理緒の檻(その8)

704 :理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/28(日) 22:57:51 ID:W1pCMZEK
私は、夢を見た。
修くんの事を考えながら寝ると、ほぼ必ず見る夢。
つまり毎日見ている様なものだ。
私はまだ小学生で、でも意識は今の自分。
すぐにその時の私の意識と同化する。
修くんに初めて好きな人ができた時の事。
私は心の中で深く暗い感情を覚える。
でも、表面上はそれを見せずに、全く逆の事を言う。
「頑張ってね」
だなんて言いたくもない。
だから、付き合うと分かった後で、私は行動した。
修くんにバレない様にその子に近付き、まずは説得してみる。
その子はただ「別に遊んであげてるだけ」と答えた。
「特に好きな訳じゃない」とも言った。
その時から少しの間記憶が無い。
ただ、気が付くとその子は泣きながら私の前に倒れていた。
おそらく私はその子の処女を奪ったのだろう。
その子は、股の間から血をしたたらせていたからだ。
それに、私の手には血の付いた棒が握られていた。
殺さなくて良かった。
彼女には、噂を広めて貰わないと。
「これ以上何かされたくなかったら、周りの皆に修くんに遊ばれて、ふられたって言ってね?」
そう言うとその子はただ泣きながら小さく何度もうなずくだけだった。


706 :理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/29(月) 00:05:05 ID:W1pCMZEK
すぐに噂は広まって、修くんがいじめられている事が分かった。
修くんがかわいそうだとは思った。
けれどこれは修くんの為にした事なんだよ?
あのままじゃきっと、もっと酷い傷をおわされていた。
だから、私が守ってあげた。
私は修くんの事を愛しているから。
修くんは人と話さなくなった。
でも、私とだけは話してくれる。
私の事を信用してくれてる。
修くんは私だけのものだ。
もう二度と、一瞬たりとも修くんを離したりしない。
離れられない檻を作ろう。
全てから修くんを守り、全てから修くんを遠ざける。
ただ、私と修くんだけが入る檻を…
そう決意をして、また朝を迎える。
側には修くんが居て、私を起こしてくれる。
はずだった。
「修くん…?」
起きた時間は7時。
まだ学校に行く時間ではない。
けれど、家の中のどこを探しても修くんは見つからなかった。
なんで?どうして?
なんで私の側にいてくれないの?
どうして私から離れるの?
携帯に電話をしても繋がらない。
修くん、どこに居るの?
私を一人にしないで!
気が付けば私は着替えもせず外に飛び出していた。
修くん、修くん…
お願いだから私の側に居て…!

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年10月30日 12:30
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。