852 名前:【SS】ハニー?な兄妹[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 11:00:43.27 ID:KjJaQObn0 [2/2]
『ハニー?な兄妹』
~とある昼下がり~
京介(コンコン)
桐乃「ハァ~イ…………(ガチャッ)……アンタか。何?」
京介「ちょっと時間いいかい?ハニー」
桐乃(バタンッ)
京介「ちょっ!?開けて!俺と話をしてくれ、ハニー!!」
桐乃「……(ガチャ)……なんなの?ふざけてんの、その口調?」
京介「俺はいつだって本気だぜっ!(ニカッ☆)」
桐乃「………(スススッ)」
京介「待って!閉めないでっ!ちゃんと説明するからっ!!」
桐乃「……はぁ。まぁいいわ。入んなさいよ」
桐乃「……ハニーの日?」
京介「そう、今日8月21日は、語呂合わせで、ハ(8)ニ(2)ィ(1)の日だそうだ」
桐乃「そんなの聞いた事ないんだけど?」
京介「俺もさっき知ったばかりだ。何処ぞのシスコンな友人から教えてもらってな。聞く所によると、女の子から『ハニー』って呼ばれたい!という同志達が、自発的に制定しようとしているらしい」
桐乃「って事は、実際には無いワケ?」
京介「まぁな。でも赤城は、『瀬菜ちゃんがそう呼んでくれる日まで、俺は制定を諦めない!』って言ってたわ」
桐乃「ふーん。せなちーのお兄さんって、シスコンレベルがアンタに近づいてるんだ」
京介「俺を高レベルシスコニストっぽく言うなよ!」
京介(というか、赤城のシスコンっぷりって、桐乃が知る程に有名なのか……)
桐乃「高レベルじゃなくて、マスターでしょアンタは。妹の部屋に来て、ハニー♪って呼んでるのが動かぬ証拠じゃない」
京介「ぐっ!!それは確かに……」
桐乃「まぁ、シスコンっぷりは今に始まった事じゃないし、それ位なら別にいいけどォー。こんな恥ずかしい姿、妹のアタシくらいは許してあげなきゃいけないしィ~」
京介「何、急にニヤニヤしてんの、お前?」
桐乃「なっ!?そんなことないしっ!?ニヤニヤなんてしてないしっ!!」
京介「ふーん。まっ、別にいいんだけどよ」
桐乃「ふんっ!」
京介「話を戻すと、俺がここに来たのは他でもない。その『ハニーの日』とやらを聞いた俺は、せっかくだし桐乃にハニーと呼んでもらおうと思ったワケだ」
桐乃「は、はあぁっ!?何、その超理論!!」
京介「いやー、俺も『アンタ』とか、『兄貴』とか、『京介』とか呼ばれてるけど、ハニー、なんて呼ばれてみたら、きっとちょっとは嬉しいわけよ。無理を言ってるのは分かるが、せっかくの機会だし、ここは兄孝行だと思って、な?頼むぜ、桐乃」
桐乃「い、いきなりそんな事言われてもっ!!こ、心の準備がっ……!!」
京介「そんなに畏まらなくていいからよー。チャチャッ、と呼んでみてくれよ~」
桐乃(ムッ!)
(ペシッ!)
京介「あいたっ!……ったく、いきなり叩くなよなぁ?」
桐乃「うっさい!喋んな。ムカツク。バカじゃん」
京介「何だってんだよ……」
京介(相変わらず表情がコロコロと変わるな、コイツは……。でも今回は、こっちにだって考えがあるんだぜ?)
京介「まぁ、なんだ。その様子じゃあ、桐乃は俺をハニーとは呼んでくれない、というわけか」
桐乃「ヤダ。ゼッタイ呼ばない」
京介「でもな、桐乃?お前はこの前言ってくれたじゃないか。『アタシが京介の一番じゃなきゃイヤだッ!』ってよ」
桐乃「っ!?」
京介「あの言葉、俺は内心嬉しかったんだぜ。今まで気付けなかった、桐乃の気持ちをちょっとだけだが理解できた気がしてよ」
桐乃「……」
京介「だからさ、今の俺は桐乃を一番に考えてる。まだまだ不完全かもしれないが、出来るだけお前の期待に近づけるよう、やっていくつもりだ」
桐乃「……そう、なんだ。……嘘じゃ、ない、よね……?」
京介「当たり前だ。なんたって俺は、シスコンだからな」
桐乃「バカ。……フフ」
京介「ハハハッ。 だから、っていうのもちょっと変だけど、俺は一番大切にしてる桐乃に、一度でもいいから『ハニー』って呼んでもらいたいんだよ。これからずっとって訳じゃない。一回でいいんだ」
桐乃「……」
京介「無茶は承知だが、ダメ、かな?」
桐乃「…………分かった。アンタがそこまで考えてるんなら、いいよ」
京介「ホントかっ!?サンキュ~」
桐乃「で、でも、一回だけだからねっ!」
京介「おう、それで充分だ!」
京介(おっしゃあ!誘導成功っ!!)
桐乃「(スゥ……ハァ……スゥ……ハァ……)」
京介「(ドキドキ、ワクワク)」
桐乃「ハ…………ハ……………」
京介「……(ゴクリ)」
桐乃「ハ…………ハムスター」
京介「ふざっけんじゃねー!!げっ歯類呼んでどうすんだよっ!!」
桐乃「しょ、しょうがないでしょ!いざ言おうとしたら、なかなか言えないんだもんっ!!」
京介「はあぁー……。もっと肩の力抜けよ。フレンドリーな挨拶みたいなものだろ?」
桐乃「なっ!? じゃあ、まずはアンタが手本見せなさいよっ!」
京介「え?別にいいよ、ハニー」
桐乃「ふぇ!?(カアアアァァ……///) って、違う!そんな適当な響きじゃなくて、もっとこう、魂を込めてっ!!」
京介「そんな事言われてもなぁ……」
桐乃「そうだ!ちょっと待ってなさい!アタシが今から台本書いてあげるから、それを読んで。思いを込めてね!」
(カキカキカキ)
桐乃「はい。コレ読んで」
京介(しかたねぇな。これも桐乃からハニーと呼ばれる為の道程だ。いっちょ本気で読んでみるか)
桐乃(ピッ)
京介(↓)
『きりりんマジハニー!!
よく俺の妹に生まれてきてくれたね☆
運命に感謝しなきゃ♪
すごく大切な存在だよぉ~。
結婚しても、し足りないくらいに、ね!!
大天使すぎるよ、ホント……。
好き過ぎて、お兄ちゃんバーニング寸前っ!?
きりりんマジスーパーハニー!!』
桐乃「(ピッ)……ふん。まぁまぁじゃん///?」
(バンッ!!)
京介「お前の中での俺の人格は、一体どうなってんだよ!!?」
桐乃「今のセリフ通りじゃん」
京介「クレイジーにもほどがあんだろ、チクショー!!」
桐乃「うへ、うひひ、キモキモキモー!!ダメだって、シスコン過ぎるってぇ~」
京介「ぐぬぬ……。妹様がご機嫌で、お兄ちゃんは嬉しいよ……」
桐乃「……………ふぅ」
京介「落ち着いたみたいだな。じゃあ今度は、俺のターンだぜ。 俺はちゃんと要望通り、お手本を見せたぜ。今度はお前の番だろう?」
桐乃「げっ……」
京介「ほれほれ~。ハニーと言ってごらん?」
桐乃「ち、調子に乗って……」
京介「何とでも言え!こう見えても、ここぞという時は押しに定評のある男なんだよ、俺は」
桐乃「ぐ……。……しかたないか」
京介「(ニヤニヤ)」
桐乃「ハ……ハn……はに……」
『……ハニー』
京介「……え? 悪い、声小さかったから良く聞こえなかったわ。もう一回言ってくんね?」
桐乃「っざけんな!バカッ!!」
(ドゲシッ!!)
京介「うごっ!!」
桐乃「サイアクっ!ちゃんと言ったのに!!出てけ、バーカ!ベーッだ!」
(バタンッ!!)
~数分後~ 京介の部屋
京介「おーイテ、相変わらずイイ蹴り持ってやがるぜ……」
京介(それにしても、あんなに顔を真っ赤にしてでも言いたくないもんかね?よく分からんヤツだ)
壁(ドン!ドン!!ドン!!!)
京介(うおっ!!びっくりした~……)
京介「あんだよー桐乃!?」
壁(ドン!ドン!!ドン!!!)
京介「だから、どうしたんだよ?用でもあるのか~!?」
壁(ドン!ドン!!ドン!!!)
京介「(ドンッ!)うるせーな!いきなり何だってんだっ!?」
(ガチャ)
(バタンッ)
(スタスタスタ)
(ガチャ)
桐乃「人がせっかくハニーって言ってるのに、何で気づかないワケッ!?」
京介「壁ドンで表現されても気付かねーよ!!」
そんな高坂家の1ページ――
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最終更新:2011年08月22日 11:59