370 名前:真夏の祭典【SS】[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 23:51:03.63 ID:U7pU4BnBO [2/2]
※オリキャラ(高坂兄妹の子供たち)登場の未来話です。

「よし、出発だな」
「んじゃ、行くわよ」
「じゃあわたしも行ってきまーす」
「「み、京(みやこ)!!」」
まだ寝ている筈の娘が、俺達の目の前にいた。
「アンタ、何しにいくのよ?」
「ママが私の見てないところでパパとラブラブになりすぎないように監視に決まってるじゃん」
「ア、アンタって娘は」
「京、だけどな今回行くところは俺達二人しか入れないんだぜ。専用の通行証がいるからな」
「通行証って、これでしょ」
京が掲げるそれは紛れもなくコミックマーケットのサークル通行証だった。

話が遅れたが、俺と桐乃はこの夏のコミケにサークル参加する為に出かけるところだった。子供たちには話してなかったんだがなあ


「京、コミケは未成年がうろちょろする場じゃないの。だからおとなしくチケットよこしなさい!」
「中学生で参加してたママが言っても説得力はゼロよ。
それに、私は、遊ぶためだけにコミケに行きたいわけじゃないし」
「ん、それじゃ京は何か他に目的があるのか?」
「だからパパとママの監視、じゃなくてパパとママのサークルの手伝い。
二人が出す本は、別に私が見れないような成人向けじゃないんでしょ。だからお願い、手伝わせて」
「桐乃、京がここまで言うんだ、やらせてやろうぜ」
「わかった、京介がそう思うならあたしも認めることにする」
「ありがとう、パパ、ママ」
「その代わり、今日一日アンタはあたしのしもべとして頑張ってもらうからね。覚悟しときなさい!」
やれやれ、桐乃の口の減らなさは相変わらずだな。まあ何はともあれ親子3人でビッグサイトに向かった。
※※※
電車の中で京が訊ねてくる。
「パパとママが初めてコミケにデートに行ったのはいつだっけ」
「あれはデートじゃないし!あたしを不快にさせた責任を取らせるために、遊びに連れていかせたダケ」
「でも、パパに誘って貰って、ママは嬉しかったんでしょ」
「……嬉しかった。まさか京介がコミケに行こうって言うとは思わなかったから……
だから、あの時はついドアをバタンて閉めたけど、ドアの向こうであたし、とっても嬉しかったの」
「パパやるねえ、この色男!」
「うるせえ」
あれから何年たつんだろうか。楽しかったよな。まあ、祭の後には凄まじいイベントが待ち構えていたが……
「このコミケデートが、パパがママに『大好きだ』って告白するきっかけになったんだよね」
「京、なんでその話を」
「あやせさんが教えてくれたよ」
あやせの奴…でも、そうやって普通に話せるくらいに時は流れたんだよな…
と、俺が感傷に浸る間もなく京はどこからか仕入れた俺と桐乃のイチャコラ話を喋り続け、
俺と桐乃は顔真っ赤にしながら国際展示場駅の改札を抜けたのだった。

※※※
さて、準備も終わって開会。今日はどれだけの人が来てくれるだろうか?
「新刊下さい!」
「ありがとうございます。って、桐(とう)?」
友達と泊まり掛けで遊びに行ってたはずの息子が、俺達の目の前にいた。」
「何でお前ここにいるの?」
「せっかく二人が本出すんだから、一番最初の客になろうって決めてたんだ」
「桐……」
「それに京が一緒に参加するつもりなのを聞いてさ、
京じゃどんなヘマするか分からないからサポートをするつもりなわけ」
「ふん、馬鹿兄貴の世話になんかなりませんよーだ。んべえっ」
「……あのーお忙しそうなところ恐縮ですが、新刊頂けますか?」
「「「「ありがとうございます!!!」」」」

そうそう、今日は東地区のS‐**のaで『実録兄妹婚本』を頒布してるから、よかったら遊びに来てくれ。
俺の最高の嫁と子供たちで歓迎するよ。




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最終更新:2011年08月08日 21:17