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監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:19:14 ID:zCR9BE7t
「たっくん行かないで…行かないでよ…。私を置いていかないでぇッ!!」
「義兄さん!!お願いですから…出ていくなんて言わないでください!!」
二人は狂ったように叫ぶ。それでも彼に駆け寄る事はない。出来ないのだ。
姉は義父に、妹は義姉と母親に羽交い締めにされていたからだ。
「行きなさい、早く!!」
父親の檄が飛ぶ。達哉はそれに押されるように家を飛び出した。閉まりゆく玄関のドアが内と外の世界を
分断するまで、二人はひたすら少年の背中を見つめ、叫び続けた。
その日から二人は少しずつ、両親に殺意を積み重ねていく。
それもわずか五年で溢れかえってしまう事になるのだが。
いや、よくぞ五年も保ったと言うべきなのかもしれない。
176 監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:20:46 ID:zCR9BE7t
ガンッ、ガンッ、ガンッ―――!!
けたたましい殴打音で目を覚ました。
ガンッ―――!!
僕の顔のすぐ横を、何かが通り抜けていく。
「…何やってんのよ…」
ルールを理解したおかげか。
ああ今度は萌姉ちゃんの番なんだな、とすぐに気付いた。だが今はそんな事どうでもいい。
「ね、姉ちゃん……」
問題は、姉ちゃんがブチ切れているということだ。
「たっくん…何してるのよ…何で、キスなんか、したの……それは、ワタシ二、
して、くレる、もので、ショうッ!?」
一言一言区切りながら、でもうまく定まらない言葉と共に後ろの壁を叩く。
目の前にいる姉ちゃんの目は、限界まで開ききっていた。瞳は収縮を繰り返し、白目に赤い稲妻が何本も走り、
こうして見ている間も中心に向かっていく。歯ぎしり音の万力が、頭を締め付ける。
「ひっ……!!」
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
左右の手が代わる代わる僕の横を通り抜ける。右手にはサバイバルナイフが握られていた。
グリップを壁に向けて打ちつける。
右。
左。
右。
左。
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
「姉ちゃん…姉ちゃん…落ち着いてよ…!!」
音と震動がタッグを組んで僕を震わす。
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
「蕾に、自慢されたわ!!たっくんとキスしたって!!」
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
「義兄さんが私を選ぶのも時間の問題ですね、って!!何でそんな事したの!?
どうして私じゃないのッ!?」
ガンッガンッガンッガンッガンッ…ガッ……ツッ…
音がやんだ。
「ねぇ…何で、なんで…?わたしのこときらいになったの?わたし、なんか、
いないほうがいいの…?…っぅぐッ、ひぐっ…」
姉ちゃんの目からぽろぽろと涙が零れだした。
「こたえてよぉ…たっくん…」
どうすれば良いと言うのだ。僕だってしたくてやった訳じゃない。一応、ファーストキスだったんだぞ!?
何が悲しくて義妹に捧げなければならないんだ。しかもあんな形で、だ。
「姉ちゃん…頼むから落ち着いてくれよ…。僕が自分からそんな事すると思う…?」
姉ちゃんは手を丸め、目をぐしぐしと擦る。そしてゆっくり顔を上げるとその表情は、豹変していた。
「ああぁ……そっかぁ…そうだよねぇ…」
ゆらゆらと姉ちゃんが立ち上がる。
177 監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:22:44 ID:zCR9BE7t
薄く瞑った目は気怠げだが、そこには確かに殺意が宿っていた。
「そうだよ、そうだよねぇ、そうに決まってる。あの娘が無理矢理したに決まってるよね…。
きたなくて、くさくて、きもちわるいつぼみ。ごめんねたっくん…」
ナイフのグリップが、ぎりっと音を立てる。
握り締めた右手は赤く染まり、いかに力を込めているかを、雄弁に物語る。
「いまあれをころしてあげるからね…」
まずい。
まずいぞ…!!
「姉ちゃん!ストップ!!」
姉ちゃんは止まらない。
か細い体とは不釣り合いなパーカーにくるまって眠る蕾に近付いていく。
萌姉ちゃんの横顔は壮絶、の一言だ。
「姉ちゃん!!」
止まらない。
「ころすころすころすころすころすころすころす…」
空ろな顔は、ただひたすらに呪詛を吐く。
「……萌ッ!!」
姉ちゃんの足が止まった。
どうしたんだ?
「……すて……」
萌姉ちゃんが何かを言った。
「ね、姉ちゃん…?」
ガバッとこちらに向き直る萌姉ちゃん。その顔は歓喜に満ちていた。
「たっくんが…呼び捨てにしてくれた…」
え、ええと…。
とりあえずうまくいった…のか?
「ね、たっくん…もう一回呼んで」
「え…?も、萌ね……」
178 監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:25:45 ID:zCR9BE7t
「呼び捨てで!!」
焦りからか、口がうまく回らない。咳払いをして一度深呼吸をする。
「…もえ」
ああ、うまく言えたけどうまくいってない。感動してるもん。何か涙ぐんでるもん。
どうやら変なスイッチを押したらしい。
「たっくん…もう一回…」
「…萌」
「ふふっ…なぁに?」
いや、あんたが呼べって言ったんだろ。
姉ちゃんはご機嫌だ。さっきまでの怒りは脳内のブラックホールに吸い込まれてしまったらしい。
いや、脳内がブラックホールなのか。
何はともあれ蕾が目の前で惨殺される事態だけは避けられた。後でせいぜい恩を売ることにしよう。
「萌姉ちゃん、僕ちょっとトイレ使うから。ぜッ、た、い、に、邪魔しないでよ!」
「ええー…」
唇を尖らせて不満やるかたないご様子。
「…もえ。お願い」
「えへ…へへへ…しょうがないなぁもぅ…」
「良いって言うまでこっち見ないでよ?」
「はぁーい」
…ふん、ちょろいな。
しかしここに監禁されて初めて優位に立てた気がする。これは良い傾向と言っていいだろう。
でもこんなに空しいのは何故だろう。
自分の器の矮小さを再確認しつつ、便座に座る。姉ちゃんは手で顔を隠している。
…指の隙間からこっち見るな。
あの人どんどん幼くなっていってる気がする…。
小便が便器の中で弾けている。流砂を幾筋か垂らしたようなその音は、身体と心から余分なものを
拭い去っていく。
床には自然光が円を形作っていた。夜は空けていたらしい。
監禁生活は二日目に突入した訳だ。
外部との連絡手段は皆無だし、未だに説得の成果も見られない。説得を始めること自体、出来ていない。
尿も便もとっくに出し終えていたのだが(勿論、用を足した後すぐに流した。)、僕は扉を見つめて
考えていた。
ここから出るための方法を。
ここまでの経緯を整理してみよう。
頭を殴られ拉致された。目覚めると障害者用トイレに監禁されていた。
トイレは五畳程の広さで、入口に立ったとき左奥には手洗いがある。便器は右奥に存在する。
車椅子から便座へ座る時の配慮なのだろう、便器の両側には手すりがついている。左手の手すりのそばには
双子のどちらか(現時点では蕾)が壁に寄り掛かって眠っている。
もう片方の手すりには、手錠で繋がれた僕がいる。
179 監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:30:54 ID:zCR9BE7t
このトイレが地図上で何処にあるのかは不明。トイレ内に時計がある訳もないので現時刻も不明。
ただし入口のすぐ右手に小さな窓があるので、朝か夜くらいは判別出来る。
監禁された理由は僕に萌姉ちゃんか蕾、どちらかを「選んで」もらう為、らしい。
二人は交代制で、僕の世話と自己アピールをする。片方がアピールしている間、もう一方は
僕らに関与してはいけないそうだ。
持ち時間は決められているらしく携帯電話のアラーム音が鳴るとアピールタイムの終了だ。
交代する時に僕は薬で強制的に眠らされ、二人はその間にトイレ等を済ませているとのこと。
食糧について。
一応、二人の持ってきたリュックの中におにぎりやサンドイッチ、飲料水がある。
だがリュックの大きさを見る限り、もってあと一日が限度だろう。
蛇口を捻れば水道水は出るが、食糧はそれで打ち止めになる。
脱出経路について。
窓は小さすぎて僕の体では通過不可、当然、残る脱出路は入口のみだ。
入口はバーを回して施錠するタイプで、現在、ドアはきっちりと閉ざされている。
さらに角材のつっかえ棒もある。
脱出方法。
携帯電話は回収された。よって外部への通信手段は無い。
手錠は本格仕様でちょっとやそっとじゃ外れそうにない。腕力での逃走は不可能。
以上より脱出案、無し。
「おぉぅ…」
何と不毛な事をしているのだろうか。便座の上で頭を抱えた。人間ってやつは困ると本当に頭を
抱えるらしい。
脱出方法について考えるために現状考察をしてみたのだが、考えれば考えるほど良く出来ている。
一番穏便な解決方法として「二人を説得する」があるのだが、説得しようにも萌姉ちゃんは話が通じないし、
蕾は意思が通らない。
実は一つだけ解決策はある。
それはどちらかを選ぶことだ。そう、選んでしまえば片が付く。命一つを犠牲にして選んでしまえば、
何の労力も要らずにここから出られる。
何度か考えたが選べなかった。
甘いと言われるかもしれないが、まだ二人を家族と思っていた僕には、家族を犠牲になんて
出来るわけなかった。
「たっくんの悩み顔は格好いいけど下半身すっぽんぽんだとしまらないね」
と、萌姉ちゃんが口を開く。幸せそうなその笑顔が無性に腹立たしい。
180 監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:33:37 ID:zCR9BE7t
うっせえ。
誰のせいで悩んでると思ってやがる。こんなやつ家族じゃないやい。あと手を下ろすな。目を隠せ。
想像以上に疲れてるな…僕。
ついでに腹も減った。ズボンを履き、いつもの定位置へと戻る。「姉ちゃん、食事にしないか?」
姉ちゃんは窓の方を見て、ぼけっとした…フリをしている。たまにこちらにチラチラ視線を寄越す。
つまりは催促だ。
ああ、もういい加減にしてくれ。
「…萌。僕はお腹がすいたので食事がしたいのですが」
「そうだね!私もお腹ペコペコだよー」
リュックの中から食糧を取り出す。例の薬品の瓶や、飲料水の入ったペットボトルも見てとれた。
薬品も食糧も予想より残量は少なめだ。遠慮無しに食べれば今日中に尽きてしまうかもしれない。
土台、三人分の食糧をこんな小さなリュックに何日分も詰め込める訳がなかったのだ。
「たっくんどれ食べたい?」
「おにぎり。おかかで」
「ええー…つまんないなぁ。新商品のツナトマサンドがおすすめなのに…」
わざとやってるだろアンタ。
姉ちゃんは食糧を全部取り出し、それらを抱えて僕の隣にちょこんと座った。
早速手を伸ばす。
「駄目ッ。ちゃんといただきますしてから!」
また手をはたかれた。
トイレ内で食事している時点でとっくにマナー違反だろうに。
「はい、それじゃあ…」
「いただきます」
「……いただきます」
口と手を使って包装を解き、食べ始める。昨日、一食しか食べていないので空きっ腹だ。
おにぎりはあっという間に胃袋に収まり、左手は次の獲物を求めて動く。
萌姉ちゃんはプリッツを囓りながら僕の食事を見守っている。そんなものまで持ってきてたのか、
遠足じゃないんだぞ。
「食べないの?」
「…?食べてるよ?」
プリッツを咥えながら首を傾げる姿はちょっとリスに似ている。不覚にも可愛いと思ってしまった。
「ちゃんとしたものを、だよ。プリッツなんかじゃ体壊すよ?」
181 監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:36:07 ID:zCR9BE7t
しばし自分の下腹部を睨み付け、
「うーん……食べる!!」
そう言うと手近にあった炒飯のおにぎりを掴んだ。
それ狙ってたのに…
一時間後、おにぎりやサンドイッチは全てビニールゴミと化し、腹をさすって壁にもたれる僕達がいた。
さて、貴重な食糧を食べ切ったのには理由がある。
「あー…食糧…食べ切っちゃったね…」
残りのプリッツを囓りながら、さり気なく話しかける。
「たっくんよっぽどお腹空いてたんだねぇ…。おにぎり4個とも食べ切っちゃうなんて」
「それを言うなら姉ちゃんだってサンドイッチ、三パックとも食べ切ったじゃない」
「ぅぅ…言わないでぇ…」
耳を塞ぐ姉ちゃん。
さて、本題に入ろうか。
「食糧無くなっちゃったけどさ、これからどうするの?」
下っ腹をつまんで溜め息をつく姉ちゃん。
「どうするって…何が…?」
心なしか目付きが鋭くなった気がする。焦ってはいけない。怯えてもいけない。
慎重に、慎重に。
「んー…その、このトイレにはもう食べる物は無いから…まだ少しの間は
我慢出来るけど、いずれは大変な事になるよね…?」
「…そうかな…?」
「…なると思うんだけど」
「それで、」
声にドスが効いてきた。
「たっくんは何が言いたいの?」
「…いつまでやるつもりなのかなって…」
「そんなのたっくん次第でしょ…?」
「もしどっちも選ばなかったら……どうなるの…?食べ物も無いし、
このままじゃみんな…飢え死にする事だってあるよ?」
「選んでもらえないならこのまま死んじゃってもいいよ、私」
寂しそうに笑う姉ちゃん。だがこっちにとっては笑い事じゃない。
「ちょ……」
ナイフの刃がこちらを向いていたから。
182 監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:37:43 ID:zCR9BE7t
「やっぱりたっくんは私の事嫌いなんだ?私以外の女の人が良いんでしょ?
やだよ。やだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよ
やだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだやだやだやだやだやだやだ。
私以外の誰かがたっくんの隣にいて。笑って。手を繋いで。たまに恥ずかしそうに、
してるのなんて」
ナイフに、今にも死にそうなくらいに怯えた男が映った。
「絶対に、耐えられないよ」
日の光を帯びた切っ先が真っ直ぐ、僕に向かってくる。
死ぬ。
目をギュッと瞑った。
瞼の奥にぐわんぐわんと痛みが広がる。この痛みがナイフの痛みを和らげてくれないものか。
そんな根拠のない祈りにも似た考えに縋り、さらに目に力を込める。ナイフの切っ先が僕の左胸に、触れた。
ジャージの先に刃先の感触。身体がこわ張る。ナイフが進み、肉が凹んで、食い込んで。
…進んで……ない?
恐る恐る目を開けた。
「たっくん…怖がりすぎだよ」
姉ちゃんが呆れ顔で僕を覗き込んでいる。ナイフを突き付けながら言う言葉じゃないぞ。
姉ちゃんが僕の膝の上に座ってきた。ナイフはまだ僕の胸の上でとまったままだ。
「どうやったら私がたっくんの一番になれるか、考えたんだけどね。
やっぱりこうした方が良いと思うんだぁ…」
話しかけながら姉ちゃんは僕の顔に左手を添える。こっちはそんな事を気にしている場合じゃない。
何せ、中心からやや左寄り…つまり心臓の上にナイフがあるからだ。
いつ刺されるか分かったものではない。
「たっくん…目、閉じて…」
おいマテ。
「あ、あのですね……。今から何をしようとしてらっしゃるんデショウカ…?」
「ちゅーだよ。はい、ちゅぅぅー…」
「待て。ちょっと待…待てって言ってるでしょぉぉぉがッ!!」
唇を突き出してくる姉ちゃんの頭を押さえ付け、同時にのけ反る。
勢いをつけすぎて壁に頭をぶつけた。
「何で止めるの!?大体ムードが無いよ!!キスだよ?これからキスするんだよ!?
男の子なんだからリードしてよ!!」
言いたい放題だな。
そもそもあなたがムードについて文句を言いますかそうですか。やはりここは奥の手を使うしかあるまい。
今僕の持てる唯一の武器、再々度のご登場である。
「…萌。僕は今そういう気分じゃないんだよ…」
さあ、ここは大人しく退いてくれ。
183 監禁トイレ⑪ sage New! 2008/04/27(日) 14:39:43 ID:zCR9BE7t
途端、ナイフにかかっていた力が増した。
「良く考えたら私、たっくんのお姉さんなんだよね…。やっぱりお姉さんが
弟の言う事聞いてちゃ、教育的に良くないよね…」
「え…」
「私、お姉さんだもんね。私がたっくんをリードしてあげる!!」
左手が僕のベルトをいとも簡単に解いた。片手で何秒とかからずに出来るんだから器用なものだ。
僕が慌てて妨害しようとすると、
「動いちゃ駄目だよ。刺さっても知らないよ?」
などと姉ちゃんはのたまいやがる。
「じゃあナイフをどけろよ!!」
「やだ」
またですか。
「覚悟決めてね、たっくん。私とたっくんの初めて、交換しようねっ!」
反論する間もなく、僕の唇は塞がれた。
「んっ…」
僕らを繋ぐ口内はひたすらぬるい。
手を入れ、大丈夫だなと思って入った湯水のぬるさ。ちょうどあんな感じだ。姉ちゃんの涎を注がれる。
僕の涎は奪われる。互いの唾液を溜め、それを互いの舌先で掻き回す。
舌と舌が接吻し、蛇のように捩れ絡み付く。
引きずられるようについてきた唾液が、空気をはらんで泡立ちぐちゅぐちゅと音を立てる。
「ン、ン、はぁむ…ちゅぷっ…チュパッ…」
僕の喉を通行拒否された涎は、唇の端から糸を引いて垂れる。姉ちゃんは時折それすら舐め取って、
僕の口内に無理矢理押し込む。
姉ちゃんの瞳は今にも溶けてなくなりそうなくらい潤んでいる。瞳の境界線が曖昧だ。
相変わらず左胸にはナイフのちくりとした痛み。そしてキスしている間に姉ちゃんの左手は、
僕の下着に到達していた。
「んぱぁ……」
「はぁっ…はぁっ…ね、姉ちゃん…」
指先が僕の股間をなぞる。
「…おっきくなってきてるね…」
彼女の手が張り詰めた剛直を握った。頭の奥、瞼の裏でチロチロと炎が上がる。
「良いよね……?」
ナイフの光に怯えながらも性欲は沸きあがり、「次」を待ちわびて僕の性器は何度も跳ね上がる。
それを見て微笑みながら、姉ちゃんは僕の逸物を取り出した。
「たっくんが早く言ってくれれば、いつだってしてあげたんだよ…?」
細くて白い指が性器を扱く。
ついに唾を、飲みこんだ。
最終更新:2008年04月27日 21:12