453 名前:【SS】俺妹俳句大会[sage] 投稿日:2011/08/19(金) 07:45:17.10 ID:yWdcZw6K0
京介「というわけで、今日は俳句の日だ!」
桐乃「何が、というわけで、よ。いきなり意味分かんないんだけど」
京介「まぁ聞けって。今日8月19日は俳句(819)の日らしいんだ。なら、せっかくだしその記念日にあやかって、俺達もみんなで俳句でも詠んでみようぜ!と、思った次第だ」
桐乃「なんかすんごい突っ込み所が多いんだけど、とりあえず一つだけ言わせて」
京介「お?何だ?」
桐乃「アンタのそんな突発的な提案だけで、どうしてこれだけの人が集まってるのよ!」
烏合の衆「ワアアアァァァァァッ!!」(パチパチ)
京介「さぁな。暇なんじゃね?」
桐乃「ひどっ!何か理由あるから来てるはずなのに、その一言で片づける!?フツー」
京介「まぁまぁ、良いじゃないか桐乃。きっと皆、自分の力作を持ってここに来ているんだろうよ。俳句のな」
桐乃「……そんなの持ち込んで、どうするのよ?」
京介「フッ、知れた事よ!」
ババンッ!
京介『第一回チキチキ~俺の、私の俳句を聞け!~銀河に響く俳句大会ー!!』
烏合の衆「うおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
桐乃「何なのよそれっ!?」(バンッ!!)
京介「いやぁ~、たまにはこういった、みんなでバカみたいに楽しめる企画でもと思ってだなぁ」
桐乃「だからって、完全に勢いだけで企画作っただけじゃん!主旨が見えないもん」
京介「そんなもの、ある訳無いだろ!」(キリリンッ)
桐乃「無いしっ!」
京介「おいおいどうした、桐乃?さっきから理由付けばかり探して。そんなんじゃ楽しめないだろ?もっと肩の力抜けよ~。なぁ?」
桐乃「誰も好きでツッコんでないって!……はぁ、もういい。時間勿体無いから、早く始めなさいよ」
京介「よぉーし!!きりりんのお許しも出たし、スタートしましょう!!」
桐乃(ていうか、なんでコイツこんなにテンション高いわけ?)
京介「ちなみに審査方法と致しまして、我らが妹、桐乃さんに採点して頂きます!」
桐乃「はぁ!?聞いてないし!!」
京介「(スルー)桐乃さんには、1~10まで書かれた点数カードの中から、これ位だろ、と思う得点を上げてもらいます。
ただ、これはぶっちゃけ形だけなので、景品とかは無いです。苦学生の懐事情を知る人なら分かってくれるはず。物欲に負けずに、自己顕示欲だけで頑張りましょう!」
烏合の衆「うおおおおおおおおおおぉ!!」
桐乃「アタシのポジションって一体……」
京介「司会進行は私、世界のお兄ちゃんこと、高坂京介がお送りします!よろしく」
桐乃(あっ、やっぱり司会仕様なんだ、そのテンション) (ホッ)
京介「それでは、最初の方どうぞ~」
かなかな「はぁ~い☆一番目!かなかなイキマース!!」
京介「おおっと!早速インパクトのある人物の登場だ~!かなかなさん、一体どんな名俳句を読んでくれるのか~!?期待しましょう!」
かなかな「うへへ。そんなに期待すんなよな~♪いくら加奈子がすんげぇからって、ちょっち照れっぞ~★」
京介「いいですねぇ~。今日も安心のチョロさです、かなかなさん。そんな彼女が詠む俳句は?」
かなかな「ほい☆」
『あやせがよ いつも埋めるぜ 悪魔かよ』
京介「……お、おぉっと!これはまた……命知らずな一句がキター!!」
かなかな「ふひひ、どーよ?」
桐乃「あのね、加奈子。それ川柳っていってね……」
<0点>
かなかな「0かよっ!?」
京介「一番初めから0点が出た―っ!これは厳しい!今後の波乱が予想されます」
桐乃(え?コレってアタシ、正しいよね……?)
かなかな「ちくしょー、自信あったのによー……って、おい!何だよ!?離せよ!!!」
京介「説明が遅れましたが、0点を出してしまった挑戦者の方には、あちらにご用意させて頂きました、『高坂家の庭』に埋まってもらう事になっております」
かなかな「ふ、フザケンナー!おーぼーだー!!」
京介「ちなみにですね、桐乃さん。今大会のルールと致しまして、俳句と川柳の区別はスルーという事になっていますので。今後の方達には、今の対応は無し!でお願いします」
桐乃「えっ、そうなの!?じゃあ加奈子のも採点し直して……」
京介「いえいえ、かなかなさんはもう既に埋まっておりますので、例外、とさせて頂きます。スペシャルサンクスあやせたんの仕事の早さ、アッパレですねっ!」
桐乃「加奈子ー!ゴメーン!!」
京介「はいはい、サクサクいきましょうねー。次の方、どうぞ!」
浩平「二番目、赤城浩平、詠みます!」
『瀬菜ちゃんは 世界で一番 可愛いよ』
京介「やっぱり予想通りに来ました、このシスコンヤロー!人目なんて気にしない!そんな姿勢にカッコよささえ感じてしまいます。さぁて、妹マスターの桐乃さんは、この一句をどう見るかっ!?」
桐乃「方向性は素晴らしい。けど、具体性に欠けるんだよね~」
<5点>
京介「これはなんと!!妹好きの桐乃さんなら、間違いなく高得点が出ると思いましたが、まさかの5点!妹好きが故に、採点基準が厳しくなってしまった!」
浩平「そ、そんな……。瀬菜ちゃんゴメンよー!」
京介「はい、さっさと退場して下さいね~。……さて、次の方どうぞ~」
あやせ「はい。三番、新垣あやせです♪」
京介「天使キター!!!!!ココで、会場と俺のボルテージがガン上がりです!!これはパラダイスタイムの始まりでしょうか~!?」
桐乃(ドンドンドンッ!!!!!!)
京介「き、桐乃さん。冗談ですよ、冗談……。机を叩かないでね、そして、睨まないでね。……で、では、あやせさん、お願いします!」
『セクハラは 犯罪ですよ お兄さん』
桐乃「その通り」
<10点>
京介「満点かよっ!確かに巧いけど、そこは厳しくみてよ!」
桐乃「言い訳すんな。あやせが正しい」
あやせ「さすが桐乃。お兄さんも、これを機に考えを改めて下さいね」
京介「馬鹿野郎!俺が本気でセクハラするのは、……あやせだけなんだぜっ!!」
桐乃「あやせ!アイツを埋めて!早く!!!」
京介「これも嘘です本当にごめんなさい桐乃さん許してください!!」
あやせ「え~?桐乃~、私、埋めるって何の事だか分からないよ?」
京介「ここでそのリアクション!?」
(数分後)
京介「……お待たせしました。気を取り直して、次の方、お願いします」
大介「……高坂、大介だ」
桐乃「お父さんっ!?」
京介「親父かよっ!?」
大介「な、なんだ二人揃って!!息子と娘の晴れ舞台だぞ。俺が来なくてどうする!母さんも客席で応援しているぞ!!」
京介「高坂家が揃い踏みとは、ちょっと恥ずかしいな。……ですが、そんな大介さんが、どんな俳句を詠むのでしょう。気になります。それでは、お願いします!」
大介「うむ」
『愛娘 優しき笑顔 輝けり』
大介「季語は無いが、これが俺の素直な気持ちだ……」
桐乃「お父さん……」
<10点>
京介「パパデレTUEEEEEEEEEEEEEE!!家族愛も相まって、納得の満点だぁー!!しかし私には、息子の立場として少しの寂しさもあります。が、ここは美しい親子愛に、拍手を送りましょう!」
(パチパチパチッ)
京介「それでは、場も綺麗にまとまってきた所で、次の方をお呼びしましょう!」
黒猫「……く、黒猫よ……」
京介「恥ずかしそうに登場したのは、桐乃さんの友人、黒猫さんだー!! 普段はいがみ合いつつも、深層心理では認め合っているこの二人なら、きっと高得点も容易いはずです。期待しましょう!」
黒猫「か、勝手にハードルを上げないで頂戴!……まぁいいわ、これを見なさい」
『メルルより マスケラ見なさい 愚民共』
桐乃「メルルディスんな!!」
<ー10点>
黒猫「ちょっと!マイナスって何よ!?」
京介「おおっと!これは桐乃さん、10点カードに自らマイナスを書き込む『俺ルール』を発動してきたー!さすがはきりりん、そんな姿にしびれる、あこがれるぅぅ!!」
黒猫「貴方も馬鹿な事言ってないで、妹の身勝手な振る舞いを正しなさい!」
京介「ちょっと待って下さいねぇ、今、大会ルールを確認しますからねぇ。……あぁっと、すみません。ここには『基本的にルールはきりりんルール』と書いてあります。なので、このマイナスは成立します」
黒猫「何よそれ!これこそ横暴だわっ!!」
京介「でも、ご安心下さい、黒猫さん。埋められるのは0点の方のみ。まさかマイナスが出るとは思ってもみなかったので、そちらは対象外となります」
黒猫(ホッ)
京介「代わりに、あちらにある、『妹グッズしかない妹部屋』へご案内しま~す!」
黒猫「余計にカオスな場所じゃない!!」
桐乃「はぁ?超パラダイスじゃん。早く行った方が良いよ。マジ楽しいから☆」
黒猫「そんな訳無いでしょう!そもそも貴女がマイナスなんて出すから……」
京介「はいは~い。時間も無いですから、移動をお願いしますね~。……さて、大会も大詰めです!次は誰が出てくるのか?お願いします!」
バジ「真打ちは、遅れて登場するでござるの巻、にん@ω@!」
京介「ここで黒猫さんに続き、桐乃さんの友人、沙織・バジーナさんが登場しました!一体、どんな俳句を詠むのか?楽しみです」
バジ「拙者、埋まる趣味はありませんからな。素直にいきますぞ~」
『みんなとの 楽しい時間 いつまでも』
桐乃「沙織、アンタ……」
京介「沙織……」
沙織「せっかくの機会ですから。普段言えない事を、と思いまして……」
桐乃「……バカじゃん……」
<10点>
京介「出ました、10点!!でもこれは、異論が無い満点でしょう!ぶっちゃけ私も、採点できたら満点を出したい気分です!」
桐乃「……あのさ、沙織」
沙織「はい、どうしました?きりりんさん」
桐乃「……アタシも、そしてきっとアイツも、……同じ気持ちだから、ね」
沙織「!!……はい!」
桐乃(いつもありがとね、沙織)
京介「会場も、不思議な温かさで満ち溢れてきました!これだけでも、この大会を催した甲斐があったというものですね。それでは、この素敵な流れを残したまま、次の挑戦者を呼びましょう!」
瀬菜「赤城瀬菜です。よろしくお願いします」
京介「なんでこの順番なんだよ!?空気がブッ壊れるだろっ!!」
瀬菜「高坂先輩ヒドい!何でそんな事言うんですかっ!?」
京介「言うしかないだろ!というか、言う必要も無いだろ!この後の展開なんてっ!」
瀬菜「そ、それはやってみないと分からないじゃないですか!」
京介「んじゃ、見してみ?」
『攻めと受け この世はガチムチ 三すくみ』
京介「お前帰れよ!!」
瀬菜「採点も無しにっ!?ヒドすぎる!!!」
京介「ったく。仕方ねぇな。桐乃さん、採点をお願いします!」
桐乃「う~ん。目の付け所は、悪くないから」
<6点>
瀬菜「おおっ!さすが桐乃ちゃん!!」
京介「お、お前までコイツに毒されたのかっ!?」
桐乃「んー、全部妹に変換すればアリじゃん?」
京介「こっちも飛び抜けてたっ!!」
京介「……さて、お送りしてきました俳句大会も、ついに大詰め!次の挑戦者で最後になります!」
桐乃(結局、最後までこのテンションだったわね、コイツ)
京介「その最後の挑戦者は……………この俺だっ!!」
桐乃「えええっ!?アンタ司会じゃないの!!」
京介「今までは、な。だが、最後はやはり、俺の気持ちを詠んで終わりたいんだ」
桐乃「ふーん。まっ、いいけど。で?アンタの分も、アタシが採点するわけ?」
京介「そうしてくれるとありがたいな」
桐乃「眼鏡推しだったら、容赦なく0点出すから」
京介「推さねぇよ!つうか、マイナスより0点で埋めるのを目的にしてるだろっ!?」
桐乃「だってマイナスで妹部屋行ったって、既にシスコン極めそうなアンタじゃ意味無いじゃん」
京介「極めそうなの、俺!?」
桐乃「あー、もぅさっさと一句詠みなさいよ。聞いてあげるから」
京介「ぐぬぬ、コイツさっきまでの俺の暴走(?)を根に持ってやがるな……。よし!見てろよ、これが俺のとっておきだぜ!!」
『妹婚で ゴール決めるぜ シスコン道』
京介「フッ、どうよ?俺の力作。この妹婚(まいこん)と、シスコンは、読みで変換可能な所が特にオススメでな……」
桐乃「……キモ」
京介「ぐっ!!」
桐乃「ったく。最後に格好良く決めるかな~?とか思ったら、結局いつも通りのシスコンっぷりじゃん。あーキモいキモい、このシスコンマジキモーい」
京介(い、いかん!こればかりは事実なだけに、言い訳できない……)
桐乃「もうキモ過ぎて採点する気にならないから……、最後はアタシも俳句で返してあげる」
京介「もはや全部、川柳だけどな」
桐乃「うっさい。そういうルールなんでしょ?じゃあ、いいじゃん」
(カキカキ……)
京介(何だかんだ言って、楽しそうにしてんじゃねぇか。多少はしゃぎ過ぎたけど、桐乃も楽しんでるみたいだし、この企画は成功、かな?)
桐乃「はい……コレ」
京介「!?」
桐乃「ちゃんと、頭に入れておきなさいよね!!」
京介「フフッ。分かったよ」
桐乃「えへへ」
『最後まで 責任とってね バカ兄貴』
最終更新:2011年08月22日 11:36