未来のあなたへ3

115 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 18:53:00 ID:TC1OyeSP
最終目的:目標の半永久的拘束。
前提条件:反社会行動のため、状況の隠匿。





一次目的:目標との男女関係構築。達成後、二次目的に移行。
予備目的:目標の初性交体験の奪取。


一次作戦A:強姦。
作戦概要 :目標を物理的に拘束して性交を行う。
必要条件 :薬物。両親の不在。目標を物理拘束するための技能、習得中。
遂行利点 :実行が容易。確実な効果。予備目的の確実な達成。
遂行難点 :目標の自発的協力が得られないため、一次目的達成後、最終目的の達成が困難。
検討事項 :排卵日に実行することで妊娠が可能。目標に精神的拘束を施す効果が期待されるが、前提条件の維持が困難となる。
総括   :一次作戦B破綻時の予備作戦として準備のみ行う。



一次作戦B:洗脳。
作戦概要 :目標に継続的に間接干渉することにより精神的拘束を行う。
必要条件 :異性としての魅力。アプローチ能力。時間。
遂行利点 :目標の自発的協力を得られて私が嬉しい。最終目的の達成が容易となる。
遂行難点 :目標の倫理観を突破しなければならない。時間がかかり、効果が不確実。
検討事項 :目標は思春期のため性欲の利用が有効と思われる。
総括   :実地中。



予備作戦:排除。
作戦概要:本次作戦において障害となる人物の物理的、精神的、社会的排除。
必要条件:殺人、拘束、脅迫、尾行、情報収集、情報工作のための各種技能。習得中。
候補分類
 目標が恋愛感情を向ける人物      :最優先:未確認
 目標に恋愛感情を向ける人物      :優先 :未確認
 目標が恋愛感情を向ける可能性がある人物:準優先:目標の交友関係(別紙)を参照
 目標に恋愛感情を向ける可能性がある人物:準優先:目標の交友関係(別紙)を参照
 状況の把握を試みる人物        :優先 :藍染晶(暫定協力者のため留保)
 状況の把握を試みる可能性がある人物  :準優先:父、母
総括  :最優先候補、優先候補ともに存在しないため、準備のみ行う。




116 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 18:54:04 ID:TC1OyeSP
副次作戦A:監視。
作戦概要 :目標を継続的に監視する体制を構築、維持。
達成条項
 生活サイクルの一致:未
 監視カメラの設置 :済
 盗聴器の設置   :済
 授業態度の把握  :未
 学力の把握    :済
 交友関係の把握  :済
 携帯履歴の把握  :未(目標は携帯電話不所持)
 放課後行動の把握 :未
 休日行動の把握  :済
 座標の把握    :済
 性的嗜好の把握  :済
 自慰回数の把握  :済
検討事項
 目標の留年:却下
 協力者の作成:要検討
 目標行動の制限:実地中
総括:実地中。達成率は必要不十分。監視体制の更なる強化が必要。



副次作戦B:収集。
作戦概要 :目標体組織の収集、消費。
収集状況
 部位:髪
  収集:目標のベッドから毎日採取。
  消費:ブラシを作成中。
 部位:皮膚
  収集:夏休み後、剥離したものを素手にて直接採取。
  消費:貴重品のため瓶詰めし保存。
 部位:爪
  収集:目標の爪切り後採取。
  消費:瓶詰めし日付のラベルを張って保存。
 部位:唾液
  収集:未採取。
 部位:血液
  収集:未採取。
 部位:涙
  収集:未採取。
 部位:耳垢
  収集:定期的に耳掃除にて採取。
  消費:咀嚼後嚥下。
 部位:陰毛
  収集:目標のベッドで採取。
  消費:咀嚼後嚥下。
 部位:体臭
  収集:脱衣直後の下着から採取。
  消費:咀嚼後吸引。
 部位:小水
  収集:未採取。
 部位:大便
  収集:未採取。
 部位:精液
  収集:ゴミ箱のティッシュから採取。
  消費:自慰に使用後咀嚼、嚥下。
総括   :実行中。性欲の鎮静に効果有。エスカレートには注意。


117 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 18:54:53 ID:TC1OyeSP
副次作戦C:マーキング。
作戦概要:自己の体組織を対象に付与する。
付与状況
 部位:髪
  用法:ブラシを作成中。
 部位:皮膚
  用法:未使用。
 部位:爪
  用法:寸断後、食事に混入。
 部位:唾液
  用法:目標の歯ブラシに塗布。
 部位:経血
  用法:食事に混入。
 部位:涙
  用法:目薬に混入後、目標に贈呈。
 部位:耳垢
  用法:食事に混入。
 部位:陰毛
  用法:目標のベッドに散布。
 部位:体臭
  用法:未使用。
 部位:小水
  用法:乾燥後、目標のシャンプーに混入。
 部位:大便
  用法:未使用。
 部位:愛液
  用法:香水に混入し、目標に贈呈。
総括  :実行中。精神的安定に効果有。エスカレートには注意。




118 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 18:55:37 ID:TC1OyeSP
夕食の後。
俺は自分の部屋でごろごろしながらマンガを読んでいた。帰りに本屋に寄って買ってきた新刊だ。
おっ。そうきたかー。ふんふん。お、おおおおお。すげー!
内容に没頭していると、いきなり部屋の扉が開いた。
「……まったく」
「げっ!?」
部屋に入って来たのは妹の優香だった。両親は外食に行っているので当然といえば当然だけど。
人差し指を額に当て、軽蔑しきった視線が俺に突き刺さる。ぐさぐさ。
うう、自業自得ではあるけれど、やっぱり痛い。
いや、それよりも。
「ゆ、ゆうか。いきなり入ってくるなよ!」
「……今、この状況で、真っ先に私に掛けるべき言葉がそれですか?」
え? 俺、何か間違ったこと言ってる?
「兄さんは受験生です。そして今月は十二月です。更に兄さんの成績はクラスで38人中30位です。さて、この条件でどうして兄さんは……」
「あー、もうわかった! わかったから! 俺が悪かったよ! けど……」
「私に謝ってどうするんですか。兄さんは論理的思考能力がないんですか?」
「……」
こてんぱんに打ちのめされて、とぼとぼと勉強机に向かう。ああ、マンガいいところだったのになあ……
昨日のまま放り出してあったノートと参考書に向きあう。ちらりと後ろを見ると、優香は入れ替わりでベッドに座ってマンガを手に取っていた。
「帰りに、本屋に寄ったのですね」
「ん? ああ。ちゃんと参考書も買ったぞ」
「他には何か買いませんでしたか」
「え。い、いや別に?」
「そうですか」
声が若干上ずったけど、妹には気づかれなかったようだった。手にしたマンガを本棚に入れている。
危ない危ない。ついでにエロ本も買ってたなんて、優香に知られたらどんな説教が飛んでくるかわかったもんじゃない。ウブな妹を持つと困るぜ。
背後からプレッシャーを受けつつ、参考書とにらめっこする。あれ、これどういう意味だ? えーと、戻る戻る……うーん、むつかしい……
「今日の夕食はどうでしたか?」
「へ? あ、うーんとえーと。うまかったぞ」
「兄さん。私は詳細な評価を求めているのですが。気になった点があれば何でも言ってください」
「え、え~~~~と、う~~~~んと……」
「……」
「え~~と。そういえば、ハンバーグが少し生ぐさかったかも」
「やはりそうでしたか。次からは香草の類で臭いを消しますね」
ポシェットから手帳を取り出して手早くメモを走らせる優香。ホント、俺と違ってマメな奴だなあ。
しばらく前から優香は料理に凝っているようで、いろんな料理を試してくれる。まあ、今日みたいに当たり外れもあるけれど。
基本的に俺は世話になっているだけなので、こんな風に勉強に関して尻を叩かれても優香に頭が上がらないのだった。


119 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 18:56:10 ID:TC1OyeSP

「……」(かりかり)
「……」
「……」(かりかり)
「……」
「……」(かりかり)
「……」
「……優香? 別に監視してなくても、勉強はさぼらないぞ?」
「兄さんに頼みたいことがあります」
「ん?」
椅子ごと振り返る。なんだって自分一人でこなせてしまう妹が頼み事なんて珍しい。
優香はベッドに座って、ポシェットから一枚の封筒を取り出した。何故か、ビニールパックに入れてある。
そういえば、あのポシェットも何時からか常に身につけるようになってたな。色々出てくるけど、何が入ってるんだろう。
「今日、帰り際。開いた下駄箱に入っていました」
「ああー、ラブレターか。最近多くないか?」
「もう十二月ですからね。クリスマスが近いからではないでしょうか」
「なるほど……クリスマスか」
はあ。俺は今年も今年も一人寂しく過ごすことになりそうだ。友達の義明は、晶ちゃんと付き合ってるのになあ。
「私が」
「ん?」
「いえ。それで明日の放課後に呼び出されているので、同行して下さい」
「……う~ん」
優香のこういうお願いは、前からちょくちょくあるものだった。いわく護身用らしいけど、目の前で告白沙汰を見せられる身にもなってほしい。
まあ、それでも。妹の数少ないお願いだし、兄として基本的には引き受けていた。
けれど、そろそろ俺をあてにするのはやめさせた方がいいのかもしれない。何しろ、あと三ヶ月で卒業してしまうわけだし。
まあ、そもそも俺を頼るのだって『他に頼む男がいないから』ぐらいの理由だしな。
「いや、そろそろ俺も卒業するし。誰か他の人に頼めないか? ほら、晶ちゃんとか、柔道部の友達と一緒にいくとかさ」
「……」
「ていうか、優香は彼氏作らないのか? そりゃ、悪い奴に騙されたりするのは気をつけた方がいいと思うけど。友達から始めればどんな男かもわかるだろうしさ」
「……」
「優香?」
「……あ゛」
優香の表情は変わらなかった。泣きもしないし笑いもしなかった。ただ、大きく息を吸って、吐いた。
すぅーーーー、はぁーーーー。



120 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 18:57:04 ID:TC1OyeSP

「兄さん、そこに立ってくれませんか」
「あ、うん」
椅子から立って、のこのこと優香の前に立つ。
瞬間、ぎしりとベッドを軋ませて、優香が跳びついて来た。胸元にぶら下がるようにされて前のめりになったところを、内側から足を払われてあっという間に転倒した。
床に仰向けに倒れ、さらに優香が一緒に倒れてくる。二人分の体重が背中に叩きつけられる。
どすん!
「げふっ!?」
肺の中の空気が残らず吐きだされた。頭を打たなかったのは、優香が後頭部に腕を回していたからだ。
俺が衝撃で身動きできない間に、妹が素早く腹の上に乗って両足で胴体をロックした。同時に右腕と頭がひとまとめにされ、首ごと小脇に抱えるよう両腕

でロックされる。
優香の両腕が締まった。窒息。
「ぐえっ!」
「小内刈りからの縦四方固め、です」
頭の上で、優香が囁いた。蝉のように、俺に真正面からしがみついたような体勢で。
というか、息! 息……!
する、と腕が緩められて、俺は盛大に呼吸した。ぜーはー、ぜーはー。
大きく息を吸うたびに、顔に当てられた柔らかいものがむにむにと変形する……って優香の胸じゃん!!
「ごほごほっ! な、何やってるんだよゆうか! 離れなさい!」
「何を慌てているんですか兄さん。これはれっきとした柔道の練習ですよ」
「いや本当かよそれ! なんか技の掛かりが柔道っぽくなかったし、これマウントじゃん!」
「乱取りでは禁止されていますが当身技もあるし、袖と襟を掴むだけが入り方ではないんですよ」
「へー。って、それはわかったから離れろって!」
左腕と両足が自由なので、じたばたと暴れてひっくり返そうとしたり、妹をひきはがそうとするけれど。
その度に重心を操られたり、肩を床に押さえつけられたりで全然返せない。しまいにはまた首を絞められた。
「ぐえっ!」
「静かにしてください。夜中に近所迷惑ですよ」
だからって強制的に静かにさせるのはどうなんだ。あとその理屈はおかしい。
ともあれ静かになった部屋で、妹は淡々と話し始めた。俺の頭を小脇に抱えたまま(腕は緩めてもらった)

「兄さんは、私がこのように、誰かに組み伏せられても良いと言うんですね」
「え、いやむしろ組み敷いてるのはお前……げふ」
「この技なんて、兄さんが相手だから決まったようなものです。私はまだまだ未熟ですし、男性に格闘能力で勝るとも思ってません」
「え、そうか? 一応俺、運動部だったし結構自信あったんだけど……」
「兄さん。男と女の差というのは、それほど大きなものなんですよ。あらゆる格闘技が、重量別男女別なのはそういうことです」
「あ、うん……」
「もしも。もしも私が、見知らぬ誰かに組み敷かれて、服を破かれて、胸を触られて、無理矢理キスされて」
「優香!? なにいってんだ!?」
「顔を何度も殴られて、抵抗する気力を奪われて、性器を好きに弄られて……うぐっ」
「ゆ……ゆうか?」
首を脇に抱えられているので優香の顔は見えないけれど。顔に押し付けられた胸から、ごぼりと何かが流れてる音がして。ごくりと、優香が何かを飲み込ん

だ。
え……今、吐きそうになって……それを飲み込んだのか?
「ゆ、優香! わかった!わかったからもうやめろって!」
「想像してください。私が、男に襲われて、無理矢理処女を奪われて、精液を子宮に吐きだされて、ゴミみたいにその場に捨てられて、その後の人生も繰り返し、繰り返し……」
「わかった! ごめん! 俺が悪かったから! 一緒に行く! 呼び出しに付き合うから!」
「……分かってもらえればいいんです」



121 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 18:58:29 ID:TC1OyeSP
ぱっ、と。優香が技を解いて立ち上がった。唖然としている俺を尻目に「失礼」と机に置いてあったコップの水をガラガラして飲み込んだ。
あ、やっぱりさっきのは吐きかけたのか。でも、なんか優香とゲロって嫌な組み合わせだなあ。いや、誰だってゲロとの組み合わせは嫌か。
「それでは兄さん。明日の放課後、教室に迎えに行きますから」
「あ、ああ……うん」
まるで何事もなかったかのようにベッドに座り直す妹。
俺は、今起きたことを頭の中で整理しながら、立ち上がって机についた。背中が鈍く痛い。
妹に投げられ、固められ、絞められた。それから。妹が無理やり襲われる想像を話し、吐きかけて、明日の約束をした。
俺はいったい、どっちにショックを受けているんだろう。投げられた方か、あんなことを言った方か。
それは俺の、最近の悩みに関係することでもあった。
う~~~ん。
悩んでいる俺を尻目に、妹がポシェットから紙切れを一枚取り出した。
「勿論、お礼はします。どうぞ」
「ん? えーと……これ、映画のペアチケットじゃないか」
「今月まで有効です。勉強ばかりでは気が詰まるでしょうし、暇を見つけて好きな相手と行ってください」
「いや、別にわざわざこんなもん貰うほどじゃないって。付いていくだけだし」
「私は正当な依頼をし、兄さんは代価を受け取る。それが社会のルールです、遠慮なく」
「大体、こんなもの貰っても一緒に行く相手なんかいないぞ、俺」
「使い方まで私は関知しません。受け取ってもらえればそれで結構です。建設的に、両方収まる方法を考えてみたらどうでしょう」
「う~ん」
俺は要らないって言ってるのに、頑固な奴だ。
けど、もうチケットは買ってしまってるし、今月までだし。けれど妹の金で楽しむっていうのも兄としてどうなんだろう。
で、両方収まる方法、となると……おお、あったあった。俺にも優香みたいな論理的思考って奴が身についたのかも。
「じゃあ優香。部活が休みの時にでも、一緒に見に行くか」
「妹以外に誘う相手がいないなんて、兄さんは本当に甲斐性がないんですね」
「うるさいなっ!」
「まあ、構いませんよ。どう使うかはそちら次第ですから」
嬉しそうでも嫌そうでもなく、淡々と優香は頷いた。
やれやれ、頑固な妹を持つと兄は苦労するなあ。
「何かバカなことを考えていませんか、兄さん」
「んー。いやいや、なんでもないぞ。というか、いきなりバカ扱いは酷いぞ」
「違いましたか? ああ、そういえばそろそろ御風呂が沸きますから、入って来たらどうですか」
「ん? あー、でも今は勉強してるし優香先に入っていいぞ」
「お断りします。兄さんが私の残り湯を飲んだら不快ですから」
「ぶふっ、するわけないだろっ!」
「冗談です。今からすることがあるので、お先にどうぞ」
「んー。わかった。じゃあ一番風呂貰うよ」
「はい」



122 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 18:59:26 ID:TC1OyeSP


熱い湯を張った風呂桶に、ゆっくりと体をつけていく。熱さがじわじわと体を上がっていき、押し出されるように声が出た。
「ふ~~~~……」
この季節の風呂は格別だ。冷えた体が芯から温まる。
鼻まで潜ってぶくぶくとしてみる。熱いのですぐにやめた。
「いちち。部屋で投げ飛ばすなよ、優香の奴」
いまだに鈍痛の残る背中を、湯の中でゆっくりと伸ばす。痛みがほぐれていくように取れていった。
に、しても驚いたなあ……
投げと固めを食らったことを思い出す。これでも俺は男だし、部活で結構鍛えてた。それを簡単に抑え込むとか、柔道部に入って半年とは思えない。
まあ、優香が部活に打ち込んでいるのはよく知っている。朝練も毎日欠かさず出ているし、よく居間で薄着になって筋トレしてるし。
随分たくましくなったなあ、ほんと。母さんなんかは女の子が、なんてよく愚痴ってるけど。
それでも、優香は男には勝てないと言っていた。
まあ勝てないかどうかはさておき、他の男にあんな真似をするというのもちょっとなあ、と右頬を撫でる。
妹の胸が当たっていた頬だ。
一瞬で落ち込んだ。反省し、ぶくぶくと湯船に沈む。
これが、ここ最近抱えている悩みの種だった。

変な話になるけれど、最近優香を意識することがある。
妹としてではなく、異性として。
……溜まってんのかなあ、俺。
夏、友達と一緒にプールに行った時が最初だったと思う。優香が大胆な水着を着てきて、一緒にウォータースライダーで滑りまくった。
まあそれは晶ちゃんのための作戦だったわけだけど、ずっと肌をくっつけていて……何でか、勃った。
なんでだろう。とりあえず、パッドを入れて増胸してたみたいだけど、それは関係ないような気がする。
まあ……そもそも、優香と肌を合わせるということ自体、憶えている限りでは初めての経験なのだ。お風呂だって一緒に入った覚えはない。
男友達の話を聞くと、妹なんて家の中ではだらだらしてるし可愛くなんて何ともない、ということだけど。俺は少なくとも、妹のそんな姿を見たことはない


優香の考えていることなんて全然わからないし。そういう意味じゃ、俺にとって優香は、家族と言うよりももっと遠い存在なのかもしれない。
昔から、そんなことを何となく感じていて。どんなに冷たく当たられても、兄であろうと心がけてきたけど。
優香はやっぱり俺には心を開いてくれなくて。それが時々、寂しいと思う。
そういえば……さっきの優香は、泣いていたんだろうか。
俺を固めて、男に襲われたらどうするんだと訴えていたとき。立ち上がりざま、服の袖で目尻をぬぐっていたような気がする。
まあ、ゲロするときは何故か涙が出るから、不思議な話じゃないんだけど。
優香は本当に、男に襲われるのが吐くほど嫌だったのだ。いや、それは誰だってそうだけど。
手紙で呼び出されることから、そんなことを連想するほど……たぶん、男というものが怖いんだろう。
優香はいつもそんな恐怖を抱えてきたんだろうか。だから、いつも俺を同行させたんだろうか。
妹が俺に冷たいのは、その恐怖をまた俺にも抱いているから何だろうか。
「……けど、それで俺もチンコ大きくさせてんだもんなあ」
何でなんだろう。自分をぶん殴りたい。ぶくぶく。
確かに優香は可愛い。美人だし、髪はさらさらだし、目は綺麗だし、声は落ち着いているし、体型もすらりとしている。まあ胸は小さいかな。
世間一般的に可愛いし、俺も可愛いと思う。
最近は、たまに一緒に出かけると。すごくめかし込んできて、ドキッとすることもある。
けど……俺が優香に欲情してどうするんだ。しんとうめっきゃく、しんとうめっきゃく……ふう。
やっぱり溜まってるのかなあ。とりあえず、風呂出たらエロ本で一発抜こう。
でも優香の奴。俺が卒業したらどうするんだろう。男の欲望から、ちゃんと自分を守っていけるんだろうか……心配だなあ。
ぶくぶく。



123 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 19:00:15 ID:TC1OyeSP

「あ~。クラクラする~」
風呂上がり。
考え事をしていたせいで、すっかり茹で上がってしまった俺は。シャツとパンツだけで脱衣所を出た。あー、空気が冷たくて気持ちいい。
居間では、優香がタンクトップにズボンという格好で腕立て伏せをしていた。おお、がんばってるなあ。
「ゆーかー、でたぞー」
「……間の抜けた声ですね。またそんな格好で歩き回っているんですか。恥という文化を知らないんですか」
「いや、ちょっとのぼせちゃってさ。あー、すずしー」
「とにかく兄さんの下着姿なんて見苦しいだけです。さっさと着替えてください」
「いいじゃん、優香だって薄着だろ」
「なんですか。兄さんは私の薄着をじろじろ鑑賞するために、自分も薄着で来たのですか」
「ばっ。そんなこと言ってないだろ!」
なんか最近、優香はこの手の返し方が多くなった気がする。
だから意識してしまうのか、妹相手に意識してしまう俺がおかしいのか。きっと後者だ。
「とにかく、親父達が帰ってくる前に入っておけって」
「ふう……そうですね。では」
腕立て伏せを終え、優香がポニーテールを振って立ち上がる。うっすらと汗の浮かんだ肌が、光を反射してきらきらとしていた。
……って、やれやれ。だからそういうところを見てるから嫌われるんじゃないか。しんとうめっきゃく。
妹は着替えを持って風呂に入っていった。今の内に、俺もエロ本で抜いておこう。それから勉強だ。


124 未来のあなたへ3 sage 2008/12/09(火) 19:00:52 ID:TC1OyeSP

湯船に入ってから。洗濯機の中にあったトランクスをくわえる。
いただきます、兄さん。今日の恵みに感謝します。

もしゃもしゃもしゃもしゃ

つーんと、頭が芯から痺れた。鼻腔いっぱいに広がる、生臭い雄の体臭。
生地を傷つけないように、兄の下着をゆっくりと噛みしめる。
兄の直後に入浴し、下着の臭いと味を楽しみ、出る際に戻しておくのが最近の日課だった。これなら交換下着を用意することなく毎日楽しめる。

ちゅぱ ちゅぱ ちゅぱ

今日はいつもと味が違った。小水のアンモニア臭と、汗の塩辛さ。それから、一際生臭い。精液。先走りと、ほんの少しの精液の味だ。
あは。兄さん、やっぱりさっき、勃起してたんですね。
兄さんは気付かなかったかもしれませんけど。縦四方固めのとき、固くなったおちんちんがお尻に当たっていたんですよ。私もすごく濡れました。
兄さん、兄さん、兄さん。
私を女として、雌として意識してくれたんですね。
一次作戦Bは順調に進行中。
今まで全く行ってこなかった肉体的接触の増加。
特定のイベント時に着飾ることによって驚かせること。
男性に対する性的恐怖を訴え、庇護を求めること。
全て、意外性。
兄の中で堅く硬く凝り固まった、妹という固定観念を破壊するための意外性。
榊優香は、榊健太にとって確かに妹なのだが、しかし同時にSEXの可能な女である、という概念を植え付ける。
嗜好への間接的な干渉は、成果が大きい代わりに効果が不確実で不透明だったけど、確かに効果が上がっていることが確認できた。
嬉しい、嬉しい、嬉しい。
今は性欲に引きずられているだけでしょうが。いずれ、兄さんの理想そのものを私に書き換えてあげますから。
そうすれば、二人とも幸せですよね。

じゅる じゅる じゅる

ああ、美味しい、美味しいですよ、兄さん。
男と女に力の差があるというのは本当です。男が本気で襲いかかってきたら、非力な女性は多少の技術があっても簡単に負けてしまう。
だから、ちゃんと私を守ってください。兄さん。
兄さん以外の男なんて、吐くほど嫌なんです。あの嘔吐は本当です。想像だけでも耐えられない。
だから、もしも私が兄さん以外の男に襲われたら。
そのときは、目とか喉とか股間とか小指とか、ちゃんと狙いますから。ナイフとかスタンガンとか警棒とか寸鉄とか、ちゃんと使いますから。
兄さんだけなんですよ。私の処女を破っていいのは、兄さんだけなんですよ。

ずーずずずずずずずず……

ごちそうさまでした、兄さん。今日も美味しかったです。

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最終更新:2008年12月14日 20:57
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