小ネタ「甘いのは甘酒と……」

517 小ネタ「甘いのは甘酒と……」 sage 2009/03/06(金) 01:30:09 ID:6wyfWwK7
「さて、あの娘はうまくやっているかな?」
 空っぽの甘酒の缶をくるくる回しながら、私は独り言を呟く。
 あの娘――私の数少ない友達。とても素っ気無くて、とても可愛い女の子。
「まあ、気持ちは間違いなく本物だったし、大丈夫でしょう」

 あの娘からあの話を聞いたときは、正直びっくりした。
 弟が好きなの、と恥ずかしそうに私に伝えてきた、あの時の表情。
 他人なんてどうでもいい、という態度からは想像できないほど可愛かった。
 あの顔を普段から弟くんに向けていたら、間違いなく弟くんは落ちていたよ。

 彼女が私に相談してくれたのは、彼女の気まぐれだったのかもしれない。
 でも、私のほうは、彼女に相談されたのは、偶然だったとは思わない。
 だって、彼女の悩みは、私とおんなじ悩みだったから。
 血の繋がったきょうだいに、恋心を抱いていたから。

 思考を止めて、隣で寝ている兄さんのほうを振り向く。
 うんうん、まだまだぐっすり眠っているね。関心関心。
 この人は、私の愛しい愛しい兄さん。
 私のことを、ずっとずっと守ってくれた、大好きな兄さん。

 私が泣いた時は、真っ先に慰めてくれて。
 私が怒った時は、真っ先に宥めてくれて。
 私が笑った時は、一緒に笑ってくれて。
 私が困った時は、一緒に悩んでくれた、優しくて強い人。

 今日は私の誕生日。そして兄さんの誕生日。歳は違うんだけどね。
 思っていた通り、兄さんは今年も甘酒をたくさん買ってきた。
 毎年誕生日には、こうやって2人揃って、家で甘酒パーティを開く。
 そして、兄さんは私よりたくさん甘酒を飲んで、酔って寝てしまった。

 余談になるけど、この人は昔から甘酒が大好きだった。
 そして、面白いくらい甘酒で酔っ払って、その後はぐっすり眠っていた。
 そんな人だから、昔から私が、兄さんと一緒に甘酒を飲んでいた。
 ほっとくと風邪をひくからと、私がいつも介抱してあげるために。

「でもね、今回はいつも通りの介抱なんて、してあげない」
 私だって覚悟を決めた。あの娘も今頃頑張っているんだから。
 もちろんこの人だって、兄妹で付き合うことは良しとしないだろう。
 だから、眠っている今のうちに、優しく優しく、犯してあげる。

「甘酒の色は白い色。私の大好きな白い色」
 いつも兄さんの前で言っていた言葉。兄さんの精液を想像しながらの言葉。
 今日は、甘酒より甘い兄さんの精液を、私のナカで受け止めてあげる。
 そして起きた兄さんを脅して、ううん説得して、付き合ってもらおう。

 さあ、兄さん。私だって、頑張る時は頑張るんだからね。
 否定なんてせずに、ちゃんと私の恋心、受け止めてちょうだいね。

――私は私の恋物語を、ここから次の舞台へと、進めていこう。

                      ― Go to NEXT STAGE!! ―

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最終更新:2009年03月11日 02:29
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