19スレ258

258 名無しさん@ピンキー sage New! 2009/04/13(月) 01:20:04 ID:T/Hyf3ys



皆さんこんにちは。今日は僕の友人のことを書こうと思います。
どうして自分の事じゃないのかって?僕には姉もいなければ妹もいないからですよ。

コホン。僕の友人、彼の名はあk…あ、実名はまずいですかね?では、Aとしておきましょう。
Aには、かお…じゃなかった、Kちゃんという妹がいるんです。
彼とは所謂幼馴染で、僕、A、Kちゃんの3人でよく遊んでいました。
どんな遊びだったかって?そうですね、やっぱりヒーローごっこが多かったですね。
正義の味方A、とらわれのヒロインKちゃん、そして悪の怪人僕という役で。

…そういえば悪役しかやったことなかったですよ、はい。

さて、そんな僕達が高校生になった頃(3人とも同じ学校に通っていました)のこと、
ある日、Aから相談を受けました。
曰く、「俺、今日の授業が終わったら、S先輩に告白するんだ…」とのこと。

ええ、正気を疑いましたよ。彼の。

そのS先輩というのは生徒会長でして、少々キツイ性格をしているものの、
頭がよく、美人であり、また巨乳の持ち主でもありました。
しかし一つだけ、たった一つだけ欠点がありまして、彼女は僕のクラスメイトであり、
彼女の実の弟でもあるYを溺愛していたのです。
所謂ブラ紺…じゃなかった、ブラコンという奴ですね。
それはもう凄まじいほどで、普段はツンケンしていて先生方もタジタジなのですが、
Yの前ではそれはもうデレデレで、
「普段の会長はどこへ行ってしまったんだ?」
「これが本当にS先輩なのか?」
「いや、S先輩には双子の姉か妹がいて、今日はたまたま入れ替わっているんだよ!」
「「「ナ、ナンダッテー!?」」」
という有様でした。

失礼、少々脱線してしまいましたね
とにかく、Aの玉砕は火を見るより明らかだったのです。
一応警告はしておいたのですが、Aは耳を貸しませんでした。

「これが若さか…」と思わず呟いてしまいましたよ、ええ。




259 名無しさん@ピンキー sage New! 2009/04/13(月) 01:20:46 ID:T/Hyf3ys
まぁとにかく、そんな訳でAの失恋は決まりきっていた(何せ、S先輩は全校生徒の前で、
Yへの熱愛を宣言するほどでしたから)ので、Aと分かれた後、Kちゃんを呼び出したのです。

「何の用」

…Aといない時のKちゃんはこんなものです。僕を人として見ていないというか、Aのオプション
としてしか認識していないと言うか…
とりあえず、その辺はさらっとスルーして、AとS先輩のことを話しました。
「フ~ン…Sセンパイネェ…」
「うん。S先輩はあの通りY命だから、Aは多分振られると思うんだ。だから…」
「解ったわ!傷心のお兄ちゃんに付け込んで、既成事実を作ってしまえというのね!?」
「え?あぁ、まぁそうなるかな」
「解ったわ!任せて!こんなこともあろうかと、色々準備しておいた苦労がようやく結ばれるのね!」
言うが早いか、彼女は僕の前から姿を消してしまいました。それはもう「あっ」と言う間に。
え?どうして「既成事実」を否定しなかったのかって?普通思うでしょう?「冗談だ」と。

…言わないで下さい。僕も後悔しているんですから。
「あの時、是が非でも彼女を止めておけばよかった」って…

その日から、Aは学校へ来なくなりました。当時は「S先輩に振られたのが
そんなにショックだったのか?」と思ったのですが、一月後、彼は復学しました。

救い様の無い程シスコンになって。

やれ、妹が慰めてくれただの、妹とキスしただの、S先輩よりKちゃんの方が素晴らしいだの、
聞いているだけで洗脳されそうになりましたよ、ホントに。
でも、アレなんですよね。Kちゃんのことを愛しそうに話している割には、目が虚ろなんですよ。
しかも微妙に片言だったし。
何となく、本当に何となくですが、Kちゃんが彼に何をしたのか想像できてしまいました。
そんな彼に、僕はたった一言しか言ってあげられませんでした。

「諦めろ」と。

そんな彼も今では32歳。妻と3人のお子さんに囲まれて(傍から見る分には)幸せそうです。
え?奥さんは誰か?それをこのスレで聞きますか?

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最終更新:2009年04月13日 21:25
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