416 名無しさん@ピンキー sage 2008/10/01(水) 03:58:47 ID:5bFhf5hq
「いらっしゃいませ、こちら温めますか?」
「お願いします……って妹じゃないか」
「あ、お兄ちゃん」
「お前、こんなところでバイトしてたのか」
「うん、時給とかはそんなによくないけど、何もしないよりはましだからね」
「そうだよな。やっぱり金はほしいもんな。高校生なら当たり前だ」
「そうだよ。ところで、雑誌と飲み物は別にするの?」
「あー、……うん」
「ま、お母さんには黙っててあげるわよ」
「……エロ本くらい買ったっていいだろ」
「別に悪いなんて言ってないじゃない。ほら1234円」
「くそう、妹がレジにいるなんて……ほら五千円から」
「はい。お預かりします」
「……」
「はい、おつり。……でも、お兄ちゃん、いいの?」
「何が?」
「お兄ちゃんの彼女、大人しそうに見えてかなり嫉妬深いじゃない」
「うーん。問題はそれなんだよな。まあ、どこかに隠してやり過ごすよ」
「ふうん。彼女に、見つからないといいね。この間、隠してあったAVはいつのまにか捨てられてたんでしょう?」
「ああ。俺のお気に入りも全部な。……まあ、一つだけ別の場所に隠してあったから残ってたけど」
「え? まだ、あるの」
「おう。俺、本とDVDは別に隠してあるからな。だからこの本も、きっと見つかりっこないぜ」
「ふーーーーん……そっか……」
「じゃあ、そろそろ帰るな」
「あ、ごめんね。長々話しちゃって」
「本当だよ。定員のくせに」
「もう、お兄ちゃんのせいじゃない」
「はは、じゃあな。バイト頑張れよ」
「うん…………本当、お兄ちゃんのせいだよ」
417 名無しさん@ピンキー sage 2008/10/01(水) 04:13:27 ID:5bFhf5hq
「こん……にちわ」
「あら、いらっしゃい彼女さん」
「い、妹さん。……お、お兄さんは」
「いないわよ」
「え?」
「さっき出かけてもらったから。そんなことよりさあ」
「は、……はい」
「どういうこと?」
「え、な、何がでしょう」
バチン
「きゃあ!」
「わざわざ私の口から言わす気か、豚」
「で、でも! 本当にわからないんです」
バチン バチン
「きゃああ!!」
「はあ? わからない? ……あれほど、お兄ちゃんの部屋は完璧に女のものは排除しておけって言ったでしょ!!」
「わ、私、ちゃんと妹さんの言うとおり、エッチなCDは全部捨てましたよ?!」
「残ってたのよ、まだ。天井裏にね」
「天井……裏……」
「馬鹿が。あれほど隈なく探せって言ったのに」
「そんな! そこまでわかりませんよ!!」
「口答えするな!!」
「ひいっ」
「……それにあんた、お兄ちゃんに触ったでしょ。昨日の学校で、四時間目の授業中に消しゴム拾うふりして」
「?! ……あ、あれは……偶然……」
「私が見てないと思ったら大間違いよ」
「……ごめんなさい」
「……いいわ。許してあげる」
「本当ですか!」
「そのかわり、明日はちょっと協力してもらうわよ」
「え……」
「大丈夫よ……それほど、大変な事じゃ、ないから」
「……」
「ふふふふふふふふふふ」
最終更新:2008年10月05日 16:20