129 女神の口からナパーム弾 ◆EY23GivUEuGq sage 2009/06/28(日) 02:19:38 ID:NtJGtUAj
大和撫子っていると思うかい?
―――その髪は流水のように長く、黒曜石のように黒い。
―――その顔は絶世の美女の如く端麗で、その振る舞いは見るものすべてを魅了するという。
これらの比喩にぴったりと当てはまる人物を俺は一人だけ知っている。誰でもない俺の妹、歌宮円(かみや まどか)である。
それでも。
それでも俺は大和撫子なんて存在は信じない。
たとえ妹が黒く長い髪や小鳥のような美声を持っていたとしても。
たとえ妹が容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能だとしても。
たとえ妹が料理・洗濯・掃除・裁縫と家庭的な面で優秀でも。
たとえ妹が交友関係が広く誰からも頼りにされる生徒会長様でも。
必ずどこか、何か欠点があるというものがある。人間という生物はそういうものなのだ。
「おはよう」
朝。
カーテンから差し込む太陽の光に誘われてホイホイと目を覚ました俺がリビングに入るとテーブルには
美味しそうな匂いのする妹手作りの朝食が並べられていた。
やはり料理がうまい家族を持つと食事の時間はウキウキだね。
彼女はというと既に学校の制服に着替え、椅子に座って新聞を広げていた。
容姿的にとても整っている妹はこうした日常でのごくありふれた姿でさえ一つの芸術品のようなオーラが漂う。
この姿を見た一般人はこう叫ぶだろう。「あなたが女神様か!」「これぞ古き良き日本美女!」
そして外国人はこう口にするだろう。「イッツミラクル!」「ヤマトナデ! ヤマトナデ!」
それでも。
それでもやはり俺は大和撫子なぞ架空の存在だと断言できよう。
つまりだ、「人を見かけで判断するな」という有り難い教訓がここに活きてくる。
「おうクソ兄貴。さっさと小便臭ぇ服着替えろや。飯にすっぞ」
そう、妹は絶望的なまでに口が悪い。
130 女神の口からナパーム弾 ◆EY23GivUEuGq sage 2009/06/28(日) 02:22:23 ID:NtJGtUAj
「だからな、もう親族間で子作りでもすりゃいいんだよ」
朝っぱらから妹は俺に日本の少子化について力説している。確かにこの問題はわが国でもトップクラスの大問題だ。
そのことが新聞の一面を飾っていたとかで妹の中ではホットなニュースとなっているようだ。
「だいたいよ? アダムとイブはどうやって子孫を増やした? 生まれたのはカインとアベルのオスガキだけだ。
こっから更に子孫を増やしたとしたら」
トントン、と指で机を叩きニヤリと笑う。
「一家でツラ付き合わせて4Pしたンだよ。上下の口とケツで、だぜ。覗いてた神様もさぞや興奮しただろうぜ」
朝食中だというのにお構いなくディープな下ネタを吐き出す。
兄としての反応はやはり戒めるべきなのだろう。しかし口喧嘩では勝てるはずも無く、結局黙って
朝食を胃に詰め込むことしか出来ないのが何とも歯痒い。
「どう思うよ兄貴? 今日日の人類繁栄は近親相姦様様ってわけだ。親父もお袋も元を辿ればなんとびっくり
兄弟でしたっていうC級小説並みのオチだぜ」
「どっこい俺は進化論を支持する。ダーウィン万歳」
厚切りのベーコンをナイフで切りながらいつものように下ネタを受け流し、
「俺達のご先祖様はお猿さんだ。動物園で檻の中の猿を見ると俺は悲しくてたまらないのだよ。グスン」
棒読みで適当に話をあわせながら黙々と飯を平らげていく。これこそが俺が学んだ朝食時専用の対応である。
こちとら朝はとにかく眠い。いちいちネタ振りに突っ込んでられるかってんだ。
「何がグスンだバカヤロウ。こっちは睡眠時間足りなくてイラついてんだ。殴っていいか?」
「あら、睡眠不足はお肌の大敵ですわよ円さん? 荒れているのはそっちじゃなくて?」
ホホホ、とマダム口調で返答しながら手早く食器を重ね流し台に持っていく。今日は日直だったはずだ。遅刻は許されない。
俺と妹の通う高校まで電車で約1時間。1本乗り過ごすとアウトなのである。
「先に出るぞ。戸締りよろしく」
洗面台で顔を洗いながら呼びかける。が、普段ならリビングから聞こえる返事は丁度真後ろから聞こえてきた。
「おう、今日アタシも生徒会の仕事なんだわ。戸締りは自分でやれ、どうぞ」
「・・・俺のほうが早く出るからやっといてくれませんか、どうぞ」
「死ね、どうぞ」
「・・・・・・」
かくして。折角早めに準備をしたのに妹の支度が終わるまで待たされたのであった。
俺達の家はあまり両親は帰ってこない。国会議員の父は半年に数回のペースで「帰ってくる」というよりは
「様子を見に来る」といった具合である。
来ても長くて一泊、ほとんどは数時間の滞在で仕事場に戻っていくのだ。
母は通訳の仕事をしておりこちらはそもそも日本にいること自体が少ない。
こういった環境の中、俺と妹は必然的に自炊の知識を覚え、今では二人での生活が当たり前となっていた。
「拓真は男だろう。ちゃんと妹を守ってやるんだぞ」
「円ちゃんはしっかり者だもの。この子達なら大丈夫よ」
今にして思えば俺達は両親から見放されたのかもしれない。
そして。きっとこれからも彼等が俺達に目を向けてくることは無いのだろう。
131 女神の口からナパーム弾 ◆EY23GivUEuGq sage 2009/06/28(日) 02:25:17 ID:NtJGtUAj
俺たち自身も紹介しておこう。
俺の名前は歌宮拓真。受験を控えた高校3年生である。真面目さと健康が取り柄というごく普通の一般人の一人だ。
そして妹の歌宮円は前述した通り。俺とは年子で高校2年、口の悪さを除けばパーフェクトなステータスを持つ超人である。
俺たちの通う学校は1年・2年・3年が校舎を始めグラウンド、特別教室、校門まで完全に独立しているという珍しいタイプのもので
通学路や一部の施設を除き別の学年の生徒と会うことはほとんどない。
故に俺は妹が学校でどのように過ごしているか皆目検討もつかない。学校ではあの口調は封印しているので周りの人間からは
それこそ完璧な人間として見られているのだろうが。
まあ知らないということも一つの幸せなのだろう。せいぜい幻想を抱いているがいいさ。
「おい、バカ兄貴」
ふと、現実に引き戻される。見慣れたいつもの電車がホームに滑り込んできたところだ。
「飛び乗れ。白鳥のように飛び乗れ。そして潰れて死ね」
この文を通訳すると「痴漢に襲われない様に守れ」となる。勿論守りますとも。もう痴漢をボコボコにして逆に治療費を払う
なんてことはしたくないからね。
立ちっぱなしの特急で1時間揺られるのはやはりそれなりにしんどい。
しかも横から、後ろから、すし詰めとなった乗客の圧力がこれでもかというほどかかって来るため実際には
想像以上につらいものだ。
更に言わせて貰うと目の前で俺にもたれかかりながらご満悦の様子の妹からの圧力もあるため、まさに人間クッション
状態である。
「あのさぁ円・・・もうちょっと前に重心をずらしてくれないかなぁ」
わかっているとは思うが俺はスーパーマンじゃない。潰れた身体が悲鳴を上げれば弱音の一つも吐きたくなる。
「ほう?よく言うぜ、アタシの尻の谷間でギンギンの一物をピクピクさせてるくせによ?」
いや、だってそりゃアンタ・・・
俺とて健全な男子高校生。口を開けば残念無念、だが見た目だけなら間違いなく絶世の美少女と完全密着状態である。
スカート越しとはいえプリプリと柔らかく張りのあるお尻でアレをグリグリされたらたとえ妹といえどおっきしちゃうのも
仕方が無いと思わないか?
そして更に言い訳をさせてもらおう。俺は今オナ禁中なのよね。
「やれやれだ。そんなにつれぇってんなら少しばかり気持ちのいい思いをさせてやろうじゃねぇか」
そう言うと妹は後ろ向きから片手で器用に俺のズボンのチャックを開け、カチカチの一物をゆっくりと取り出した。
(・・・!? おいっ!! バカ何してんだ円ッ!!)
(黙ってろ阿呆。すぐに気持ち良くしてやっからよ)
外気に晒された我が一物は妹の誘導の下、スカート越しではなく下着の上から直接お尻の谷間に挟まった。
「・・・ッ!!」
思わず声が出そうになる。さっき以上の柔らかな圧力と包み込むような温かい感触が快感となって全身を駆け抜けた。
そしてそのまま電車の揺れに合わせて小さくお尻で一物を擦り合わせ始めたではないか。
......グリッ......ゴリッ......グニッ......
(くそっ・・・何考えてんだ! 電車の中だぞ!?)
幸い乗客は現状に気づいてはいないらしい。妹もそれに気がついたのか、擦るスピードとパワーを徐々に上げていく。
フリルの付いた妹の下着はピストンの度に裏スジの部分をこすり、何ともいえない絶妙な刺激を与えてくれる。
(んん? さっきよかデカくなってきたぜ? まさか実の妹の尻で果てるわけねぇよなぁ?)
(ぐっ・・・いいから早く離れろ・・・っ!!)
(おやおやもう限界か? せっかくだから気持ち良ーくイけるようにおまじないを掛けてやるよ)
クックッ・・・と笑い口を俺の耳に近づけ、いつもより可愛い声で囁いた。
「円のお尻に射精しちゃっていいよ? お・に・い・ちゃん」
132 女神の口からナパーム弾 ◆EY23GivUEuGq sage 2009/06/28(日) 02:27:52 ID:NtJGtUAj
この世にはギャップ萌えなるジャンルが存在する。
「普段クールなあの子は実は怖いものが苦手だった!」「クラス一の優しい子、でもHの時はすんごいドS!」
ああ、この人はこんなイメージだよね。と思っていた人間の、いつもと違うそのギャップに萌えやときめきを見出すのである。
俺はつい最近、このギャップ萌えとやらに目覚めた。
同じクラスの桜井さん。彼女はいつも物静かで休み時間は本を読んで過ごすようなおとなしい子である。
この小動物のような子が”10分で完食できたら5000円!”の超特盛りラーメンを5分で食べきったと聞いたとき、そして彼女に
それとなく真偽を問うた所「あ、あんまり他の人に言わないでね」と真っ赤な顔で言われた時、俺は確かに萌えを感じた。
この妹、円の場合はどうだ。他人から見たら一種のギャップ萌えと言えるのだろうか。
”容姿・頭脳・運動と、どの分野においても完璧超人と謳われる歌宮円、実はものっそい口が悪かった!”といった感じに。
「ヒャッホウ凄い美人がなんて汚い台詞! そのギャップに痺れるゥ憧れるゥ!」
いやいやここはドン引きするところだろう。このシチュエーションにギャップもクソもヘチマもあるかよ。
というわけで他人はどうあれ俺個人としてはそこに萌えもときめきも存在しない。だって可愛くないもの。
ところがどうだ、この「お兄ちゃん」発言。一般の観点から言えばなんら不思議はないだろう。
だが俺は18年間ずっとあの酷い喋り方しか聞いた事はなかった。まさか妹がそんな台詞を言うとは思っていなかった。
なんたる不意打ち。天晴れ、まさしく発想の勝利。GJでした。
俺の一物はより硬度を増し、より尻肉に食い込み、快感が溢れんばかりの射精感に変換されてゆく。
(あは♪なんかすっごくビクビクしてきたよ?お兄ちゃん)
耳元で囁くように話すのはやめてくれ。そうでなくても今まさに絶頂を迎える寸前なんだ!
(んっ・・・お、兄ちゃぁん・・・おしりぃ、ごりごりするのぉ・・・)
妹の下着が濡れているように感じるのは俺のカウパーのせいだろうか。唯でさえ破壊力の高いデレ台詞を喘ぎ声とミックスさせ
ねちっこく囁いてくる。
最早俺に残っているのは最後の兄としての良心。それが必死に理性という名の旗を掲げ本能と戦っていた。
(やぁっ・・・もっとぉっ、もっとおちんちんでグリグリしてっ・・・おしりにいっぱいかけてぇっ・・・!)
激甘ボイスにクネるお尻。運動をしているため絶妙に引き締まった妹の尻肉は容赦なく俺の一物を包み込んでゆく。
汗ばんだ尻の谷間は熱く、フリルのこすれた刺激に一層の快感を染み込ませていった。
あともう少し。もう少しで駅に着く。それまで。それまで。それまで頑張れ俺!!
(無駄だよ)
ニヤリと囁いた刹那。限界まで背伸びをした妹の尻の谷間からズリッと一物が外れた。
一瞬の冷たい空気を浴びたのもつかの間、今度は両足の太ももでがっちりと一物を挟み込んだ。
(素股だとっ!?)
現状を理解した時には既にむっちりと汗ばんだ太ももと湿った下着の感覚が快感の激しい波となって押し寄せていた。
さっきまでと違い、全方位を包む刺激。まるで本当に膣に挿入しているような感覚じゃないか。童貞だからよくわからんけど。
そして、デルタ地帯からひょっこり顔を覗かせた亀頭をスカートの上から手でグリグリと揉みしだきだした。
(こっ、これはっ・・・!!)
先ほどのフリルとは違う激しい痛み。スカートのザラザラとした生地と手の絶大な亀頭直撃は、必死にせき止めていた何かを
容易く崩壊させ、理性の最後の一欠けらを押し流していった。
「~~~~~~~~~っっ!!!」
下半身から凄まじい鼓動と、熱いものが勢い良く発射されるのがわかった。
消える直前の最後の理性のおかげだろうか。咄嗟に妹の肩に噛み付き、声を押し殺しながら叫び、そして俺は果てた。
133 女神の口からナパーム弾 ◆EY23GivUEuGq sage 2009/06/28(日) 02:30:43 ID:NtJGtUAj
「おーおー派手にやっちまったなぁ。え? おい」
俺が最後の一滴を出し終えたと同時に電車は駅に到着した。吐き出された大量のケフィアモドキは妹のスカートの裏地を汚し
残りのほとんどは床にぶちまけてしまった。
あの時ドアが開いた瞬間、妹に手を引かれ乱暴に男子トイレに放り込まれていなければ大惨事になっていたに違いない。
それからチリ紙で一物に付着した汚れを拭い、半ば放心状態で妹がトイレから出てくるのを待った。
「クソ兄貴ダメ兄貴と思ってはいたが、まっさか実の妹にドッピュンしちまうゲス兄貴だったとはな」
ケラケラ笑いながら俺の顔を覗きこむ。俺は今どんな顔をしているのだろう。
「・・・言い訳はしない。なんなら親父にでも言いつけたらいい。まず間違いなく勘当されて俺とおさらばでき・・・」
「あ? 何寝言ほざいてやがんだアホンダラ。テメェはアタシの奴隷になったんだよ。一生掛けて償って貰わにゃなぁ?」
「一生・・・」
「そうだ、一生だ。どちらかが死ぬまで。テメェの人生は今この時点でアタシの手の中で回り始めたってことだよバーカ」
もともと仕掛けてきたのはそっちだろ、なんて突っ込みをする気はない。なにせ俺自身、俺のことが一番許せないのだから。
いかなる理由があろうとも妹に欲情してしまった事実は覆せないのだから。
「それで気が済むならそれでいいよ。個人的にはさっさと殺して欲しい気分だけどね」
「テメェの願望なんざ興味はねぇよ。・・・そうだな、それじゃあまずは・・・」
ツツツ・・・と寄り添い間近で俺の顔を見上げる。ホントに黙っていれば美人なのに。勿体無いよなぁ・・・。
「!!?」
いきなり。首っ玉に抱きついてきた。てっきり殴られるもんだと歯を食いしばっていた俺は拍子抜けしてしまった。
「学校まで手を繋いで行こっか、お兄ちゃん」
結局その日は日直の仕事に遅れ、先生に大目玉を食らってしまった。が、それでも俺の心はなぜか晴れ晴れとしていた。
あの後、学校に着くまで妹とは一言も会話を交わさなかったが。手を繋ぎ腕を絡めて歩く彼女の顔はこれ以上無いという程
喜びに満ちていた気がした。
妹のこんな顔が見られるのなら・・・奴隷だって何だってやってやるとさえ思えた。
勿論、だからといって自分のしたことをうやむやにするわけではない。罰は罰。ちゃんと償おうと思う。
「え~・・・朝のホームルームを始めます。と、その前に皆さんに悲しいお知らせがあります」
「昨晩、クラスメイトの桜井由里佳さんが事故で亡くなりました。通夜の日程など詳しいことは後日改めて・・・」
『眠むい。帰ったら肉布団になれ』
ショック状態の俺は妹から来たメールの着信に気がつかなかった。
END
最終更新:2009年06月28日 21:16