をモゾモゾと動かしながら、ハチリーは誓った。
『見つけてみせる!!お兄様を手に入れる方法を…!!』
この日より、ハチリー改め「お兄様開放戦線」の戦いが始まったのであった。

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最終更新:2008年04月21日 16:15
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