657 名前:フライング【SS】[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:18:27.68 ID:31Y7H6wDO [1/3]
ボルト、フライングでまさかの失格。どうしてこうなった……

「なあ、桐乃。一発で失格って、どうなんだよ」
「あたしに言われても。でも、これがルールなわけだし」
俺だけじゃない。スタジアムで、テレビで見ていた多くの人が、そう思ったに違いない。
「でも、フライングってしないに越したことはないでしょ」
「そりゃそうだけどさ」
「ボルトだってやりたくてしたわけじゃない。でもフライングが一発失格なルールは分かってるわけだし、
だからこそ選手は皆フライングしないように気をつけるわけだし、
残念だけど、これはボルトの自己責任としか言えないと思う」
なるほどな、陸上をやってる桐乃だから言える言葉だった。俺もそれで納得しようとした。が、

※※※
「フライングって、ホントいけないんだから」
突然声を上げる桐乃。
「なんだよいきなり」
「思い出したの。フライングの悪い例をいろいろとね」
「なんじゃそりゃ?」
「例えば、付き合ったばかりの女の子の胸を揉もうとしたり、そもそも付き合ってもいない妹の友達に結婚してくれと言ったり、
フライングにも程がある馬鹿兄貴のことを思い出したの!!」
まさかの展開に慌てる俺。てか、なんでそのことを知ってるの?
「桐乃、それはだな…」
「うっさい、これからあんたのことをフライング野郎って呼ぶから」
いつかのカリビアン(ryほどではないにしてもあんまりな言われようだ。
このまま言われっぱなしではマズイ。何か反撃のネタはないだろうか?
へへっ、あったぜ!!

※※※
「桐乃、人のことフライング野郎とか言う前に、自分のフライング行為を反省したらどうだ?」
「何の話?」
「こないだの人生相談の時にさ、俺奪われちゃったんだよね、お前にファーストキスを」
「ハア?何寝ぼけたこと言ってるの?」
「寝ぼけてたのはお前だけどな、いきなり『みやびちゃーん』とか言って、俺の唇を奪ったんだぜ」
ニヤッと笑いながら俺は言ってやる。
「あ、ああ……」
あの時のことを思い出したのか、桐乃の顔がみるみる紅くなっていく。
「桐乃のフライングだよな。妹に俺の初めてを奪われちまったんだぜ」
「ち、違うし、あれはみやびちゃん相手だったし…」
「でもさあ、実際に桐乃の唇が触れたのは、みやびちゃんじゃなくて俺の唇だぜ」
「ぐぬぬ……」
いい気味だぜ。これでフライング野郎呼ばわりされた分の仕返しは済んだな。そう思ってたんだが

※※※
「あの時のキスがノーカンってことにすればいいんでしょ。それでフライングじゃなくなるわけだし!」
「へっ??」
俺がその言葉の意味を理解する間もなく

「京介、好きだよ」

俺は再び、桐乃に抱きしめられると、唇を奪われた。
柔らかく、温かい唇の感触があの時よりも長く、はっきりと伝わってくる……

「……これで、フライングじゃなくなったからね」
桐乃がそう、呟いた。俺は、桐乃が愛しくて愛しくてもう、たまらなかった。だからこう言った。

「桐乃、俺の嫁になってくれ」


頷いてくれた桐乃に俺は、早速おっぱい触らせてくれと言ったわけだが
その後どんな目にあったかは、気が向いたら話すことにするよ。




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最終更新:2011年09月03日 06:07