夜、KING SARUがお見舞いに来てくれた。
たけし「大丈夫か・・・?」
拓真は空元気で縦に首を振った。
だが、あの激突と落下を目撃している分、みんなは怪我の具合を察しているようだった。
今日はみんなの飲み物がビールからコーヒーに変わっていた。
拓真が重たい口を開く。
拓真「大会どうだった?」
りょー「・・・Xが優勝したよ。」
拓真「やっぱそうか。
この天才エースでも敵わなかったんだからな!
ははは笑。」
しゅん「・・・あのさったくま。」
拓真「ん?
何どうした?」
しゅん「たくまがまさか本当に60代までフットサルを続けるとは思わなかったし、今日のプレーだってうちらは誇りに思ってるんだよ。」
なっ、なんだいきなり!?
拓真「・・・うん。」
りょー「でもさ、たくま試合をするたびに必死さが増していって全然フットサルを楽しんでる風には見えないんだ。」
カラ「KING SARUの時は本当に楽しそうにやってると思ったんだけど・・・。」
しゅん「実際たくま、今フットサル楽しい?」
拓真「!!」
そう言われて拓真の体に衝撃が走った。
ここに来てKING TAKUという本格的な自分のチームを持ってからはゴール、そして勝利を獣のように追い求め、スポーツの神髄である「楽しむ」ということを忘れていた。
先日のKING SARUの試合、アベのへなちょこゴールが決まっただけでみんな心の底から歓喜していた。
その時オレはリスタートをしないことにただただ腹を立てていた。
確かに貪欲に勝利を追い求めることは大切だ。
だが、それ以上にオレは大好きなフットサルを「楽しむ」べきじゃなかったのか?
拓真は勝利を求めているうちに一番大切なものを忘れていた。
りょー「せっかく楽しみにこっちに試合見に来たけど、正直苦しそうに見えて辛かった。」
りょーしゅん以外のみんなの表情を見ても、どうやら全員がそう思っていたことが分かった。
カラ「怪我の具合、本当はずいぶんひどいようだし、これからも選手を続けるか分からないけど、これからは肩の力を抜いてフットサルを楽しみなよ!」
KING SARUの拓真に対する想い、そして一生懸命みんなの気持ちを代弁してくれたりょ-しゅんカラに感謝の想いでいっぱいだ。
拓真はまた、今度は昨日以上に泣きじゃくった。
最終更新:2008年06月15日 01:19