214 名前:【SS】シスコン強化のツボ 1/3[sage] 投稿日:2011/08/09(火) 19:00:34.32 ID:3ODlSoRO0
ギシギシとベッドが揺れる。
桐乃が俺の上に跨り俺を攻め立てる。
「ねえ京介、気持ちいい?」
汗をかき強くなった桐乃の芳香と、身体に伝わる桐乃の柔らかさが心地よい。
「ああ。天国にも昇りそうだぜ」
素直に感想を言う。
「もう。大げさなんだから」
桐乃が身体に力を込める。
「んん!それ気持ちいいな。
 もっとやってくれ」
「ふ~ん。京介はきついのがいいんだ」
桐乃が俺に体重をかけながら、耳元で囁く。
「ああ、それくらいがちょうどいい。
 でもよ、おまえは初めてなのにしんどくないのか?」
確か、始めるときに初体験だと言っていたはずだ。
「平気だよ。
 慣れてきたら結構楽しいし」
「そうか。
 おまえ、こういうのの才能もあるのかもな」
お世辞抜きに本当に気持ちがいい。

「知らなかったぜ。こんなにマッサージが気持ち良いなんてな」

八月九日はマッサージの日らしい。
なんでも8(針)9(灸)の語呂合わせなんだとか。
そんなわけで、普段横暴な妹様が、今日は特別と言ってマッサージをしてくれたのだ。
まあ、親父の前に俺の体で試したいって事らしいんだがな。
桐乃に痛めつけられるのは慣れてるから快く引き受けたんだが、予想していたのとは真逆にすげえ気持ちいいぜ。
桐乃のことだから聞きかじりの知識で実践して、こちらが痛がるのもかまわずに「痛いのは効いてる証拠なの!」と言うかと思ってたんだが。
それにしても、マッサージするところを撮っておいて後で確認したいだなんて、相変わらずやる事すべてに熱心だな。

「はい、終わり」
最後に背中をぽんと叩き、桐乃はそう言った。
「おう、ありがとうな。
 だいぶ調子が良くなったぜ」
肩を回しながら礼を言う。
おお!だいぶ後ろまでいくようになってるぜ。
これも桐乃のおかげだな。
それにしても―
「・・・いつまでおまえは俺の上に乗ってるんだ?」
タオル越しとはいえ、腰の辺りに桐乃の柔らかさが伝わってきて危険なんだが。
「なんかあんたって座り心地いいんだよね。
 このまま眠りたくなってくる」
桐乃が俺の上に体重を預けてくる。
止めるんだ桐乃。背中に押し付けられた二つの素敵なお饅頭を目当てに、リヴァイアサンが眼を覚ましちまう。
「あ、そうだ」
桐乃が耳元で囁く。
マッサージのときにもしてたけどよ、無意識とはいえそういうのは止めてくれ。
「次は針を打たないと」
「針はまずいだろ!」
叫ぶと同時に状態を反らし桐乃を落とそうとするが、桐乃はふとももに力を込め、上体は起こしつつも落下を防いだ。
柔らかいふとももで腰をはさむんじゃねえ!
「いいじゃん。あんたの身体なんだし」
「よくねえよ!?それに、どこのツボを打つつもりなんだ?」

215 名前:【SS】シスコン強化のツボ 2/3[sage] 投稿日:2011/08/09(火) 19:00:58.79 ID:3ODlSoRO0
「『シスコン強化のツボ』」
「そんなのねえよ!」
北斗の拳にも退魔針にもそんなけったいなツボでてこんわ!
「ないかな?
 昨日北斗の拳を一気読みして思いついたんだけど」
案の定北斗の拳が原因かよ。
つまり、その思いついたツボを試すために俺にマッサージをしてくれたのか。
まあ、気持ちよかったのは認めてやってもいいし、仕方がないから北斗の拳は恨まないでおいてあげよう。
「大体そんなツボをついてどうするつもりだ」
「んー、そうだね。
 あんたが今以上のシスコンになっちゃったら、一生あたしの下僕にしてあげる」
一生下僕か。
・・・・・・今とそんなに変わらない気がするな。
そんなことを考えていると―
「・・・・・・スキあり!
 『シスコン強化のツボ』!」
突然桐乃が右腰の辺りを圧迫してきた。
どうやらそこが『シスコン強化のツボ』らしい。
くっ!俺は今よりもシスコンになってしまうのか!?

「ねえ、どう!?」
桐乃が俺の上から期待に満ちた声をかけてくる。
・・・・・・当たり前だがどうともないな。
桐乃に向ける感情はいつもの通りだ。
・・・せっかくだからからかってやるか。
「桐乃」
「なに?」

「桐乃が愛しくて、愛しくて、たまらないんだ。
 俺と、結婚してくれ。
 絶対に幸せにしてやるから」

「・・・・・・」
「・・・・・・」
俺の改心の出来のプロポーズに、お互いに無言になる。
自分の事ながら、今のは良かった。桐乃も俺の格好良さに惚れてしまっただろう。
例え相手がラブリーマイエンジェルあやせたんだろうとイチコロだったな。
・・・・・・桐乃の下で寝そべっているのが珠に瑕だが。
「・・・・・・
 『シスコン解除のツボ』!」
「ぐぇ!」
突然桐乃が左腰を圧迫してきた。
「なにしやがる!」
痛くはないが驚いたぞ。
「・・・・・・あ、あんたがキモかったの!」
桐乃が腰をモジモジさせながら言う。
ここからだと顔は見えないが、怒りで真っ赤になっている事だろう。
「お前が俺のシスコンぶりを強化したがったから合わせてやったんだろうが」
相変わらず理不尽だな。
「うっさい。とにかくキモかったの!」
まあ確かに冷静に考えると、妹の尻に敷かれながらプロポーズする兄は、はたから見るとキモイのかも知れん。
「・・・・・・プロポーズっていうのはさ、一生に一度のイベントなんだから、もっとムードがあるところで、
 ちゃんと顔を合わせてするもんでしょ?」
そうだな。だがそうできなかったのはおまえが俺の上に乗ってたからなんだが。
もしおまえが乗っていなかったら、きちんと土下座して頼み込んでたぜ。

216 名前:【SS】シスコン強化のツボ 3/3[sage] 投稿日:2011/08/09(火) 19:01:23.32 ID:3ODlSoRO0
「まあいいや。
 妹にプロポーズしたくなるくらいあんたのシスコンを強化しちゃたあたしにも責任あるし」
おい、まさか本当に秘孔が効いたと思ってるんじゃないだろうな。
「人体実験も終わったし、あたしはこれからお父さんのマッサージに行くから」
桐乃はそう言うと俺から降り、タオルと録画に使ったパソコンを小脇に抱えて部屋から出ようとする。
「・・・・・・なあ、桐乃」
扉に手をかけた桐乃を呼び止める。
「なに?」
「お世辞抜きにマッサージ気持ちよかったぜ。
 親父も満足してくれると思う。
 また今度頼むな」
「・・・・・・気が向いたらね。
 そのときにはあんたをベッド代わりにするけど」
ベッド代わりにされるのは嫌だが、マッサージは気持ちいいから仕方がないな。
まあ、ベッド代わりにされるのは嫌だがな。
・・・・・・嘘じゃないぞ?
「そうかい。じゃあその時はお返しに俺がおまえをマッサージしてやるぜ」
「え?ま、まさか豊胸マッサージ!?
 マッサージって言いながら、一時間も二時間も抵抗しないあたしの胸を揉みしだいちゃうの!?」
桐乃が顔を染め、空いたほうの手で自分の胸に触れる。
「違げーよ!」
というかイヤなら成すがまま揉まれずに、ちゃんと抵抗しろよ!
「そんなこと言うと『ブラコン強化のツボ』を押すからな!」
「はあ?なに言ってんの?
 そんなのあたしに効くはずないじゃん。
 バカじゃないの?」
強化するにも、元がゼロだからですね。わかります。
桐乃はそう言うと、話は終わりというかのように音を立ててドアを閉めた。

桐乃がいなくなったため、身体を起こして動かしてみる。
だいぶ体が楽になった気がする。
桐乃のマッサージは本当に上手いな。
次のマッサージがいつになるかは知らんが、その時が楽しみだ。
出来る事なら毎日でも桐乃にお相手願いたいぜ。
そんなことを考えていたら、突然扉が開いて、桐乃がにゅっと顔を覗かせた。
桐乃はにやりと笑い、

「言い忘れてたけど、さっきのプロポーズの答えは保留にしておいてあげるから。
 本番のときはちゃんと『ムードのあるとき』『自発的に』『顔を合わせて』言わなきゃダメだからね!」

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最終更新:2011年08月11日 15:25