197 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/18(日) 22:00:27 ID:fzgKcUaA
和人の姉は、好きな人がいるらしい。という噂が学校に広まったのは一週間前。和人の姉はこの学校の生徒会長で学校始まって以来の秀才。そして美人。その姉、知絵が好きな人がいるとなれば学校中の人が知りたいと言うわけだ。
そうなると知恵の事を一番分かっている人に聞くというのが人間なわけで、弟に行き着くわけであります。
「和人、知恵会長の好きな奴はわからないのか?」
「和人君、知恵お姉さまの好きな方、わからない? わかったらお礼してあげるから、お願い!」
とまあ、こうなるわけでございます。もちろん和人は好きな人は分かるわけがありません。姉弟は姉弟でも男と女。
「ごめん。俺にはわからない」
と言うしかないわけで・・・
「今日も疲れた~何で姉ちゃんごときの好きな奴を知りたいのかさっぱりわからん」
「そりゃあ、学校の有名人何だから知りたいに決まってるだろ」
「勇作は知りたくないの?」
「俺は小さい女の子しか興味ないもんでね」
「それ質が悪いぞ。おい」
「大丈夫。二次元だから」
「・・・・それじゃあ、また明日」
「スルーかよ!」
と1日が終わる。
「ただいま~」
さっきの話で疲れた和人だが、パソコンの為なら頑張る和人である。表上は元気だ
「お帰りなさい。和人」
「何でいつも姉ちゃんはもう既に帰ってるんだよ! 生徒会はどうしたんだよ!」
「それはさっさと終わらせたわよ。10分で」
知恵はさぼっていない。万能の知恵なら一人で仕事をやってしまうのだ。しかも10で。
「後、家事の方が重要だもの。父さんも母さんも外国だし」知恵と和人の父と母は、父が外国支社の支社長をやっているため外国に行っていて、母は姉弟が高校入学と同時に父の元へ行ってしまったため、姉弟で家事をやっているのだ。
「そんなのは俺がやるから、姉ちゃんは生徒会を優先してよ」
和人は知恵に家事なんかさせず、学校の方を優先させたいと思っている。色々な人たちが期待されているのだから、知恵に頑張って欲しいのだ。
「嫌よ。そんなの、たかが生徒会に時間を潰したくないもの」
知恵の考えはよくわからない和人は
「家事なんかよりよっぽど時間の有効活用だと思うよ」
その瞬間、知恵の雰囲気がガラリと変わった。周囲が暗く、寒くなる感じだ。
「家事なんかですって・・・私の生きがいを侮辱しないでくれる? か・ず・と」
知らぬ間に至近距離にいる知恵。目が恐ろしい。
199 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/18(日) 22:20:50 ID:fzgKcUaA
「ごめんなさい。姉ちゃん、もう言いません」
と謝るしかない。知恵の怒り程、恐ろしいものはない。すると知恵はまたガラリと雰囲気が変わり、ニコリと笑うのだ。
「すぐに素直に謝る和人は好きよ」
と
「後、もう直ぐ夕飯できるから着替えてきてね」
知恵が台所に戻って言った。
そして夕飯。
食べながら、和人は近頃、気になっていた事を話した。
「姉ちゃんの好きな人って誰なの?」
「私の好きな人?」
「そう。近頃学校で話題になってるじゃん。姉ちゃんも聞かれるでしょ?」
学校の中にも本人に聞く勇者と姉ちゃんの友達なら聞くはずだ。
「ええ、聞かれるわね。」
「んで姉ちゃんの好きな人って誰?」
「それはね・・・和人よ」
和人は思考が止まった。しばらくして言語能力が回復し知恵に聞く
「え・・・俺以外に和人って居たっけ?」
自分の予想が外れることを祈って
「いないわよ。私の好きな人はあなたよ。和人。異性として」和人の予想が当たった。弟を異性と好きとサラリと言う姉に和人は何にも言えなかった。
「そろそろかしら」知恵は謎の発言をした。
「そろそろって?」
「薬が効く時間よ」「は?・・・・ぐっ」
和人は体に異変を感じ始めた。体が痺れ始めたのだ。
「これはどういう・・・・」
「私があなたを好きと言っても受け入れてくれないでしょ? だから・・・ね」
次第に意識が遠退く中、最後に姉が言った
「ずっと愛していくから安心してね。和人」
最終更新:2009年10月26日 16:59