270 名前:【SS】2うへぇ2/1[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 12:44:05.96 ID:d7H5FG4+0 [1/8]
SSなんて書いたことないけどかいてみる
「ちょ、ちょっとあんた!」
リビングのソファーで寝ていると、我が妹様がお怒りの様子で俺に話かけてきた。
「な、なんだよ?」
「あ、あんた、これはどういうこと!?」
「げえ!?」
桐乃がそういいながら俺に突き出してきたのは、俺の眼鏡コレクションのさらに奥、秘境に隠していた桐乃コレクションだった。
なんで、おまえがそれのありかをしってんだよ!?
こわいから聞かねーけどよ。
へたれ? うっせえ、ほっとけや!
「そ、それはあのな?」
「なによ?妹のグッズ集めてハアハア興奮してる変態シスコンバカ兄貴の言い訳なんて聞く時間があるほど、あたし暇じゃないんだけどー?」
「興奮なんてしてねーよ!」
カーッ、可愛くねー!!
夏の1件の時は天使なんて思ったけど、あれは気のせいだったな!
しかし、確かに桐乃のいうことも一理ある。
自分の妹のグッズを買い込んで、ベッドのしたに隠すなんて、それこそ変態シスコンバカ兄貴がすることである。
ここは、ダメ元で説明してみるとするか。
「あのなぁ、俺がこいつを集めてたのはおまえのことが心配だったからなんだぞ?」
「し、心配?」
「ああ、妹のグッズが出てるなんて知ったら兄貴としては気になるだろ?」
「如何わしいものがないかとかチェックしてたんだよ。」
「キ、キモ!妹のこと心配してグッズ買っちゃうなんて、あんた、やっぱりとんでもないシスコンだよね。」
「わ、わりーかよ!」
俺は気恥ずかしくなって、桐乃から目を逸らした。
自分がシスコンなんてことは、とっくに知ってるつーの!
まあ、桐乃も一応は納得したみたいだし、この話はこれで終わりだな。
そんなことを考えていると
「・・・んそう。」
「あ?]
「だ、だからっ、あんたがあたしのグッズを見て、どう思ったのか感想を聞かせろって言ってんのっ!」
「はあ!?」
また、この妹様は答えにくいことを聞いてきやがった。
言えるわけねーだろ!実の妹のグッズ見て可愛くてもだえ死にそうになってました、とかさあ!
ところで桐乃。なんでそんな何かを期待してるような目で俺を見るんだよ。
下手に誤魔化そうとして怒られるのも嫌だし、正直にいうか。
もう、どうなってもしらねーからな!
「か、感想か。じゃあ言うぞ?」
「う、うん。」
「すっげー可愛いと思った!俺の妹って天使だったんだなって思ったぜ!」
「て、天使?」
「おうよ!いや、天使どころじゃない、もはや女神だな!」
「き、キモッ!キモッ、キモッ、キモッ!実の妹に向かって女神とかなにいっちゃってんの!?」
「思ったこといって何が悪いんだよ。おまえが感想を言えって言ったんだろーが。」
「そ、それはそうだけど・・・」
「もう、この際だから最後まで正直にいうぜ。」
「この抱き枕カバーをみたとき、俺のリ○ァイアサンがこれでもかってぐらい反応したぜ!」
「なっ、なっ、なっ!?」
「自分に正直になって、やっとわかったぜ!」
「俺はなぁ、おまえのことが「こっの変態ばか兄貴!グシャッ」ぐへらぁ!!」
なにがおきたか一瞬わからなかった。
ただ、そこには勢いあまって妹に告ろうとして、あやせたん以上のハイキックを妹にくらって無様な死に様を晒す兄貴の姿があった。
あー俺、妹に迫ろうとして拒絶されたんだな。
ふっ、妹よ。今のキック悪くなかった、ぜ・・・。
「・・・・ムードとか気にしなさいよね、全く。また言ってくれるの、あたし、待ってるからさ。」
意識を失う直前、こんなことが聞こえた気がしたが、きっと気のせいだろう。
271 名前:【SS】2うへぇ2/2[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 12:44:53.91 ID:d7H5FG4+0 [2/8]
意識が戻ったのはちょうど夕飯前だった。
親父が帰ってきて、夕飯を食べているときに隣の桐乃をちらっと見ると、まだ怒りが冷めていないのか顔を真っ赤に染めていた。
「ごちそうさまでした。」
十分ぐらいたつと桐乃はそう挨拶し、そそくさと早足で居間からでていってしまった。
はあーっ、また怒らせちまったか。
頭が冷えた今なら自分があり得ないことをしていたことがわかる。
飯食ったら桐乃に謝りにいくか。
「ごちそうさまー。」
五分ぐらいたった後、俺もご飯を平らげて、自室に向かうと階段を昇り終えたところに桐乃がいた。
なんだこいつ、俺のこと待ってたのか?
そんなあり得ない幻想を一瞬でとばし、さっきのことを謝ろうとすると
「あ、あのさ。あたし別に怒ってるわけじゃないからさ。」
へっ?怒ってるわけじゃない?
そんなわけねーだろ。おまえはこの変態兄貴を一刻も早くこの家から追い出したいはずだ。
「ま、まあ確かに?妹のグッズ集めてたり、あのときのあんたのテンションはキモかったケド。」
ほら見ろ、やっぱり軽蔑してんじゃねーか。
俺はこれ以上ないくらい落ち込んでいると
「それよりもあんたがあたしを想ってくれてるのがわかってすっごい嬉しかった。」
桐乃はあのときと同じ笑顔で俺にそう告げた。
心がだんだんと満たされていくのがわかった。
「な、なあ桐乃。」
「い、言いたいことは終わったからっ、じゃねっ!」
「お、おい!」
桐乃はそういうと自分の部屋にいってしまった。
俺が部屋に戻ろうと自室のドアノブをひくと、
「ねえ。」
桐乃がドアから体半分ぐらいだして俺に話しかけてきた。
「なんだ?」
「おやすみ、京介。」
そう告げると桐乃はまた部屋に戻っていった。
へっ、なんだよあいつ。そんなこと言うためにまた出てきたのかよ?
俺は緩む口元を必死に引き締め、桐乃の部屋に向かって告げる。
「おやすみ、桐乃。」
----------
最終更新:2011年08月19日 00:17