龍とみゃー姉(その5)

587 名前:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/05/16(水) 10:32:39 ID:Vxzs8j1h
白沢龍彦

全く現実感が沸かなかった。
凛としたいつも手の届かない場所にいた理想の女性。
いつも落ち着いた優しい眼で見守っていてくれたその人は、涙を流しながら
自分の胸を明かし、今は僕の唇を情熱的に貪っている。
抱きしめられているのを感じながら自由な両手で自分も抱きしめる。
柔らかい…そして華奢だ。肌は暗い部屋でも分かるくらい艶やか。
こんな小さな体の人だっただろうか。
僕はこの小さな人に守られてきた。
だけど、僕は今その恩人を滅茶苦茶にしたい衝動に駆られている。

「龍ちゃん…龍彦、正直にいいなさい。私でオナニーしたことある?」
みゃー姉が熱に浮かれたような瞳で、口は少し微笑みながら聞いてくる。
僕も頭が熱すぎて思考がまとまらない。口が勝手に開いていた。
「ある…。想像よりずっと綺麗だ。」
「私もあるの…ずっと昔から。ずっとこうやって抱きしめてもらって…
 そして抱いてもらうのを想像しながら。」

理性をかき集めて冷静になろうとする。その試みも全てを吸い付くすようなキスで
霧散していく。気がつけば自分もみゃー姉の口を犯している。義姉の手は既に
僕の下半身に伸びている。
頭が眩むような快感と…義姉に欲情している自分への罪悪感。
義姉は艶然と微笑む

「ごめんね…。あまり体には自信がないから貴方を満足させてあげれないかも
 しれないけど…苦しいの。私を楽にして…。」
「僕は…」
最後の理性が抵抗する。しかし、それも耳元の囁きで打ち砕かれる。
「…犯して。貴方の好きなように…」
そして、僕は獣になった。

「ごめん!」
上に乗っていた義姉と位置を入れ替え、押し倒し、今度は自分から唇を
合わせる。そして口の中に入っていく。それだけでさらに頭が灼熱したように
欲情で燃え上がる。名残惜しそうに舌を絡め、唇を離すと白い肌を下に向かって
唇を這わせていく。体に唇が触れるたびに義姉の体が敏感に反応する。


588 名前:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/05/16(水) 10:33:52 ID:Vxzs8j1h
そして、乳房にまで到達する。
「…ぁ…ん……胸は…小さいから…ゃ…」
「気持ちよさそう…だね。その顔…もっと見せて…。」
義姉の反応を見ながら乳首を愛撫する。熱くたぎっているのに思考は冷たく、
鋭く、快感を求めている。普段の冷静さの微塵もない義姉の蕩けるような顔を
見るとさらに興奮するのを感じる。自由になっている手は下…よく見たこともない
秘部に伸ばし下着の上から快感を感じる場所を探す。
「う…龍彦…うまい…気持ち…いいよ…。下着脱がせて…もっとっ
 指も入れて…いい…そ、そう。ああっ!」
「痛かったらいってくれよ。」
いいながら下着を脱がし指を入れる。
「…っん!くっ!!」
「濡れてる…。」
「恥ずかしいから言わないで…もう…いいよ。キスしながら…お願い。」
「恥ずかしがってる美弥子は可愛いよ。…いいの?」
「初めての人は決めてたから…龍彦のも貰う。」
「なるべく優しくする。」
微かな震えを感じると、大事にしたい気持ちと…荒く蹂躙したい征服欲が
湧き上がってくる。そして、自分のものを大事な場所にあてがう。
2度、場所が分からず、三度目…。
「…くうっ!!いっ…いたっ…ぅぅ…」
「ごめん…ゆっくりしようか?」
「ううん。大丈夫…最後までお願い。」
「いくよ…。初めて貰うね。」

何かが破れるような感触を感じながら奥まで貫く。熱く締めるような快感。
それだけでいきそうなきつさ。奥に突き入れたまま暫くじっとする。
涙を零す義姉に優しくキス。いたわるように。

「義姉と弟の一線越えちゃったね…。我侭してごめんね。」
「こういうのは男が悪いと思う。魅力的過ぎて我慢できなかった…」
「初めてなのに優しくしてくれただけでも嬉しいの。後は貴方が気持ちいいように
 してくれていいから…。幸せな痛さをもっと感じさせて。」
「わかった。」

そして少し腰を引き、奥に突く。ゆっくりな動きで義姉を傷つけないように
意識をするがどんどん、そのスピードが速くなる。

「あっ…くっ……んっ…ふぁっ!」
「ごめん、我慢できない!」

激しく自分の全てを打ち付けるように腰を動かす。義姉は痛みを堪えるような
顔をしているがその顔がさらに劣情に火をつけ、ひたすら膣内を貪る。


589 名前:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/05/16(水) 10:35:50 ID:Vxzs8j1h
「いっ!…龍…彦…ぅ…ああっ…痛い…けど…気持ち…いいよ」
「美弥子!もうそろそろ限界…出る!」

義姉は足を腰に巻きつける。離れないように。
危ないとわかっていても腰はまるでそこだけが生きてるかのように動く。

「えっ!ま、まずい。我慢…でき…」
「あ…う…私もっ…私もイケそう!…そのまま中で!お願い!」
「う、ああああああ」
「……ああああっ!…いい……はっ…ふぁあああっ!!!」

最後に、突き破るくらいの強さで奥まで突きいれ、白濁液を放出した。
同時に搾り取るかのように膣内が締め付ける。
力尽きるように義姉に覆いかぶさり、余韻を楽しむようにキスを交わした。

「はぁ…はぁ…。大丈夫?ごめん中で…」
「うん…初めてなのに…いけたよ。痛かったけど気持ちよかった…。
龍ちゃん上手だね。子供できたら…絶対産むから責任とってね。」
「みゃー姉…まさか、勢いじゃなくて全部初めから計算尽くか…」
「ふふ…女は男を手玉にとって初めて一人前なのよ。」

いたずらっぽく笑う義姉。なるほど、今まで綺麗な面しか見てなかった。
しかし、嫌悪感は感じない。確かにみゃー姉は狡猾で邪悪のようだ。
でも…義姉の計算はどうにも自分を中心にしているようだから。

それより、この先どうするのか。付き合ってる彼女がいながら、
他の女性を抱いた。立派な二股だ。けじめはつけなければならない。

次の日の朝、僕は相沢さんに別れを告げた。
彼女は心ここにあらずという状態でそう…とだけ呟いた。


590 名前:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/05/16(水) 10:36:35 ID:Vxzs8j1h
相沢祥子

昨日は一睡も眠れなかった。
完全に嵌められた。自分の嫉妬心を利用し、理解不能な行動で
思考力を殺ぎ、あの先輩は不利な状況を覆した。
だけど手は読めた。もう動揺はしない…

From 黒崎美弥子
To   相沢祥子

おはよう。気持ちのいい朝ですね。
昨日は龍彦君がたくさん私を可愛がってくれました。
私から襲いました。恨むなら彼じゃなくて私を恨んでね

………私は何を勘違いしていたのだろう。
あの女がいる限り、彼はあたしのものにはならない。
心を読むような人には絶対に勝てない。
あれは化け物…きっと人間じゃない。
殺しても…いいはずだ。
このメールが本当なら彼は無理やり汚されたってこと…
それ相応の報いを与えてあげないと。

登校すると龍彦君が挨拶に来てくれた。
内容がよく理解できなかったけど、きっと恋人のあたしを慰めてくれたんだろう。
待っててね。龍彦君…すぐ自由にしてあげるから。
あたしが絶対に助けてあげる。

From 相沢祥子
To   黒崎美弥子

お話があります。
放課後屋上でお待ちしてます。


591 名前:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/05/16(水) 10:37:23 ID:Vxzs8j1h
黒崎美弥子

生きててよかった…と思えたのは初めてのことで、隣で裸で眠っている
義弟を見るとその思いはさらに強くなってくる。
ついにしちゃった。
想像以上の痛さ、快感、幸せ…。
浸ってばかりもいられない。本番はこれからなのだから。
軽く伸びをして、シャワーを浴び、普段どおり朝の準備をする。
部屋の机の上に以前書いた手紙を置く。
使ってあげるつもりだったけど…これ、使いたくなくなったな…。
いつもと違うギクシャクした龍ちゃんの態度に笑ったりしながら学校へと登校する。

放課後屋上で待つ…か。まるで、告白みたい。

後輩を踏み台にして幸せになった私としては、受けざるを得ないわね。
神様から罰を受けるのか受けないのか。
受けるならそれもまたよし。龍ちゃんを一人にしちゃうのは辛いけど。

計画は自分の思い通り、計算どおりに動いた。
そして、人をどうしょうもなく傷つけた。

誰も傷つけたくない…それはそうだ。誰だってそうだ。
そんなのは奇麗事だ。自分と他人の欲しいものが重なったとき、絶対に
どちらかが傷つくのだ。
その責任から逃れるつもりはない。責任は全て私が負う。

放課後、龍ちゃんにメールを送り…。
そして、屋上の扉を開く。

相沢さんは屋上のフェンスから、空を見ていた。
手には…包丁が握られている。

「ごきげんよう。随分久しぶりね。右手のものは流行のアクセサリーかしら?」
距離を開けつつ、相手に対して半身になる。

「お久しぶりです…黒崎先輩。これは猫を殺すためのものですよ。他人の恋人を
 寝取る…泥棒猫を。」
「酷いことをする人もいたものね。」
「どの口で…どの口でそんなことを!どうして…どうしてっ!!」
憎しみに満ちた目で私を見つめる彼女。目をそらさず見つめ返す。


592 名前:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/05/16(水) 10:38:05 ID:Vxzs8j1h
私は冷静に答えを返す。
「彼に恋人なんていなかったわ。だって好きって言ってもらったことないんでしょ。
 それなら片思いじゃない?」
「そんなこと詭弁です!あたしたちは付き合ってたんです!あたしの大事な恋人です。」
向こうはじりじりと距離を詰めてくる。
「私はね…貴女が龍彦君を幸せにしてくれそうなら姉でいようと思っていたの。
 嫉妬して、怒りをぶつけるようには誘導したけどね。でも、それに貴女は乗った。」
「あたしは彼が好き!絶対に幸せにできた!それを邪魔する貴女に説教される
覚えはない!」
私はため息をついた。刃物への恐怖で流石に冷や汗が流れる。
「二週間で…しかも彼の生い立ちを知っている貴女がどうして何も気づかないのか。
 彼を超人とか思ってない?彼は強い。そして優しい。でも完璧な人なんていないのに。」
「何を…」
「彼は弱いのよ。何故、付き合ってる時でもどうして私を優先したと思う?
私が好きだからじゃない。家族だからよ。自分が不在のときに両親を失い、
無意識で家族を一人にすることを拒んでるの。貴女が大切じゃなかったわけじゃない。」
「う、うるさい!それ以上しゃべるな!」
「聞きなさい!!彼はあなたが悩むから私に相談した。私はヒントを彼にたくさん与えた。
 でも、結局無駄になった。彼に何も相談しなかったんでしょう。今日のことは自業自得。
 独りよがりの貴女が自滅したのよ。」
「うるさいうるさいうるさい!もう邪魔しないで!死んで!」
包丁を腰に構えて突き出してくる。私はそれを半身のまま横によけ…

わざと左手の甲に包丁を突き刺させた。

痛い…。我慢できるかと思ったけどこれは無理かも…。馬鹿だったかな。
それでも歯を食いしばって笑いかける。気が遠くなりそうだ。

「気は…少しは済んだ?なんだかんだいって私が元凶なのは間違いないからね。
偉そうにいったけど、本当は嫉妬して私が好きで渡したくないだけなの。ごめんね。」
「う、おかしいよ!狂ってるよ…先輩…なんで…」
「…かもね。恋に狂ったの。女の子らしい理由でしょう。私らしくないかな?」
「うううう、うわあぁ!」
包丁を引き抜き、もう一度私に向かってくる。そこに龍ちゃんが割り込んできた。
前に立ちはだかった彼に刺さると思われた包丁は前に流され、腕がつかまれる。
そして、崩れを利用して思いっきり投げた。小手返しって技。私は飛ぶ方向に走り、
投げられる彼女を庇った。受身も取れず、左手を突いてしまう。
腕に二人分の体重がかかり…ぽっきり折れた。

「あ、みゃー姉!!」
「…こら…龍ちゃん。女の子に暴力振るったらだめでしょ…。ごめんね。祥子。
 本当は今日、貴女に殺されてあげるつもりで遺書も用意したんだけど命が惜しく
なっちゃった。私のこともう顔も見たくないだろうけど、龍ちゃんが絡まなければ
嫌いなわけじゃないのよ。真直ぐな貴女は。」
右手で彼女を抱きしめる。こんなことするのはいつ以来だか。
「…っ…先輩…賢い人だと思ってましたが…ほんっとブラコン馬鹿ですね…っ。」
彼女は静かに泣いていた。


593 名前:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI [sage] 投稿日:2007/05/16(水) 10:38:58 ID:Vxzs8j1h
白沢龍彦

屋上で包丁を持った祥子さんとみゃー姉が口論している。
なんだこれは…。なんでこんなことに。

メールには、私の一番悪いところをを見せるから、屋上に来て隠れて全て話を
聞くことと書かれていた。

会話の内容に止めなければいけないはずなのに足が動かない。
しかし、みゃー姉が刺されたとき、思考がはじけとんだ。

二回目の刃物での凶行に対し、手加減なしに投げてしまった。
そして、みゃー姉はそれを庇った。庇われなければ下はコンクリートだ。
最悪頭を打って死んでいたかもしれない。

「みゃー姉。大丈夫か!」
「大丈夫…っていいたいけど無理。全然大丈夫じゃないわ。死ぬほど痛いって
 こういうことをいうのかもしれないわね。でも先にこの子を。」
手の中にいる相沢は泣いていた。

「祥子さん…すまない。全部僕の責任だ。殺すなら僕を殺してほしい。」
「そんなこと…できるわけない…でしょ。それよりはっきりして。」
僕は深呼吸して言った。

「本当に嫉妬深くて計算高くて性悪で不器用で抱え込みたがりで真正の馬鹿だけど…
 俺は姉としてじゃなく、女として美弥子が好きだ。」


学校からの帰り道。あれから保健室で応急処置をした後、病院に向かって
歩いていた。後ろに軽い荷物を載せながら。

「この年でおんぶなんて恥ずかしい。」
「みゃー姉。それじゃお姫様抱っこのほうがいいかな?」
「……ごめんね。」
「何が?」
「龍ちゃんの初恋滅茶苦茶にしちゃって。」
「確かにどっかの誰かのせいで恋愛はこれ以上ないくらいに滅茶苦茶にされたけど…」
「けど?」
僕は少し間をあけて苦笑しながら言った。
「初恋は実ったよ。」

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最終更新:2007年11月01日 01:28
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