21歳のキモウト~メイド変~

42 21歳のキモウト~メイド変~ sage 2009/06/20(土) 23:00:24 ID:367E9ov/
「ただいま」
「おかえりなさいませご主人様。お食事になさいますか?湯浴みになさいますか?それとも夜伽になさいますか?」
玄関を開けたらメイドがいた。冥土でなくてメイドだ。辞典には『メード』で登録されているので、本来は『メード』と発音すべきなのだろうが、ここ日本では『メイド』の方が通りがいいだろう。
失礼、少々混乱しているらしい。
「…その前に聞かせてくれ。そのふざけた格好は一体何のつもりだ?」
「知り合いの女性教諭の方が、「男を落とすにはメイド服で迫るのが一番だ」と仰っていましたので」
「…今度その反面教育者に会ったら、「メイドの語源を調べて、レポートとして提出」させろ」
「かしこまりました」
先に答えを言ってしまうと、メイドの語源は『Maiden』、つまり『処女』や『未婚の少女』と言う意味であり、『主に穢れなき忠誠を尽くす』、または『意中の男性に愛を尽くす』という意味から来ているのだ(一説だが)。
「というか、そろそろその妙な言葉遣いは止めてくれないか?」
「いけませんか?」
「虫唾が走る」
現に、先程から体中のあちこちが痒くて仕方ない。
「何よそれ!ひっど~い!折角兄さんの疲れを癒してあげようと思ってたのに!」
「お前のキャラに合ってないぞ」
「うっ!痛い所を…」
「やはり自覚はあったのだな」
「だって~、「メイドさんの喋り方はこうよ!」って、教諭が言うんだもん…」
…教諭殿。貴女は舞のキャラを理解しておられなかったのですか?それとも、理解したうえで、あんなことをさせていたのですか?
「何か含み笑いしてたけど」
後者だったらしい。
さて、それはそれとして、この『知能指数と勉強の出来は、必ずしも比例するわけではない』を体現している妹に、兄としてこれだけは言っておかねば。
「舞よ。お前は生粋のメイドでもなければ、メイドとしての教育を受けたわけでもあるまい」
「そりゃそうだけど…」
「お前はお前だ。他の何かになれはしない。また、なる必要もない。お前は、お前らしくしているのが一番似合うと、この不肖の兄は思うぞ」
「兄さん…」
まあぶっちゃけ、「似合わないことはするな。見てる周りがイタイから」ということだが。
「さて、この話はここまでだ。食事にしようと思うんだが、舞は晩飯は食べたか?」
「え?ううん、まだ」
「じゃあ一緒に食べよう。出来合いで悪いが、安かったので買ってきた」
「うん。いただきま~す!」
「いただきます」
あ~んや口移しで食べさせようとするメイド(似非)に辟易しながらも、この日の食事はことのほか穏やかに終わった。
…舞がこの一言を吐くまでは。
「兄さん、私メイドになる!兄さん専用のメイドになるの!そして兄さんにご奉仕するの!そりゃもうおはようのキスから、お風呂の全身マッサージから、添い寝や子作りまで色々と!」
「ちょっと待て。特に最後」
「さあ兄さん!いえご主人様!子作りしましょう!一日十回、いえ百回でもOKです!むしろ望むところです!あなたの子供なら何人だって生みます!あなたのためなら何だってします!
さあ!さあ!さあ!さあ!ハリー!ハリー!ハリー!ハリー!」

「だ が 断 る!」

メイドになりたいのなら止める気は毛頭無いが、俺を性的な目で見るのは止めろ。
「無理!」
「言い切った!?」

この後、俺を襲おうとする舞を説得することは出来たものの、週末のデートを約束させられてしまった。
俺、何か間違った事言ったか?

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最終更新:2009年06月22日 20:22
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