おにいちゃんこわい

615 おにいちゃんこわい sage 2008/06/14(土) 03:38:39 ID:9wqe23/v
長屋の若い衆が集まって、何やら話しております。
どうやら怖いものをつらつらっと並べて、お互い話しているようです。

「ねえねえ、わたしは何が怖いかってえと蛇が怖いんだよ。
あのにょろにょろっとした舌を見ると、ゾッとしちまうんだ。
八ツあんそう思わねえかい?あー!思い出しただけでも身の毛がよだつ」
「あら、そんなもんが怖いのかね。俺はかえるだよな、かえる。
どうもあのぬるってした背中はどうも苦手なんだよねえ」
「あんなもの怖かねえや。熊さんはずいぶん怖がりなんだね。
おい、お花ちゃんは何が怖いんだい?ずっと黙ってるじゃねえか」
「あたしは…あたしは…おにいちゃんが怖い」

「…ずいぶんおかしなこと言うね、この娘は。お前さんの兄貴の与太はお人よしで
この長屋じゃ有名じゃねえかい?」
「あああ!!もう、おにいちゃんって言葉だけでもゾッとするよ。
あたしとおにいちゃんが二人っきりになったて思うと、あたしの血がぜーんぶ
引いてしまうじゃないかって思うよ。ぶるぶるぶる…」
「ふーん。裏で何か悪い事でもしてるのかね」
「熊さん、そんな噂は全然聞かないよ」

おにいちゃんって言葉を聴いただけでお花ちゃん、とっととこの場から立ち去ってしまった。
さて、残された熊さんと八ツあん。この近所でお人よしでのんびり屋の兄貴が怖いって言う
お花ちゃんの言葉が信じられない。そこで、二人はお花ちゃんを怖がらせる事にしたんですな。



616 おにいちゃんこわい sage 2008/06/14(土) 03:39:22 ID:9wqe23/v
「おい、与太。今、障子の向こうにお花ちゃんがねてるんだ。
そこにな、お前さんがすっと飛び込む。飛び込むってえと、お花ちゃんがキャー!って叫ぶ。
お花ちゃんを怖がらせようって寸法よ」
「ほ、ホントにうまくいくのかい?熊さん」
「あったりめえよ。お花ちゃんがウソを吐くってえのか?」
「じゃあ、与太。……それ!」

ドドドン!!
熊さんに背中を押され、兄貴の与太はお花ちゃんの寝ている部屋に突き飛ばされた。
「きゃー!!おにいちゃん!!怖い怖い!怖いよお!!」
「おい!八!!聴いたかい?『怖いよお』って」
「ホントだねえ。『怖い』って言ってらあ」
「ぶるぶるぶる…だ、誰かああ!助けてえええ!!」
「お花ちゃん、ホントに怖がってるよ」
「あんなひょうろく玉に怖がってるのかい?」
「うん、あれは本物だよ、熊さん」

あまりにも悲鳴が大きいのでガラっとふすまを開けると、
着物を捲し上げたお花ちゃん、真っ裸の兄貴の上に乗っかって、腰を揺らしてる。
それを目にした、八ツあん熊さんは黙っちゃいられない。

「お、お花ちゃん!!何やってるんだい!」
「きゃー!おにいちゃんが怖い、怖いよお!」
「うそつけ!!ホントは何が怖いんだい?」
「今度は、おにいちゃんのちんちんが……怖い」

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最終更新:2008年06月15日 22:49
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