新谷又十郎と桔梗の兄妹が楯山藩江戸屋敷に到着したのは、彼らが国許を出発してから十四日後のことであった。
「やっと……着いたんだね……お兄様……」
桔梗がぽつりと呟く。
屋敷内の長屋に案内されたのち、固く結んだ草鞋の紐を小柄で切り、タライで足を丁寧に洗うと、妹はそのまま畳の上にへたり込んだ。
「あ~~疲れた~~」
そのままだらしなく横になって声を上げる桔梗の様子は、少なくとも既婚経験のある女性にはまず見えない。しかし、そんな妹の見苦しい様を見ても、又十郎は苦笑いを浮かべるだけで何も言わなかった。
無理もないだろう。
楯山から江戸までの旅程、およそ百余里。無論、その行程のほとんどが徒歩である。いかに道場で鍛え上げた桔梗であるとはいえ、疲労を覚えるのは当然なのだ。
又十郎も、そのまま荷物を放り出すと、大小の刀を腰から引き抜き、その場に座り込む。
馬や船を使えば、もう少し早く到着できたかも知れない。
(いや、それはないな)
移動に金を使えば、その分ワリを食うのは食費や宿泊費だ。
不眠不休のみならず食うや食わずの体調では、江戸までの長い旅程を完遂することは不可能だったに違いない。
「足……痛えな」
「うん、それにお腹もすいたよ」
「お前、汗臭いぞ」
「お兄様に言われたくないよ……」
疲労が全身を蝕んでいる。
このままだと自分も桔梗も翌朝まで寝入ってしまうだろう。だが、そうもいかない。
又十郎は体を起こし、立ち上がった。
「お兄様……?」
「お前は寝ていろ」
自分を召喚した父、江戸家老、そして藩主の山城守――自分たちが江戸屋敷に入ったことは、もうこの三人に報告が入っているだろう。すぐにお召しが掛かるはずだ。出来ればその前に身を清め、この汗と埃まみれの服を着替えたい。
押入れを開き、蒲団を出す。
「夕餉の時間には起こしてやる。とりあえずは休んでいろ」
「お兄様は……?」
「おれはまだやることがある。色々とな」
「――そいつは後回しだ」
聞き覚えのある錆びた声に振り向くと、又十郎は思わず声を上げた。
「親父殿……?」
「殿の御前では父上と呼べよ、又十郎」
見事な白髪頭に皮肉な笑みを浮かべた初老の男が、長屋の引き戸から顔を覗かせている。
新谷源左衛門――又十郎と桔梗の父は、そのまま、いそいそと居ずまいを正そうとしている桔梗にも声を掛けた。
「桔梗、そちにも話がある。わしらが帰ってくる前に風呂でも浴びて、汗を拭っておけ」
「え?」
桔梗は、反射的に間の抜けた声を上げた。
―――――
(まだ歩くのか)
うんざりするほど長い廊下を親子は歩く。
大名屋敷といえば一般的に数千坪――大国になれば一万坪以上の敷地も珍しくない――の広大なものが当然とされているが、それでも江戸まで歩き詰めだった自分たちからすれば、やはり忌々しい。
渡り廊下を抜けると階段を上り、そのまま角を左に曲がる。
(おれ一人では、多分もう長屋まで帰れないかもな)
彼がそう危惧するのも当然だろう。疲労に肩まで浸かった肉体は、普段以上の脳の回転をあくまで許さず、しかもここはまるで迷路のようだ。
又十郎はちらりと父を見る。
源左衛門は勝手知ったる足取りで廊下を進む。自分にとっては迷宮に思えても、父の背中に迷いは無い。まるで自宅のように屋敷の構造を熟知しているのだろう。
「そろそろだぞ」
そう言われた瞬間、又十郎は思わず表情が硬直する。
父親は、そんな息子に悪戯っぽい目をやりながら、薄く笑っている。
「そう堅くなるな。――と言っても、無理な相談か」
当たり前だろう。主君に謁見を果たすのだ。緊張を覚えない家臣はいない。例外があるとすれば、日常的に主君に接している、ごく少数の者たちだけだ。だが、その名誉ある少数派に父が属していることは言うまでもない。
しかし又十郎は知っている。
新谷源左衛門の剣が急速に衰えを見せ始めたのも、山城守の御側近くに出仕するようになってからなのだ。その事実を父はどう思っているのだろうか。
(あの親父が……変われば変わるものだ)
又十郎が知る過去の源左衛門は、もっと剣呑な人物であった。
道場ではともかく、屋敷内では家族に声を荒げるような粗暴な男ではなかったが、それでも――家祖伝来の村正を腰にぶち込んで山に登り、三日後に飄然とクマの首をぶら下げて帰ってくるような――そんな狂気を内包した男であったはずだ。
もっとも、そんな程度の非常識さが無ければ、自分を廃嫡して妹に婿を取って家を継がせたいなどと言い出すはずも無い。
無論、そんな源左衛門を、又十郎はその心底では決して許していない――。
「そちが源左の倅か。おもてを上げい」
その腹の底から響くような声には力があった。
(お声を戴いた――おれごときに)
そんな封建時代特有の感動に肩まで浸かりながら、又十郎は命令どおり顔を上げる。
視線は真正面に主君には向けず、やや下を見る。高貴なる身分の者をまともに「見る」という行為は、不遜・無礼にあたる動作だからだ。
だが、胸を満たす喜悦とは別に、それでも又十郎は視界の端に入る主君――久世山城守為綱の観察を怠ってはいない。
「余が山城じゃ。しかし……そちは親父には似ておらんの」
そう言って笑う主君は、秀麗な容貌をした気品溢れる武門の公達――という世間一般の大名のイメージからは程遠い雰囲気の所有者だった。
服の上からでも分かるその筋骨隆々とした体格、太い眉や分厚い唇、低音の声など、一見して海賊の若親分のような雰囲気がある。だが、それでいて、その目に灯る学者のように冷静な輝きは、彼が単なる精力漢でないことを充分に裏付けていた。
(なるほど、……これは親父が入れ込むのも分かる気がする)
又十郎はそう思った。
が、そんな又十郎の胸中を見抜いているかのように、山城守は皮肉っぽく言う。
「どうじゃ、初めて見る己の主君は? やはり気に入らぬか?」
「めっ、滅相もございませんっ!!」
思考の間もなく反射的に又十郎は、深く頭を下げる。
山城守はそんな彼をにこにこと見つめながら、源左衛門にいたずらっぽい視線を向ける。
「やはり源左には似ておらんの。いや、むしろ親父に似ずによかったと言うべきか? このような率直さは親父にはないものじゃからのう」
「どうやら、愚息は母親に似たものかと思われます」
ブザマにまごつく息子の代わりに、父の源左衛門が主君に言葉を返す。
(みっともねえ)
羞恥で又十郎の頬が熱くなる。
だが、そんな彼を、山城守は鷹揚に見つめ、
「では、腕の方はどうじゃ? こっちの方まで母親似ではまずいのではないか?」
と言った。
三年前に免許皆伝を許されております、と又十郎は答えようとしたが、その発言はむしろ源左衛門に向けたものであったらしく、父は又十郎を見ながら山城守に苦笑を返す。
「どうにかこうにか、と言ったところでございましょうか。なれど、昔のそれがしに比べれば、まだまだと言う他はありませんな」
「老骨がまた飽きずに昔自慢か。確か――御前試合で十人抜きを決めて優勝したのは、おぬしが、この倅くらいの歳の頃であったか?」
山城守が、やれやれと言わんばかりの口調を源左衛門に向ける。『御前試合』とは源左衛門の剣名を決定付けた、数十年前の諸流大試合のことであろう。
「じじいが自慢できることなど昔話以外にはありませんからの」
そう言って父は笑った。
まるで相手が主君だとは思えぬほどに肩の力を抜いた会話。
だが、元服を済ませたばかりの小僧ならともかく、妻さえ娶って久しい成人男子にとっては、自分の頭越しに会話がなされることなど決して愉快なことではない。
ましてや、その片方の相手が実の父親ともなれば、なおのことだ。
だが、そんな源左衛門を苦々しく思っていたのは、どうやら又十郎だけではなさそうだった。
「しかし新谷、これは笑って済ませる話ではないぞ」
そう言ったのは、山城守の傍らに控える――見るからに目付きの悪い、痩せぎすの中年男。
「殿が所望されたのは、確かな腕を持った新谷流の手練であったはずじゃ。たとえおぬしの息子といえど、未熟者に殿の護衛など任せられるものではないぞ」
(護衛?)
突然の未熟呼ばわりにさすがにムッとしたが、それでも、何の話だとばかりに又十郎は父を見る。
「意地の悪いことを申すな犬飼。いま源左が申したのはあくまで謙遜じゃ謙遜。そこな又十郎が本気で役に立たぬ者ならば、いかに源左でも江戸には呼ぶまいよ」
(犬飼? ――ではこの方が江戸家老の犬飼主膳様か)
山城守が、犬飼と呼ばれた男を苦笑しながらたしなめる。その男も一応は「畏れ入りましてございまする」と平伏するが、主君に向ける視線と源左衛門に向ける視線、さらには又十郎に向ける視線の質が露骨に違う。
しかし、それも犬飼主膳ならば分かる話だ。
かつて主膳は――犬飼兵馬と名乗っていた青年時代――例の大試合で源左衛門に打ち負かされた十人の一人であったと聞く。その屈辱をいまだに忘れられないとは、当時の源左衛門相手によほど酷い負け方をしたのだろう。
しかし、護衛というのも、又十郎にとってまんざら分からない話でもない。
大体、剣の達者をわざわざ国許から召喚したところで、任せられる仕事など限られている。上意討ちの刺客か、さもなければ刺客防ぎの護衛か、さもなくばその両方か、といったところであろう。
だから不意の話ではあっても、特に又十郎は驚かなかった。
だいたい、武士の仕事に前後の事情説明など不要だ。命令されたことを忠実に、確実に遂行する。それでいいのだ。余計な情報を末端の実行者が知る必要は無い。
だが、そんな又十郎の心中を無視するように山城守は、
「なんじゃ、そちは親父からまだ何も聞いておらんのか?」
と驚くように言うと、説明してやれとばかりに、犬飼主膳に顎をしゃくった。
主膳は、さすがに(宜しいのですか?)という視線を山城守に向けるが、
「構わん。余は隠し事が嫌いじゃ」
と鷹揚に言い放った。
――文久二年一月十五日早朝。のちに坂下門外の変と呼ばれる事件が勃発した。
桜田門外で暗殺された大老・井伊直弼に代わって幕府の実権を握った安藤対馬守信正は、井伊の開国路線を引き継ぎ、さらに幕威を高めるため朝廷の岩倉具視らとともに公武合体政策を推進――その政策に基づき、時の将軍・徳川家茂と和宮親子内親王の婚姻を画策する。
世間の攘夷志士たちは激憤した。
井伊が刺され、幕府のトップの首がスゲ代わっても、彼らの開国路線は変更の兆しを見せない。それどころか、皇女の一人を――たとえ征夷大将軍であるとはいえ――武家に嫁するという。これほど朝廷の権威を侮辱した決定は、攘夷派にとって空前絶後であろう。
そして、事件は起こった。
一月十五日早朝、五十人以上の供回りを連れた安藤の行列を、水戸浪士四名を含む六人の刺客が襲撃、あわやというところで城内に逃げ込んで難を逃れたが、――それでも桜田門外の変に続くこの事件は、幕府の威信を根底から揺り動かしたと言っていい。
「実は、安藤殿の老中罷免は、内々にじゃがすでに決定しておる。大公儀の権威を著しく失墜せしめたというのがその理由じゃが、それに応じて行われる人事刷新の空気の中、殿の幕閣入りが、とある筋より密かに打診されておるのじゃ」
犬飼は、半ば誇らしげに又十郎に語る。
それはそうだろう。
幕閣と呼ばれる江戸幕府のトップは、ただ門閥と付け届けだけでなれるものではない。奏者番・若年寄・大坂城代・京都所司代などの要職を歴任した後、西ノ丸老中を経てようやく老中格としての扱いを受ける資格をもつに至る。
だが、そんな過程をすっ飛ばしてイキナリ幕閣として声が掛かるなど、平時では考えられない乱暴な人事だ。しかし、それすらも認めさせてしまうのが、世評に名高い山城守の俊才ゆえということであれば、家臣としてこれほど鼻が高いこともない。
じゃがのう――と、犬飼の言葉を引き取る形で、山城守が眉をしかめる。
「正直、有難迷惑と言えぬことも無い。幕閣入りするということは、御公儀の開国・公武合体路線に賛同するということじゃ。つまり、安藤殿と一味同心の輩と世間の攘夷派どもは見るじゃろう。なら――余の籠先に狼藉者がいつ斬り込んで来ぬとも限らぬ」
(なるほど、そのための護衛か……)
又十郎は頷く。
「その方らには、余の命をしっかり守ってもらわねばならぬ。たとえ本音はどうあれ、やるからには余としてもきちんとした仕事を残したい。そのためにも、井伊殿や安藤殿のような悲惨な目には遭いたくないでのう」
―――――
その後、新谷親子は退出を許され、ふたたび迷宮のような回廊を歩かされたが、又十郎はもはや疲労を忘れていた。
(あれが我が殿か……)
又十郎は、何とも言えない感慨に耽りながら、先程の記憶を反芻する。
貴種とも思えぬあの天空闊達の御人柄。
いきなり幕閣に任命される英明さ。
心を読まれたかとも思えるほどの鋭敏さ。
――あれほどのお方が我が藩を統べておられるならば、楯山藩に何の憂いもない。
又十郎はそう思う。
しかし、まだ疑問は残る。
「親父殿」
「――ん?」
「なぜ殿は、今この時期におれたちを呼んだのだ?」
山城守の幕閣就任に伴う身辺警護ならば、これほど唐突な召集をかける必要はなかったはずだ。現時点では、安藤対馬守の罷免さえ実施されていない。いくら何でも自分たちを江戸に呼ぶのが早すぎると思うのだが……。
「それはワシの仕業じゃ」
「親父殿?」
「門人どもを召喚するについて殿は、さほど急がずともよいと仰せられた。そちの申す通り、安藤殿の罷免が公に内示されてからでよいとな。じゃが、思うところあってワシは『特に早急に』江戸に来るようにと書状に書いた」
「え……?」
「そう書けば、そちと桔梗だけは何を置いても飛んでくる。――そう踏んでな」
あまりに唐突な源左衛門の言葉に、又十郎はぽかんとなった
「……なぜ?」
そう問われて、父が笑った。
しかもそれは、瞳の奥に一点の闇を感じさせる、きわめて不快な笑みであった。
「そちと桔梗に申し聞かせる話がある。江戸でなければ――とは言わぬが、少なくとも国許ではできん話じゃによってな」
――いったい何のことだ?
とは、又十郎は訊けなかった。
彼は源左衛門の物言いに――そして笑顔に――猛烈なまでの嫌な予感を感じていたのだ。
「部屋に着けば聞かせてやる。そう焦るな」
そう言うと、父はふたたび息子に背を向けた。
長屋の一室に帰った又十郎と源左衛門を待っていたのは、六畳一間の狭い一室いっぱいに兄妹二人分の蒲団を敷いて、その上で半睡状態になっていた桔梗だった。
「寝てませんから。寝てませんってば!」
まるでオウムのように、奥座敷からやっと帰ってきた父と兄に弁解を繰り返す桔梗であったが、それでもたった今まで妹が惰眠を貪っていたのは、その腫れぼったいまぶたと充血した瞳、そして涎の匂い漂う口元を見れば一目瞭然だった。
(このたわけが……!)
又十郎も、そして父も苦々しい顔をするが、それでも何も言わなかった。
そもそも桔梗は、女の身でありながら強行軍を重ねて、本日やっと江戸に到着したばかりなのだ。疲労がたまっていて当然だ。主君との謁見を果たしている自分たちが帰ってくるまで、手持ち無沙汰だった彼女がうたた寝をしていても、誰がそれを咎められよう。
「でも親父殿、何故おれたちはこんな狭苦しい長屋に押し込まれねばならないんだ?」
話題を妹から逸らすため――と言えばなんだが、しかし又十郎は江戸参着時からかねて胸に抱いていた疑問を、父にぶつけた。
当然と言えば当然過ぎる疑問であろう。
大名の江戸屋敷と一口に言っても、この上屋敷は藩主のための私的空間か、もしくは対外的・儀礼的な目的で使用される公的空間がメインであり、江戸詰めの藩士や勤番侍の居住空間の多くは、別邸というべき中屋敷や下屋敷に存在する。
しかし、藩主の傍近くに仕える一部の家臣たちの屋敷は、上屋敷に別棟で建てられており、そこには当然、新谷源左衛門の屋敷も存在するはずであった。又十郎たちがわざわざ上屋敷に草鞋を脱いだのは、当然、父の屋敷に滞在できると思ったためだ。
だが、着いてみれば、通されたのは狭苦しい長屋の一部屋。それも個室であるならばともかく、兄妹二人で一室である。扱い的には、もはや小者・中間とはいかずとも足軽に近いものがある。
又十郎はいまだ正式に源左衛門の後を継いだわけではないが、それでも父の名代として道場で稽古をつけ、城にも出仕する身である。一人の「社会人」として簡単に納得はできない。
「説明があるならば、是非承りたい」
源左衛門は、そんな又十郎を鼻で笑って、顎を撫でた。
「そう難しい顔をするな」
「親父殿」
桔梗ほどに態度には出していないが、いいかげん又十郎も疲れている。
どんな理屈であろうと、そう簡単に自分たちの予想外の冷遇を納得する気はない。
だが、源左衛門が口に出した言葉は、さすがに彼の想像の斜め上を行き過ぎていた。
「男女のしとねは広けりゃいいってものじゃない。程よく狭いくらいの方が盛り上がるってもんだ」
一瞬、父が何を言ったのか又十郎には分からなかった。
そして、彼が理解していないことを承知してか、さらに被せるように父は言葉を継いだ。
「わからんか? 江戸にいる間そちたち二人は兄妹である事実を忘れ、一組の雌雄のつがいに戻れと申しておるのだ。この一室は今宵からそちたちの愛の巣になる。その間に兄妹睦み合い、子を成せ。――これは父としてではない。新谷一刀流総帥としての命令じゃ」
分からない。
父の言葉は、まったく又十郎には理解できない。
「桔梗、国許よりそちを呼んだはそのためじゃ。ここでは誰の邪魔も入らん。必ずや男子を産め。――大杉の娘などには望むべくもない――そちの天才を十二分に受け継いだ、新谷一刀流の名を天下に鳴り響かせる強い男児を、じゃ」
――それが、久し振りに会った実の息子と娘に対し、父が命じた言葉だった。
最終更新:2024年05月11日 14:07