理緒の檻(その1)

507 :理緒の檻:2007/10/21(日) 22:02:32 ID:edDQwW+y
「ふぁぁ…あ~ねみぃ…」
また一日が始まる。
時計を見ると7時を指していた。
「まだこんな時間か…ってこいつはまた…」
自分の寝ていた横を見るとまた勝手に人のベッドに潜り込んで寝ている姉が居た。
「ったくこのバカ姉は…」
そう、この姉はいつも俺より先に寝るくせに、いつの間にか俺のベッドに潜り込んでいるのだ。
「仕方ねぇなぁ…ほら、理緒姉、起きろって。」
「うぅん…」
いや、うぅんじゃなくて起きろって。しかも寝返りをうった拍子にパジャマがはだけて下着が見えてるし。
「はぁ…起きろ~!」
言いながら軽くデコピンする。
「ひゃんっ!…うぅ~痛いよぅ…酷いよ修くん…」
「起きない理緒姉が悪いんだろ。さっさと起きて着替えろよ。…色々と見えてるから。」
「え…?あ、本当だ。まぁ修くんにだったら見られても良いや。家族なんだし。」
「……はぁ。」
「溜め息をつくと幸せが逃げるよ?」
「あんたのせいだろうがこのバk「何?今もしかしてバカ姉って言おうとしたのかな?」
「い、いや、なんでもない。」
危ねぇ…前に1度だけバカ姉って言って殺されかけたのを忘れてた…
「とっ、とりあえず朝飯にしよう。」
「うん。修くん今日は何を作ってくれるの?」
「今日はご飯と味噌汁と納豆と焼き魚かな。」
「おぉ、純和風の朝食だぁ。じゃあ修くんが作ってくれてる間にシャワー浴びてくるよ。」
「はいはい。15分位でできるからな。」
「りょ~かい。のぞきに来ても良いからね~」
「いや、行かねぇし。つーか行ってたら魚が焦げちまう。」
「もぅ、真面目だなぁ…」
「普通だろ?いいから入ってこいよ。」
軽く頬を膨らませて風呂場に向かう理緒姉。…ああいう所だけ見ると姉って言うより妹だよな。
さて、朝飯作るか。



509 :理緒の檻:2007/10/21(日) 22:33:34 ID:edDQwW+y
「あ~…さっぱりしたぁ!」
もうすぐ朝飯が完成しそうな時にそんな声が聞こえた。
「修くん、朝ご飯できた?」
「もうちょいで魚が焼けるから座って待っててくれ。」
「は~い。」
そういってテレビをつけて座る姉。
「お待たせ…って理緒姉、服着ろって。」
「ん~、暑いからもうちょっとこのまま。」
「…目のやり場に困るって前から言ってるだろ」
実際今も直視できない。いくら姉とはいえ体型はかなり良い方だ。
痩せすぎではなく適度にむちむちな感じと言えば良いのだろうか。
前に自分で「Eカップになったよ~」とか言ってたっけ…
とにかく色っぽい。
シャワーを浴びたせいか頬が薄く紅潮していて余計に煽情的だ。
が、姉に興奮する様な俺じゃない。
「せめてバスタオル一枚は勘弁してくれ。」
「わかったよぅ…」
しぶしぶといった感じで服を着る理緒姉。
「さて、冷めないうちに食べよう。」
「ちょ、ちょっと!お姉ちゃんが服着るまで待ってよ~!」
「いや、冷めちゃうし。」
「あと30秒だからぁ!」
「仕方ないなぁ…」
持っていた箸を置く。
「はぁ…はぁっ、お待たせ。さっ、食べよっか。」
「「いただきます」」
もくもくと食べて、半分位になった頃に姉が話かけてきた。
「ねぇ、修くんって好きな人とかって…居るの?」
「なんだよいきなり?」
「いやぁ…修くんも年頃だから、好きな人の一人や二人居るのかなって。ほら、保護者としてさ。」
「…」
そう、うちは早くに両親を亡くしてしまって、俺が保育園位の時から祖父母と、中学に入ってからは姉と二人暮らしをしている。
だから心の中では理緒姉には感謝している。
…言葉で伝えると調子にのってくっついてくるのが目に見えてるから言わないけど。
「別に好きな人なんて居ないよ。今は勉強しないといけないし。」
「そう…なら良いんだけど。」
実際は…中学の時からずっと憧れている人は居る。
でもその人は顔も知らなければ、どんな人なのかも分からない。
なぜならその人は小説家なのだ。
中学の時にふと手に取って読んで以来、ずっと。
名前を、大広リエという。
唯一女性だという事を除けば他に何も知らない。
その人の書く推理小説は売れているにも関わらず、あの人がTVなどのメディアに顔を出した事がないという不思議な人だ。


510 :理緒の檻:2007/10/21(日) 23:11:17 ID:edDQwW+y
時間を見る。
7時50分。そろそろ支度をして学校に向かう時間だ。
「さて、と…じゃ、理緒姉、いってきます」
「いってらっしゃい。気をつけてね~!早めに帰ってくるのよ~。」
無言で後ろに手だけ振って応える。


学校に向かう途中同級生の女子に会った。
「おはよう。織部君」
「あぁ、おはよう。」
この子は中学からの同級生の羽居春華。
何故かずっと同じクラスで、常に委員長をしているいかにも真面目、というような子だ。
「折角だし一緒に学校行こうよ。」
「ん?まぁ…良いけど。」
同じクラスに居てもあまり話す事はない。
唯一テスト前はお互いに得意分野が違うので質問をしたりされたりする。
「そういえば織部君は大学に行くの?」
「まぁね。推薦貰う為に勉強やってるみたいな所もあるし。」
「そっか…頑張ってね。」
「あぁ、ありがとう。」

などと話しているうちに学校に着いた。

「おーっす、修、おはよう!」
「おはよう。…なんかお前テンション高くないか?」
「そりゃあテンションも上がるってもんよ!お前新しく来る先生の話聞いたか?」
「来るのは聞いてたけど…それがどうかしたのか?」
「どうしたもこうしたも、その人めちゃ美人らしいぜ!それもスタイル抜群で!」
「ふーん…」
「ふーんって、お前…!あぁそうか!お前には綺麗な姉ちゃんが居るもんなぁ。他の女に興味無くても仕方ないよなぁ!」
「馬鹿、ちげぇって!あの姉はそんなんじゃねぇよ!」
「じゃあどんなんだよ?」
「家族に決まってんだろ。」
「か~っ、これだからお前は…俺にあんな姉ちゃんが居たら間違いなくあんなことやこんなことを…くぅ!」
「実際に姉が居たらそんな事考えねぇよ…」
「じゃあお前の姉ちゃん俺によこせよ!」
「それは却下だ。」
「なんでだよ?」
「お前の義弟になんてなりたくない。」
「ちっ、仕方ねぇ、新任の先生に期待すっか…」
ガラガラッ
「お、噂をすれば…っておぉぉぉ!」
入って来たのは確かに美人だった。
スタイルも理緒姉と良い勝負か?
周りの男子は皆口笛を吹いたり歓声をあげている。
「黙りなさい」
ビシッと冷たい言葉が飛ぶ。
決して大きくはないその声だが、一瞬にして教室内が静まりかえる。



511 :理緒の檻:2007/10/21(日) 23:45:14 ID:edDQwW+y
「今日からこのクラスの副担任をする氷室澪です。よろしく。」
簡潔な挨拶だが、皆が拍手をする。
結構きつそうな人だな…
「この中に織部君は居るかしら?」
え…俺?
なんで俺が呼ばれるんだと思いながらおずおずと答える。
「織部は俺ですけど…なんですか?」
「織部修君ね?話が有るから放課後教室に残っていて。」
「え…あ、はい。わかりました。」
「では皆さん、通常通り授業を受けて下さい。」
そう言って氷室先生は教室を出ていってしまった。
「なんでお前が呼び出し食らうんだ?」
「知るかよ…俺だってびっくりしてるし。」
「くそっ!このうらやましい奴め!」
「いてっ、止めろって!」

何事もなく授業は6時間目まで終了し掃除をしていた連中もバタバタと帰って行く。
当然呼び出された俺は帰る訳にもいかず教室でただ座っていた。
俺以外全員が居なくなって少し外が暗くなった頃ようやく氷室先生が来た。
「待たせたわね。」
「まぁ…それより話ってなんですか?」
「あなたはお姉さんと二人暮らしをしているのだそうね。」
「はぁ、そうですけど。」
なんでそんな事まで知ってるんだ?
一体なんなんだこの人は…?
「どうして知ってるんだ?って顔をしてるわね。ふふっ、知りたいかしら?」
初めて氷室先生が笑顔を見せた。
とても妖艶で美しいが、反面冷たく凍る様な不思議な笑みだった。
「私の事…覚えていないかしら?」
「…?」
覚えてるも何も初対面のはずだ。
「まぁ覚えていないのも無理はないわね。
あなたと会ったのはあなたが小学校低学年の時だもの。」
全然思い出せない…
が、何か引っ掛かる気もする。
「簡単に言えば私はあなたの姉、つまり理緒の友達よ。」
「理緒姉の…友達?」
言われてみれば、あまり友達を連れて来なかった理緒姉が唯一連れてきた友達が居た。
まさかそれが氷室先生なのか?
「少しは思い出してくれたかしら?」
なんとなく…ですけど…。それは良いとしてなんで俺を呼び出したんですか?」
「あら、分からないかしら?」
そう言いながら近付いてくる氷室先生。
既に机1つ分の距離しかない。



513 :理緒の檻:2007/10/22(月) 00:27:56 ID:urFxa0Lz
すごく嫌な予感がした。
急に理緒姉の顔を見たくなった。
「私はずっとあなたを好きだったの」
今…なんて言われたんだ?
俺の事が…好き?
そんな馬鹿な。会ったのは小学生だぞ?
「相手は小学生ですよ?氷室先生…」
「今は高校生でしょう?」
「そういう問題じゃ…」
「年なんて関係ないわ。好きなものは好きなの。」
それにしても…急過ぎるだろう。
「そんなことを言われても俺は…」
「あなたの返事なんて聞いてない。私はあなたの体が欲しいだけなんだから」
「っ!ふざけないで下さい!」
「ふざけてなんかないわ。ほら…もうこんなになってるもの…」
言いながらスカートを降ろす氷室先生。
見てはいけないと思うのに目が離せない。
既に下着は湿っているようだった。
「見て…もうこんなに濡れちゃってるの…んっ…」
こっちを見ながら指でなぞっている。
指を往復させる度にくちゅ…くちゅ…といやらしい音が聞こえる。
「織部君…いや、修君…もっと見て…」
「くっ…」
たまらず目を背ける。しかし、それは間違いだった。
いつの間にか氷室先生は俺との距離を無くしていた。
「ふふっ…目を背けても体は正直よね。ここ、もう大きくなってるもの」
しまった…!と思った時には、既に氷室先生は俺のズボンの上から俺のペニスを撫で始めていた。
「うあっ…」
「君のおチンチン服の上からでも分かる位ビクビクしてるわよ?」
耳元でそんなセリフを囁く氷室先生。
「くっ…あぁ…」
まずい…このままじゃ理性が飛んでしまう。
なんとか逃げないと…
「服の上からこれじゃ…直接触ったらどうなるかしらね?」
氷室先生がベルトに手を掛けた瞬間。
「えっ?きゃあっ!」
俺はベルトを掴んだ氷室先生の左手を引き、体勢を崩させた。
そして左手が離れた所で急いで逃げ出した。
「待ちなさい!修君!」
「ごめんなさい!氷室先生!」

「…ちっ。まだ理性が有ったのね…でも、次は逃がさない。」

ようやく家にたどり着いた。
「ただいま…」
「修くん…こんな遅くまで何をしてたの?」
「先生に呼び出されただけだよ。」
正直になんて言える訳がない。
「ふぅん…」
スッと近付いて俺のそばでくんくんと匂いをかぐ理緒姉。
「修くん、女の匂いがするんだけど。」
「きっ、気のせいじゃないかな?」
「そうやってごまかすんだ。そんな修くんにはお仕置が必要だね。」


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最終更新:2007年10月25日 17:46
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