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未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:40:45 ID:cZaP5DBO
本来、彼女は自由に動けるような立場ではなかった。
ダイニングの家族会議では後ろ手に手錠を掛けられていたが、自室に戻った後は父によって柱に繋ぎ直されている。
しかしピッキングは父親の専売特許ではない。こうなることを想定して、彼女は貪欲に技術を習得している。
後ろ手という条件では手錠を外すのに一時間、掛かった。今も優香の手首は赤い痣が残っている。
それでも早い方であり、当初想定していた父親の監視がなかったことが大きい。これを彼女は天佑と解釈した。
だが、もしも誰かが立ち塞がっていたとしても、問答無用で襲いかかっていただろう、その結果どちらかが死に至るとしても構いはしなかった。
そうして、この時のために予め用意していた装備を持ち出し
榊優香は兄の部屋を訪れた。
「黙れ」
その一言で、榊健太の動きが魔法のように止まった。驚愕の声を上げようとしたまま、固まる。
もちろんそれは魔法などではない。その低く押し殺された声音に秘められた、底知れない重さで圧しきったのだ。
榊優香は悠然と部屋を進む。カーテンから差し込む月明かりだけで、床に散らかった障害物を全て避ける。
服装はダイニングにいた時と同じ、水色のワンピース。腰にはその時は着けていなかったポシェット。左手にはじゃらじゃらと手錠を四つ提げている。
歩きながら、流れるような動作でポシェットからスタンガンを取り出して右手に持つ。ベッドに横になった兄の元まで到達した。
「喚くな」
「――――!」
無造作に健太の首筋に押し当て、スイッチを入れる。びくんと、健太の体が硬直した。
スタンガンには元々、対象を気絶させるような効果はない。押し当てている間、相手の筋肉を硬直させるのが精々である。
ただしこれは優香が改造を施したもので、最大出力にすると気絶にまで追い込める。元々は虚弱な恋敵を仕留めるために用意した代物だった。
今回の出力設定は中にしてある。優香は兄が朦朧としたのを確認すると、その両手足にガシンガシンと手錠を掛け、反対側をベッドの四隅に掛けた。
健太の体はベッドの上で強制的に大の字の格好になる。更に優香はその場で自分のパンツを脱いで丸め、兄の口の中に押し込むと持参したタオルで猿轡を噛ませた。
捕縛完了。
そこまでの作業を、優香は一切迷いなく行った。今まで幾度も幾度も練習してきた手順であり、その成果は十分に発揮された。
最後に仕上げとして、ドアに戻り施錠し、気合一閃して戸棚をドアの前に押し込む。ずりずりとカーペットを擦りながら、唯一の出入り口が封鎖された。
そうしてこの部屋は、朝が訪れるまで牢となる。
「ん……んぐっ! んぐぐぐっ!」
意識を取り戻した健太が、ようやく状況を把握し始める。両手足を手錠でベッドに繋げられ、猿轡によって声を発することもできない。
完全に無力な状態である。鼻を摘むだけで遠からず死に至るだろう。
優香は自分の成果に満足し、ベッドに戻りながらポシェットから折り畳みナイフを取り出した。ぱちんと、刃が飛び出す。
それを見た兄が体を硬直させ、ぎゅっと目を瞑る。どっと冷たい汗が湧いた。
――――健太は一瞬、覚悟した。
刺されるだけのことを、自分はした。刺されるだけの裏切りを、自分はした。妹が復讐に来たのだとしても、それは正当な行為なのだと。
ぴたりと、腹部に冷たい感触を感じて健太は歯を食いしばる。ナイフが肌の上をなぞりながら、喉に向かっていく。びりびりという音。
……けれど結局、健太の覚悟していた激痛は体の何処にも発生しなかった。
おそるおそる目を開けるとそこには――――月明かりに浮かび上がる、榊優香の裸身があった。
375 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:42:16 ID:cZaP5DBO
ワンピースもブラジャーも、床に脱ぎ捨てられている。部屋に来た時点で裸足であり、右手に持ったポシェットを除くなら、一糸纏わぬ姿だった。既にナイフは仕舞われている。
状況を忘れて、健太はその裸身に一瞬、見惚れた。幼少期を除くなら、女性の全裸を見るのは初めてだった。
日々の鍛錬で鍛えられた体を、うっすらとした脂肪が角を隠すように覆っている。滑らかな肌は染み一つない。乳房は小振りだがバランスよく収まっており、均整の取れた体付きだった。
健太の幼い日の思い出とはかけ離れた、年頃の少女の体。匂い立つような魅力はないが、蕾のような美しさがそこにはある。
優香は固まった健太を尻目にベッドに乗り、兄を跨いで腹に女の子座りで馬乗りになった。
そうして、大の字に拘束され猿轡をされた兄に、薄く笑って声を掛ける。
「刺されると思いましたか?」
「…………」
ナイフで切られたのは肌ではなく、健太の着ているシャツの前面だけだった。開かれたシャツから、ごつごつした腹筋や胸板が露出している。
季節柄、健太の寝る時の服装はシャツとトランクスだけだ。今日も熱帯夜であり、人間二人が密着することにより部屋にはじっとりとした空気が充満しつつあった。
「刺したりなんかしませんよ。そんなことより、もっと酷いことをするために、私は来たんですから」
「んんっ!?」
そうして榊優香は
体を前に倒し、上半身をぴたりとくっつけて、猿轡をされた兄の唇に、口づけた。
タオルは上下の歯で噛むようにして猿轡になっている。唇と歯に触れることは可能になっていた。
同時に、両手が裂かれたシャツの隙間から潜り込み、兄の胸をまさぐる。驚愕のあまり硬直した兄の耳元で、妹は淫蕩に微笑んだ。
「レイプします。兄さんの童貞を、今、ここで、私が奪います。もちろん生で。抵抗は無意味です」
「――――」
何を言われたのか一瞬わからず、健太の頭の中が
真っ白になる。
その隙に、優香は左手で兄の顎を掴んでロックし、再度口づけた。それだけでなく、唇と歯の間から唾液を流し込んでいく。
同時に、自分の乳房を相手の胸板に押しつけた。ぷにゅりと、崩れないマシュマロのような感触が健太の脳に伝わる。熱い。
その熱さを感じた瞬間、榊健太は我に返った。
「んー! んんんー! んんー!」
暴れる。
ベッドの四隅に繋がれた手錠はびくともしない。ぎりぎりと手錠が手首足首に食い込んで痛みが走るだけだった。
せめて自分の上に乗る妹を振り落とそうと、胴体を激しくよじる。それを嫌がったのか、優香は不機嫌そうに体を起こして
脇に置いたポシェットからスタンガンを取り出し、最小目盛で兄の脇腹に押し当てた。スイッチ。
衝撃。
文字通り、健太の全身を電流が支配した。全身の筋肉が硬直し、声無き叫びが迸った。今度は気絶するほどの電撃ではないが、それでも本来のスタンガン程度の威力は出ている。それを優香は、押し当て続けた。
「――――!」
「あ……はあ。こっちまでビリっときましたよ。もう濡れてますから、多少通電したみたいですね」
時間にして十数秒だが、健太にとっては十数分にも感じただろう。優香がスタンガンを離すと、筋肉が弛緩してぐったりとする。継続して浴びせられた電流は、健太の体力をごっそりと奪っていた。
優香が手早く消耗した電池を交換する。バラバラと使用済みのアルカリ電池が床に転がった。
ぐったりとした健太を見下ろして、優香は淫靡に微笑んだ。しなだれかかる様に前のめりに倒れ、ぐちゃぐちゃと唾液を兄の口の中に流し込む作業を再開する。
更に押し付けた胸を、体を揺すって前後に動かす。コリコリと、お互いの乳首が時折こすれあう。狙ってやっているのだ。見る見るうちに乳首が固くなっていく。
「ん……はあ。胸はどうですか? 小さいですが気持ちいいでしょう? 兄さんが母親以外で初めて触る女性の胸は、私のものですよ。揉みしだけなくて残念ですね……おや?」
無抵抗の兄に唾液を流し込んでいた優香は、不意に唇を釣り上げた。
むくむくと大きくなったものが自分の尻に当たっているのに気付いたのだ。
優香はにまりと笑い、空いている右手を後ろに伸ばしてトランクスの中に滑り込ませた。ぎゅうと根本を掴まれて、呻き声が上がる。
376 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:43:23 ID:cZaP5DBO
「はは、なんだ。兄さんも犯る気満々じゃないですか。そんなにこのチンチンで妹の処女膜をぶち抜きたいんですか、ねえ?」
「ぐう……」
そのまま形を確認するように、優香は右手をまさぐっていく。陰嚢、竿、亀頭と、もみもみと適度な刺激を与えながら言葉で責め立てていく。
既に優香の右手は先走りでべたべただった。時折、短い爪で引っ掻いては刺激でアクセントを加える。あっという間に、健太の怒張は張りつめた。
充分に固くなったと判断した彼女は、今度は竿の部分を握って上下にしゅっしゅと擦りだした。男が普段している自慰と同じ動き。違うのは自分の手ではないということ。
「こんな風に、毎日毎日シコシコ自分を慰めていたわけですか。オカズは私ですよね、知ってますよ。私の名前を呼びながら、このチンチンを擦ってたのは。夢が叶ったじゃないですか」
「むぐ……」
事実だった。
健太とて健全な男子なのだから一日に一度は自慰もしているし、優香を女として見ている以上、性の対象としたこともある。
けれどその後は、決まって深い罪悪感に苛まれるのも常だった。妹であることもそうだが、身近な女性を薄汚い欲望で汚すことに、倫理的な歯止めがあるのだ。
そのことをズバリ指摘され、動きが止まる。優香はその隙に手を離して、ぐるりと体を動かした。
それまで兄と順方向に向かい合っていた優香の体が、逆方向に馬乗りになる。
がしりと両膝で兄の頭を挟み込み、右手でトランクスをずり下げる。いわゆるシックスナインの体勢だった。
ぶるん、と解放され反り返った怒張に、優香が鼻を押しつけるようにして頬摺りをする。むあ、と立ち上った臭気を思い切り吸い込んだ。
「すう……はあ………くっさいですね、最悪の臭いです。何をダラダラ先走り液を垂れ流してるんですか、兄さん。妹の手扱きがそんなに気持ちよかったんですか? ねえ、教えてくださいよ」
「…………」
健太は答えない。猿轡をされていては答えようがない。
しかしそれ以外にも答えられない理由はあった。シックスナインの体勢によって鼻先に突きつけられた、生まれて初めて見る女性器に目が釘付けだったのだ。
優香の女性器は小振りで、陰毛も疎らに生えているだけだった。中心には興奮によってぱっくりと開いた貝のような中身が、呼吸と共にひくひくと震えている。
ぽとりと、そこから垂れた愛液が健太の頬に落ちる。
ごくりと健太の喉が鳴った、次の瞬間。優香が大声で笑い出した。
「あっはははははは。なんだ兄さん、そんなに私のオマンコが気に入ったんですか? チンチンがビキビキに固くなりましたよ、あはははは」
「…………!」
「それじゃあ味見もしてみましょう。可哀相ですから、兄さんにも私を味合わせてあげますよ」
「むぐっ!」
優香は畳み込むようにして腰を下ろし、目の前の怒張を口でくわえ込んだ。
健太は股間の先端に、今まで感じたことのない熱さとぬめりと締め付けを感じた。それがじゅぼじゅぼと卑猥な音を立てながら降りてくる。とてつもない快感だった。
だが同時に、優香の腰が降りてきて健太の顔を塞いだ。ぐにゅりと鼻が女性器にめり込む。猿轡をされているため、その状態は窒息を招く。息が止まった。
慌てて健太は逃れるために身をよじったが、頭は両膝でがっちりロックされているため逃げられない。
それでもできる範囲で呼吸を確保しようと必死で顔をよじり、その度に女性器が刺激され、優香は腰をびくびくと奮わせた。
じゅん、と溢れた愛液が猿轡を通して兄の口に注がれていく。独特の塩気がある味だった。
快感に抵抗するように、じゅぼじゅぼと優香が激しく頭を上下させる。唇で根本を締め付け、舌を情熱的に絡ませる。健太はその快感に奥歯を食いしばって必死で耐えていた。
「ううう……!」
彼を支えているのは、強姦されていることに対する男としての矜持と、妹への罪悪感である。
これ以上、妹に罪を重ねさせるわけにはいかないという、兄としての一念で未経験の快感に必死で耐える。既に妹を裏切ったという事実がその一念の裏付けとなっている。
それを打ち破るため、優香は右手を自分の股間に持っていって愛液で濡らし、手探りで兄の菊門を探り当てた。
びくりと健太の腰が跳ねる。
「んんっ!?」
優香は一旦奉仕を中断して口を離し、兄の腰を左腕で抱え込みながら宣言した。
「兄さんの処女、先に貰いますからね。無駄に力むと痛いだけですから、力を抜いてくださいよ」
377 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:44:24 ID:cZaP5DBO
右手の人差し指を立てる。
そうして優香は再度、限界まで兄の怒張をくわえ込んだ。喉の奥に亀頭が当たると同時
ずぐりと、人差し指を兄の菊門に突っ込んだ。警告に反して兄は反射的に背約筋に力を込めていたが、一本抜き手のようにそれをぶち抜く。人差し指の根本近くまでが菊門に埋まった。
「んぐうううううう!」
貫くような痛みと異物感。
健太はひとたまりもなく射精した。
びゅるびゅると鈴口から噴出する精液を、優香は喉奥で受け止めてそのまま飲み込んでいく。胃に精液がたまっていった。
最初の勢いが収まると、指探りで痙攣する前立腺を見つけてぐりぐりと揉みほぐす。射精が勢いを取り戻す。優香はそれを繰り返して、できるだけ射精を引き延ばす。
そうして、噴出は優に十秒近くも続いた。間違いなく、榊健太の人生で最大量の射精だった。
「んぐっ……ごくっ………」
「う……あ……」
射精が収まってからも、優香は怒張をストローのように扱って尿道に残った精液まで吸い取る。舌の先端で鈴口をちろちろと掃除した。
加えて、やわやわと尻穴に突っ込んだ人差し指を動かす。必然、ぐったりと虚脱した健太とは対照的に、怒張は固さを保ったままとなる。
それを確認して、優香は吸い付きながら口を離した。ちゅぽんと水音。
「はあ……やっぱり味も酷いものですね。苦いし臭いし喉に絡みつくのも最悪です。多分、他の人と比べてもかなり臭いですよ。こんなものを飲んであげる女は私ぐらいのものです」
もちろん優香は他の精液の味など知らない。単に兄を傷つけるためだけの言葉である。
とはいえ、尻に指まで突っ込まれて射精させられた健太にはその言葉は深く響いた。既にプライドはズタボロとなっている。
ぬるりと優香が指を引き抜く。濡れそぼった人差し指をしゃぶる。
シックスナインの体勢から、向かい合って馬乗りになった姿勢に戻る。再度、見下ろす視線と見上げる視線が重なった。
「さて、お待たせしました。そろそろ貫通式と行きましょう。一回出しましたけど、まだまだ固いみたいですしこのまま行けますよね」
「っ!」
その宣言を聞いて
「んんんんっ!!」
今度こそ、猛然と榊健太が暴れ出した。
腰を跳ね上げ、両手で手錠の鎖を掴んで思い切り引っ張る。ベッドは木製であり、何処かが壊れるかもしれないと思ったのだ。
ぎしぎしとベッドがきしむ。手錠が手首と足首に食い込むが、歯を食いしばって我慢した。声なき声で叫ぶ。
女性の貞操というものが大事なものであると、榊健太は当たり前に信じている。大和撫子を好む風潮というか、彼の価値観はやや古臭い。
少なくとも、こんなことで失っていいものであるわけがない、取り返しの付かないことをするなと、声が出せたのなら枯れんばかりに説得していただろう。
お互いに望まない関係であり、お互いに不幸になるしかない関係になる。
兄として、これ以上妹の可能性を奪ってしまうことなどしてはいけないと、彼はありったけの抵抗をした。
けれど逆に、皮肉なことに。そういう価値観の持ち主だからこそ、榊優香はこのような行動に出たのだ。
優香は膝立ちになって振り落とされるのをかわすと、脇に置いてあったスタンガンを兄の胸に押し当てた。
先程と同じ全くよどみのない動作、衝撃、痙攣。
「ぐうううううううっ!」
獣のような絶望の呻き。
意志に反して体が勝手に硬直する。指が丸まる。目の奥で火花が散る。頭が真っ白になる。
ああ、ああ、どうしてこんな、どうしてこんな。
電極が離れるまでの十数秒。健太は数十回に及ぶ後悔の怨嗟を心の中で繰り返した。
「兄さん、パブロフの犬って知ってますか? あまり繰り返すとスタンガンでしかイケない性癖になりますよ。というか、まだチンチンが勃起してますから、そうなりかけてるみたいですね」
ぐったりと電撃で体力を奪われた健太に、どこか愉快そうに優香は微笑んで
腰を上げて、左手の人差し指と中指で、自分の花弁をぐっぱり開き。勃起したままの兄の怒張を押し当てる。
左手を離すと。ぐに、と大した抵抗もなく亀頭が秘裂に飲み込まれた。
「さて、暴れてもいいですよ、兄さん。多分そうしたら、兄さんが自分で私の処女を破ることになりますけど。そうしたらこれはもう和姦ですよね」
「ん……うあ……」
健太が力無く妹の名を呼ぶ。それは猿轡に阻まれ言葉としての形を為さなかったが
あとは腰を下ろせば一線を完全に越える。そんな状態で、榊優香は動きを止めた。
378 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:46:30 ID:cZaP5DBO
……本当は
『……はい……普通の兄妹に……戻ります……』
本当は、口先だけで同意して、再起の時を待つつもりだったし、そうするべきだとわかっている。
たとえ引き離されようと、想いの褪せない自信が私にはあった。生まれてからずっと抱いてきた兄への想いは、既に私自身となってしまっている。
兄の想いは褪せてしまうだろうが、それは再度積み直せばいいだけのことだし、そうする自信もあった。
ここで足掻くのは、戦略的には逆効果でしかない。そもそも私は賭に負けたのだ。
両親が私の異常に気付いて完全に補足するのが先か、私が兄の気持ちを完全に掴むのが先か、これはそういう勝負だった。
そして私は分が悪いと知りつつも兄に賭け、負けたのだ。
『あの時頷いたのは、ごめん……けど……やっぱり、普通の兄妹に戻らないか……?』
兄を恨んではいない。あれは裏切りではなく、私の努力と運が足りなかっただけの話なのだから。
それに、敗北したからといって諦めたわけでもない。
今は引き離されたとしても、元の関係に戻った振りをして警戒を解き、必要ならば邪魔者も始末する。五年、十年と隙を伺えばどうとでもなるはずだ。
本当はそうするつもりだった。一度退いて、捲土重来を待つ。
兄と添い遂げるために、まず相思相愛になるように仕向けるという、戦略に沿った方針でもある。
……けれど、我慢できなかった。
『可愛いですよ、兄さん』
『お、お前なあ。さっきから男、それも兄貴に向かっていうことじゃないだろ』
あの日々が
想いをありのままに吐き出せるあの日々が、好きな人に好きと言えるあの日々が、あまりにも嬉しかったから。
もう、戻れなかった。私はルビコン川を渡ってしまった。理性よりも感情に、私は負けた。
兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん
貴方が恋しい、貴方が欲しい。
都会に来たロバのように、空を知った蝉のように、果実を食べた始祖のように、私は本当の喜びというものを知ってしまった。
もう我慢などできない。
今更、たとえフリでも、普通の兄妹に戻れるわけがなかった。
…………
それなら、私は
それなら私は、もう一度分の悪い賭をしよう。欲しいものを今、手に取る愚かな道を。
最善の方法を放棄する。戦略を転換する。
幸せになれないかもしれない――――それでもいい。
日の当たる場所には出れないかもしれない――――それでもいい。
愛し合うことはできないかもしれない――――それでもいい。
この人を深く傷つけるかもしれない――――それでもいい。
この人を不幸にするかもしれない――――それでもいい。
本当に嫌われるかもしれない――――それでもいい。
もう二度と、安らぐ場所には戻れないかもしれない――――それでもいい。
それでもいい。
明日より今だ。
379 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:47:34 ID:cZaP5DBO
ず、と榊優香の重心が移った。
それを感じて、涙さえ流しながら、榊健太が声にならない叫びを上げる。
めりめりと、芋虫のような速度で、彼女の腰が降りていく。
「さ、あ。いよいよ兄さんの童貞喪失ですよ。泣く程嬉しいんですね、兄さん。
ほら、見えるでしょう。見てください。兄さんのチンチンが私のオマンコに突き刺さっていきますよ。
いっ……つううううう……ほら、ぶちぶち、処女膜が破れていきますよ、兄さんの小汚いもので!
そんなに嫌なら、くうっ……今すぐ萎えさせればいいのに、それができない時点で兄さんの意志なんです。
このチンチンが、妹に欲情して処女膜を破りたがるから………こんなことになってるんですよ。
は、あ……膜は完全に破れましたね。後はもう、私の中が兄さんの形に広がっていきます、よ」
自分の肉を裂きながら、優香はゆっくりと体を降ろしていき
兄の腹に両手がつくと、最後の一息を一気に押し込んだ。ごつん、と怒張が最奥を突き上げる。
優香の背筋が伸び、かは、と呻き声を漏らした。
兄と妹の腰が繋がり合い、その間から薄赤い液体が染み出してくる。愛液と混じった破瓜の血。二人が禁断の交わりを行った証である。
こうして、榊優香と榊健太は、越えてはいけない一線を越えた。
「あ――――は」
傷口を刃物で開くような痛みより、脳髄を焼く喜悦に突き動かされて妹が笑う。
「あ、ははははは。兄さん、兄さん。
これで、兄さんは私のものです。兄さんの全ては私のものです!
ファーストキスも初フェラチオも処女も童貞も、全て私が奪いました。
この先兄さんがどんな人生を送ろうと、あらゆる全ての瞬間で、その事実は消えません。
あは、あははははっ! 最悪で最高です! 兄さん、貴方は私のものです!
もう喋っても良いですよ、どうせ手遅れですからっ!」
榊優香の手が乱暴に手拭を首まで引き下げる。瞬間、唾液と愛液でぐっしょりと塗れたパンツを吐き出して、榊健太が怨嗟の叫びを上げた。
「ゆうか! ゆうかああ!」
「あははは、なんですか兄さん。ちなみに父さんも母さんも、下で泥酔してましたから助けを呼んでも無駄ですよ」
「お前、何で、何でこんなっ!」
「そんなもの、愛以外の一体どんな理由があるというんですか」
「そんなの――――むぐっ!」
なおも何か言いかけた健太の口を、上体を前に倒した優香の口が塞ぐ。妹の舌が捻じ込まれ、兄の口内を蹂躙する。二人は上と下で完全に繋がった。
体を倒したときに優香の膣にはねじれるような痛みが走ったが、彼女の脳はそれを快感に変換していた。十数年の悲願が達成された瞬間、彼女は絶頂さえ覚えている。
一方の健太にとっては、女性に挿入することは凄まじい快感だった。入れた瞬間に射精しなかったのは一度放出してたからで、今も腰を動かしそうになるのを必死で堪えていた。
片方は肉体の苦痛を精神が凌駕し、片方は精神の拒否を肉体が凌駕している。それはひどく歪な性交であり、強姦だった。
兄が首を振って、蛭のように吸いついてくる唇を外し、叫んだ。
「ぷはっ……やめろ、やめろ優香!」
「何をですか? 私の処女膜ぶち抜いておいて、今更何を止めろと言うんですか? そもそも、先に裏切ったのは貴方でしょう」
「それは……うぐっ!」
先に妹を裏切ったのは自分だという、
負い目を突かれて怯んだ兄を、優香が膣で絞り上げた。
危うく快楽の一線を越えかけたのを、必死で堪える。そうでなくても、初めて挿入する女性の体はとてつもなく気持ち良かった。
限界まで張りつめた怒張に、肉の筒が全体をぴったりと包むように張り付き、締めつけてくる。それもひどく熱い。
手で擦るのはもとより、口でくわえるのすら到底届かないような密着感。
優香がゆっくりと腰を上下し始めると、その快感は更に増加した。張った傘が密着感に逆らうように、ごりごりと膣を削って行く。その抵抗はそのまま、怒張への快感になる。
そうして、ある程度まで腰を持ち上げると、どすんと一気に腰を下ろした。めりめりと閉じた肉を開きながら、兄の先端が妹の子宮を突き上げる。それもまた途轍もない快感だった。
猿轡は既に外されていたが、たとえ両親が健在でも助けを呼べるような状況ではなかった。気を逸らせば即射精してしまう。
耐える。初めて経験する快楽に必死で耐える。
それは、譲りに譲ったとはいえ、健太にとって絶対に越えてはいけない最後の一線を守るためだった。
380 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:48:16 ID:cZaP5DBO
「く、はっ……気持ちいい……ですよ。最初から……こうしておけば良かった。ずっと我慢していたのがバカみたいです」
ずちゅん、ずちゅん、と兄の腹に手を当てて、優香が腰を上下させる。腰が沈むたびに、結合部からは白みがかった粘液が溢れてくる。
彼女の言葉は事実ではないが真実である。
貫通したばかりの膣は、愛液の潤滑があるとはいえ傷口を擦られる痛みが絶えず走っている。男にとっては快楽でも、彼女にとっては抵抗がそのまま痛覚を刺激するのだ。
また、こうして今繋がっているのも、総合すれば敗北した結果である。本来は、相思相愛になった上での過程でしかなかったのだから。断じてセックスが最終目的などではない。
だがそれでも、彼女の言葉は真実だった。十数年の想いという強烈な脳内麻薬は苦痛さえ快楽に変換し、後悔を含むあらゆるネガティブな感情を消し去っていた。
「どうしてこうなったのかって、思ってますよね? そんなの決まってます、悪いのは兄さんです、悪いのは兄さんです。
兄さんが私を受け入れてくれたなら、こんなことはしないで済んだんです。私がどれだけ貴方のことを愛しているか、知っていたのに!
元になんか戻れるはずがないじゃないですか。私は貴方がいなければ生きていけないし、私達は男と女なんです。
家族で済むなら、最初から我慢してます。どうしても我慢できなかったから、私はこんな、こんな人間になったんですよ。
わかってなかったんですね、わかってなかったんですか。やっぱり兄さんは頭が悪いですね。
水を飲まずに生きろと言われても無理なんです、空気を吸わずに生きろと言われても無理なんです、私にとって貴方はそういう存在だったんですよ!
義務感でもいい、同情でもいい、あの時頷いてくれたなら、私はそれだけで生きていけたのに。全部兄さんが裏切ったからですよ!」
「うっ……ぐっ………!」
言葉と体で優香は健太を責め立てる。ベッドがぎしぎしと軋み、手錠の鎖が擦れ合って音を立てる。まるで忍ぶ気のない嬌態であり、強姦だった。
両親が寝ていたとしても、飛び起きて駆けつけかねない。だが優香はそのことで全く遠慮してはいない。露呈するのは覚悟の上だ。
彼女は戦略の転換を行った。基本方針は変わらない。自分に好意を持つように仕向けるのは、人生を考えた時に絶対必要な要素だ。
今までの優香はその戦略を、長い長い時間を掛けて確実に進めてきた。行動すると決めてから二年と半年。想いを自覚してからは十数年に達する。
だが、彼女は戦略の転換を行った。年単位の時間を掛けるのではなく、今、この場で、兄への洗脳を完遂すると決めたのだ。
この数時間で、榊健太に拭いがたい条件反射を刻み込む。
それは恋愛などではなく、調教の部類に入る。しかもワンチャンスであり、失敗したら深刻な嫌悪を受ける。まさに賭であり、彼女の中の慎重な部分は成功する可能性が高くないことを告げている。
それでもいいと決めたのだ。
兄を責め立て罵倒する言葉も本心ではない。全て自己責任であることを彼女は自覚しているし、方針は間違ってはいないと分析している。ただ足りなかっただけだ。
足りなかったものを、今埋める。愛する人間の心に、自分という形をした深い傷跡を残すことで。
――――思えば
彼女の中に存在する胸の空白が、自分の兄の形をしていたことが全ての元凶だったのだから
これでようやく、二人は最初の位置に着けるのかもしれなかった。
どすんと、一際強く、優香が腰を沈める。怒張の痙攣を直に感じて、彼女は嬉しげな声を上げた。
「あっ、は。出るんですね? またチンチンがびくびくし始めましたよ。さっき精液を飲む直前に、こんな風に震えたんです」
「よ、せ。や、めろ。ゆうか……!」
「なら出さなきゃいいじゃないですか。出したがってるのは兄さんですよ」
怒張が押し入った分、ぽこりと押し上げられた腹部をぐりぐりと優香が撫でる。そうして、ふと思いついたように呟いた。
「く、ふう……兄さん。もしも一つ約束してくれるなら、こんなことはすぐに止めますけれど……どうします?」
「な……ん……?」
歯を食いしばり、一線を越えようとする性衝動にギリギリのところで抑えながら。妹の口にした提案に、藁にも縋る思いで顔を上げる健太。
そんな兄に優香は意地悪く笑って……不意に目を閉じた。
「今からでも……一緒に逃げてくれるなら……誰も知らない遠い場所で、二人だけで暮らしてくれるなら……全て赦せます」
「そ、れ……」
それは
つい数時間前に
『あの時頷いたのは、ごめん……けど……やっぱり、普通の兄妹に戻らないか……?』
榊健太が、榊優香を裏切ったことだった。
382 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:49:20 ID:cZaP5DBO
瞬間的に、大量の後悔と苦渋が彼の脳裏を支配する。
覚悟はない。彼にはどう足掻いても全てを捨てる覚悟はないし、一瞬で巨大なそれを決める資質もない。
それならここで頷いたところで確実に嘘になる。
ついさっき、あれほど懊悩したのに、また騙すのか、また裏切るのか。そんなことができるわけがない。
けれどここで頷かなければ、自分は妹に膣内射精をしてしまう。妊娠させてしまうかもしれない。
そんなことになれば、それこそ妹の人生を棒に振ってしまうことになる。自分よりもずっと優れ、可能性に満ちた妹の人生を、自分がダメにしてしまうことになる。
奇妙な話だが、今まさに強姦されていても尚、健太は優香のことを妹として心配していた。
射精をこらえながら数秒、迷いに迷った。また妹を裏切るのか、それとも。
だが、結局のところ選択肢は一つしかない。
苦渋と、懊悩と、後悔と、快楽に、奥歯を食いしばって耐え
健太は嘘を絞り出した。
「わ、かった……」
嘘を。
「わか、った……やくそく、する……だから……!」
呻くように、呻きながら、胸の痛みと快楽に耐えて、奥歯を食いしばり、ぼろぼろと涙をこぼして
実の妹に強姦されながら、許しを乞うその姿は、ひどく滑稽で哀れだった。それでいて、どこか心を打つものがあった。
「あは」
それを優香は
「嘘、ですっ!」
踏みにじった。
ごり、と腰を捻る。子宮口に、亀頭の先端がめり込んだ。まるで元からそういう道具だったように、二人の性器が完全に嵌った。
これ以上ない程の深い挿入。膣が怒張を根本からぴったりと絞り上げ、先端を子宮口が吸い上げる。
兄の目の奥で、絶望と共に火花が散り、何かが切れる音がした。
「うあ、うあああああああっ!」
「ああ、ああああああああっ!」
お互いに獣のような叫び声を上げながら、射精が始まった。
子宮口にめり込んだ亀頭から噴出した精液が、直接子宮に注入されていく。どろどろと腹の底を打つ熱さを、優香は確かに感じ取った。汚されたことのない処女宮が黄ばんだ精液に染められていく。
一度出したにもかかわらず、信じられない程の量が出ていた。それは雌に種付けしようとする雄の本能だったのかもしれない。
「あああああ、でてる、でてますにいさん! あいしています、あいしています、あいしています!」
「うああああ、ああああ、ゆうか、ゆうかあ!」
随喜に涙さえ流しながら感極まる女と、絶望に涙さえ流しながら果てる男。
それは凄まじい快楽だった。勉強の達成感も、運動に打ち込む熱情も、芸術に触れた時の感動も、全て吹き飛ばして無価値にしてしまう程に深い快楽だった。
幸か不幸か、二人の体の相性は最高だった。従兄妹同士は鴨の味というが、他の異性ではけして得られることのない程の快楽だとお互い本能で悟っていた。
「あ、あ……ごめん………ごめん……ゆうか……」
どくどくと妹の子宮に送り込んでいた精液がやっと収まる。
健太は放心したように天井を見上げて、涙を流していた。うわごとのように妹に謝り、目の焦点は合っていない。
その唇を、優香の唇が塞いだ。兄妹が上下で繋がり合う。
愛おしそうに舌を絡ませ合い、囁く。
「どうして謝るんですか? 私は今、幸せです。本当に幸せなんですよ」
感極まった表情で、頬をすり寄せて囁く優香。その声音に後悔は一片もない。
優香が腰を捻って亀頭から子宮口を外す。そのままゆっくりと、腰を細かく揺すり始めた。
締め付けと合わせた刺激で、やや固さを失っていた兄の勃起がむくむくと大きくなる。気力を失った健太の抵抗は格段に弱くなっていた。
「さあ……第二ラウンドです。大丈夫、夜はまだまだ長いですよ」
383 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:50:38 ID:cZaP5DBO
昔のことを思い出した。
「わたし、おにいちゃんのおよめさんになってあげるね」
「おー。ありがとうな、ゆうか」
むかしのことをおもいだした。
明け方。
町が目覚め始める時間帯になっても、榊家の一室では饗宴が続いていた。
「兄さん、ほら兄さんっ! もっとしっかり突いてくださいよ、ほらっ」
「うっ……あ……!」
怒張に貫かれて腰を激しく振りながら、榊優香が兄の尻穴に突っ込んだ中指をぐいとひねる。
言葉と指に操られるように、榊健太は腰をごつごつと突き上げた。妹の嬌声が一段高くなる。
部屋はひどい有様になっていた。
シーツはあらゆる種類の体液にまみれて見る影もなく、更にそれらが冷えてぐちゃぐちゃになっていた。お世辞にも寝心地は良くない。
ベッドの脇には乾電池と強壮剤の空き瓶が散乱している。精液を放出しては強壮剤を飲まされ、行為は一晩中続いていた。途中から二人とも全裸になっている。
ギシギシと、ベッドと手錠が軋む。
部屋の臭いも酷いものだった。精液と愛液と小水の臭気が混ざりあい、生臭ささが充満している。
強壮剤を何本も飲んで尿意を催した時、優香はお互いの小水を飲ませ合ったのだ。健太は途中で吐き出してしまい、ベッドが汚れることになったが。
それから、音。
女の嬌声と男の呻き声。肉同士が立てる淫猥な水音。ベッドと手錠の軋み。それから、ドアをガンガンと叩く音。
「――――っ! ――――っ!」
ドアの外から母親の怒声。
数分前から、泥酔から復帰した両親が部屋に駆けつけて扉を破ろうとしていた。お構いなしの嬌声である、同じ家の中ならすぐ気付く。
鍵はとっくに開き、今度は重量物で叩いているのだろう。ドアの前に立てかけた戸棚がぐらぐらと揺れている。
そんな中で、二人は性交を続けていた。妹が、一際甲高い声を上げる。
「あっ、あっ! イキます、イキます! 兄さんも、チンチン嵌めますから出してくださいねっ!」
「うあ……やめ、やめろ、ゆうか……」
「何言ってるんですか、何度私の中に出したと思ってるんですか? もう子宮がドロドロですよ!」
「ぐ、あっ!」
ずぶりと、妹が兄の尻穴に人差し指を追加した。ぐりぐりと二本の指で前立腺を挟み込む。
慣れた動作で優香が腰をひねって、亀頭を子宮口に嵌めこんだ。まるで定位置のように、ぴったりと収まる。
射精。
「ああ、ああっ! 熱いのが来てます、もっと出してください、兄さんっ!」
「うあ、あああああ……!」
ごぼごぼと、押し出された精液が泡立ちながら、繋がった膣の隙間から溢れ出てくる。
その分、新鮮な精子が新たに優香の子宮に注入されていく。最初の頃に比べれば、流石にかなり水っぽい。ぴんと妹の背筋が伸び、深い絶頂に酔いしれた。
二人の体はかなりセックス慣れしていた。ぶっ続けの性交による成果だろう。特に意識しなくても、優香は快楽を貪ることができた。健太の肛門は、指二本を楽に受け入れられる程伸びてしまっている。
384 未来のあなたへ11後編 sage 2009/09/12(土) 00:51:05 ID:cZaP5DBO
「――――っ! ――――っ!」
ガンガンという打撃音と、母親の怒声は続いている。兄妹は、視線こそ通っていないが両親の前で、最後まで至ったことになる。
だが今の優香は、それらを騒音程度にしか気に留めていない。荒い息をつきながら腹部を撫でた。
本人が言ったように、精液がパンパンに詰め込まれた腹部はぷっくりと膨らんでいる。
「ふう、ふう……こんなに注がれると安全日でも妊娠してしまいますね。そんなに妹を孕ませたいんですか、兄さん」
「…………」
健太の反応はない。魂が抜けたように天井を見上げているだけだった。実際、彼の意識は半ば朦朧としていた。涙の痕が痛々しい。
何時間にも及ぶ行為の中で、彼が抵抗を止めたのは何時だったのか、心を閉じたのは何時だったのか、優香はあまり憶えていなかった。ひたすら没頭していたのだ。
既に、肛門に指を突っ込んでも、乳首を吸っても、スタンガンを押し当てても、ほとんど反応はない。
ただそれでも、膣内射精となれば僅かに自意識を取り戻して嫌がる。それを征服するために、優香は射精のほとんどで中出しを強要してきた。
それは正しく強姦だった。
優香が緩慢な動作で、数時間ぶりに腰を引き抜く。途端、ごぼごぼと子宮に収まりきらなかった精液が逆流してきた。ぼたぼたと兄のしぼんだ性器に垂れていく。
「――――っ! ――――っ!」
外の騒音はますます大きくなり、扉を塞いだ戸棚がとうとうぐらりと傾き始めた。
それを全く気にせず優香は、ごろりと兄の横に添い寝した。濡れたシーツが張り付いて気持ち悪い。
兄の頬に残る涙の跡を舐める。塩辛い味がした。
手錠でベッドの四隅に縛られた健太は反応しない。
数時間続き、そしてあとわずかで破られる、二人の牢獄。
しばしの沈黙。
「……ねえ、兄さん」
「…………」
「――――っ!」
ついに扉が破られた。
戸棚が倒れ、どすんと大きな音が響く。部屋の埃が舞い上がり、カーテンの隙間からさす朝日に照らされてキラキラと光った。
直ぐに扉を押しあけて、榊母が。続けて榊父が飛び込んでくる。
そうして、その惨状を前にして
榊母の悲鳴が、榊家に響き渡った。
そのなかで、妹がそっと、寄り添う兄の耳元で囁いた。
……ねえ、兄さん
私は、いつでも貴方を見ている
ずっと、見ていますからね
愛していますよ、兄さん
ねえ、兄さん
ねえ、兄さん……
最終更新:2009年09月14日 22:18