148 名前:【SS】きりりんマスター京介氏[sage] 投稿日:2011/09/06(火) 10:06:37.14 ID:cjhrELn+0
『きりりんマスター京介氏』



沙織「レディース&ジェントルメン!今宵はお集まり頂きまして、誠にありがとうございますでござる!皆様が待ちに待った今日この日、

『妹の日』にスペシャルイベントをやるでござるよーっ!?」
一同「うおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!」
沙織「みんな、妹は好きか―!?」
一同「おぉう!!」
沙織「その気持ちを表現するなら……」
一同「愛してると言ってもいいー!!」
沙織「うむ、良いテンションでござるなぁ。それでは早速、宴を始めましょうぞっ!!」
(ジャン!!)

『第一回妹マスターロワイヤル』

沙織「そう、今日は何と言っても妹の日ですからな。そして妹といえば、当然きりりん氏。そんな世界の妹オブ妹であるきりりん氏を、一

番分かっているのは誰か!?というのを、決める大会を催したでござる!」
一同「キタアアアアアアアアアアアアァァァァァッ!!」
沙織「会場の熱気も最高潮に達した今、みんな大好きな、そして今宵の主役であるきりりん氏に御登場願いましょう。きりりん氏、どうぞ

~!!」
桐乃「……あっ、えっと、きりりんです。……よろしくね」
一同「きりりーん! き、きりーっ、キリリーッ!! キリーッ!!」
桐乃「うげぇ!……ねぇ、沙織。このテンションやばくない?」
沙織「大丈夫でござるよ、きりりん氏。ここに集まっているのは、紳士淑女の皆さんですから、純粋にきりりん氏への愛情が、雄叫びに変

わっているだけでござる」
桐乃「じゃ、じゃあ、そういうことにしておく……」
沙織「さて、今宵はここにいるきりりん氏の最大の理解者、言い換えれば、妹界の女神・きりりん氏を知り尽くした『妹マスター』と呼ば

れる人を決める大会。そんな素晴らしい大会にエントリーして下さったのは、この三人でござるっ!!」
京介「ど、どーも。高坂京介です」
黒猫「……く、黒猫、よ……」
あやせ「皆さん、はじめまして。新垣あやせです」
沙織「京介氏、黒猫氏、あやせ氏の勇者三人が来てくれました~。ドンドン、パフパフ~♪」
一同「ゴゴゴゴゴ!!(それぞれの蠢く歓声)」
京介「うわっ!なんかスゲー空気だな、おい!」
黒猫「まさに獣の晩餐、ね」
あやせ「いざという時は、お兄さんを囮にして、私が桐乃を助けます!!」
京介「出始めから怖い事言うなよなっ!」
沙織「えー。では、早速大会本番に移りたいと思います。あっ、言い遅れましたが、今宵の司会進行は、身長も胸のサイズもワールドクラ

ス!メガネッ娘属性花丸な拙者、沙織・バジーナがお送りします! ちなみに拙者も、妹キャラですぞ!!」
京介「えらく自己主張の強い司会がいたもんだな」
桐乃「アンタだって、どうぜ自分が同じ立場に立ったら、変なテンションになるんでしょ?『世界のシスコン・京介』とか言ってさ」
京介「言わねーよっ!!なんで自分からシスコンっぷりを自慢すんだよ!?」
桐乃「はん。どーだかぁ。アンタのシスコン具合はハンパじゃないしぃ~」
京介「ぐぬぬ……」
桐乃「まぁ、そんなアンタなんだからさ……」
京介「……?」
桐乃「……ちゃんと、勝ってみせてよね」
京介「……おう」
沙織「さて、何処ぞの兄妹が甘い雰囲気になってきたので、第一回戦に移りますぞ~。きりりん氏は、あちらにご用意した特別席の方で、

勝負の行方を見守っていて下され。……はい、それでは最初の対決は、コチラ!」


『きりりんクイズ』


沙織「主旨は簡単、拙者が読み上げるきりりん氏に関するクイズを、早押し形式で答えていくものでござる。一問毎に1ポイント割り振ら

れますぞ」
京介「へへっ、これならいけるだろ」
黒猫「正直、私はこの大会自体に興味はないのだけれど、賞品には少し興味があるから頑張るわ」
京介「えっ?何、コレ賞品出んの?」
黒猫「……呆れた。そんな事も知らずに参加したの?本当に、どうしようもないシスコンね」
京介「うるせぇ」
黒猫「ほら、ちょうど沙織が賞品について説明しているわよ」
沙織「……で、今回の賞品ですが……ヌフフ、妹の日の特別仕様、『きりりん氏と妹の日満喫券』でござる!」
一同「SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」
京介「それは、賞品としていいのかっ!アイツそういうの納得しないだろ」
黒猫「まぁ、私達3人の中の誰か、という事だから、あの女も納得したのでしょう。それよりももっと興味深いのは……」
沙織「この満喫券の凄さはまだまだ続きますぞっ!!何と、この券を持っていれば、妹の日限定ではありますが、『基本的に何でもしてOK

』という特典が付与されます」
京介「な、なんだってー!?」
沙織「もちろん、きりりん氏が渋々了承できる範囲まで、ですぞ。あまり破廉恥な事は対象外になりますから、ご注意を。京介氏」
京介「何故、俺に限定するのっ!?」
沙織「え、それは……まぁ」
黒猫「当然ね」
あやせ「通報する準備は出来ています」
桐乃「……ふん」
京介「俺、早くも帰りたいんだけどっ!!」
沙織「とまぁ、そんな素敵なチケットがこの三名の誰かに送られるわけですから、テンションも上がるというものでござろう。それでは、

長くなりましたが第1回戦を開始しますぞっ!」
京介「こうなったら、意地でも勝ってやる!」
黒猫「ククク、勝ったらあの女にマスケラの良さを……」
あやせ「(桐乃とデート桐乃とデート桐乃とデート桐乃とデート桐乃とデート桐乃とデート桐乃とデート桐乃とry……)」

沙織「第1問!」

 『きりりん氏が大好きな星くず☆うぃっちメルル、そのメルルのヒロイン…』

京介「ハイッ!」 <ウヘェ-
沙織「はい、では京介氏!」
京介「赤星める!」
「ブッブー」
京介「えっ!?違うの!?」
沙織「問題は最後まで聞かないといけませんぞぉ~」

 『である赤星めると一緒にいる使い魔の名前は?』

黒猫「こめっとくん」<ポーン
「ピンポンピンポーン!」
沙織「はい、黒猫氏にポイントが入りましたぞ~」
京介「そっちか~」
桐乃「……バカ」

沙織「続いて第2問!」

 『きりりん氏を始め、若い女性に人気のブr』

あやせ「エターナルブルー!」 <ポーン
「ピンポンピンポーン!」
沙織「これは早い!あやせ氏に1ポイントです!」
京介「早すぎだろっ!!」
あやせ「アニメに関してはお二人に負けますが、モデル関係なら断然私の方が有利ですから。負けません!」
京介「というか、さっきから気になってたんだが、何で俺のボタンだけ、音が違うんだ?」
沙織「仕様でござる。それでは、第3問!」
京介「もう少し俺に優しく接してくれよ、みんな!」

 「公表されているきりりんのスリーサイズは?」

あやせ「上から、82、54、81!」 <ポーン
「ピンポンピンポーン!」
京介「なんでお前はそんなに知ってんだよ!?」
あやせ「何言ってるんですか、こんなのモデル仲間なら基本的な事ですよ?」
京介「……じゃあ、加奈子のスリーサイズ言ってみ?」
あやせ「……テヘッ☆」
京介「偏ってんじゃねぇか!」





黒猫「きりりん@さっきからとなりのバカがうざい件」 <ポーン
「ピンポーン!」

あやせ「白とピンク!」 <ポーン
「ピンポーン!」
沙織「おおっと!これで、黒猫氏とあやせ氏のポイントがまた並びましたぞっ!」
京介「蚊帳の外過ぎるぜ、俺。ぐぬぬ」
桐乃「何がぐぬぬよ!ちょっとアンタ、何やってんの!まだポイント取れてないじゃない!やる気あんのっ!?」
京介「しょうがねぇだろ、二人が早すぎるんだって」
桐乃「こんなの全部サービス問題ばっかじゃん!こんな所で躓いてたら、マスターなんて遠すぎるって―の!気合い入れ直しなさい!!」
京介「わーったよ」
沙織「それでは、1回戦も最後の問題ですぞ!難易度も少しだけ上がります」

 「きりりんがプレイ済みの妹モノのゲームを、5つ答えなさい」

黒猫「……くっ」
あやせ「これは……」
京介(これは、いける!!) <ウヘェ
沙織「はい!それでは京介氏!」
京介「妹×妹~しすこんラブすとーりぃ~、真妹大殲シスカリプス、妹たちとあそぼ、最終兵器妹、妹と恋しよ♪ どうだ?」

「シスコンシスコーン!!」

沙織「京介氏、正解でござる!」
京介「ていうか、正解時のSEまで嫌がらせかよっ!」
あやせ「悔しいですが、この問題は変態鬼畜野郎なお兄さんに譲るとしましょう」
黒猫「妹がプレイしているエロゲーを覚えているなんて、シスコンもここに極まったわね」
京介「俺は桐乃に勧められてプレイしたから、覚えてるだけだかんな!」
桐乃「このシスコンまじキモーい」
京介「お前、俺を応援してるんだよなっ!?」


『きりりんエピソード』


沙織「さて、続いて第2回戦に移りますぞ!ここからは知識だけじゃなく、きりりん氏との絆も試されますので、気を引き締めて挑んで下

されっ!」
京介「このまま終わったら、俺は二度と家の敷居を跨げない気がするからな。全力で行くぜ!」
沙織「2回戦の内容は……きりりん氏との思い出エピソードで競って頂きます。
    審査基準は、審査員が『これはインパクトがある』と思った度合いを数値化し、採点いたしますぞ。それでは、審査員の方に登場して

もらいましょう、にん!」

かなかな「みんな~、かなかなで~す♪よろしくねぇ~☆」
一同「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォッ!!」
沙織「審査員は、大きなお友達に大人気、かなかな氏でござる~!ここでまさかの登場で、会場の一部の熱気が、異常な盛り上がりを見せ

ております!」
京介「あのちびっ子の登場か。ということは……」
桐乃「ひゃっほーぅ!かなかなちゃんまじ天使ー!!」
京介「はぁ、予想通りか」
かなかな「今日はー、桐乃ちゃんとのエピソードを~、採点させてもらうね~★テレビの前のみんなもぉ~、いっしょに楽しんでねぇ~!


京介「アイツ、徹底的に演技してやがるな」
あやせ「加奈子が、審査員か……」
沙織「あの~、かなかな氏?残念ですが、テレビ放送はされていませんぞ?」
かなかな「えっ?うそ?マジで!?」
沙織「内容が内容だけに、この会場の中で盛り上がろう!というのが主旨なのです」
かなかな「……んだよー!んじゃ、別にコビ売らなくてもイイじゃんかよ~。あー、ネコかぶって損した」
京介「って、露骨に豹変し過ぎだろ!これじゃ会場のファンが……」
桐乃「ひゃっはー!かなかなちゃんやさぐれカワイイ~♪」
京介「あぁ、信者ってこういう感じなのか……」

かなかな「んで、加奈子は何すればいいのよ?」
沙織「これから、あちらの3人がきりりん氏とのエピソードを順に語っていきますから、それを採点して下さればよろしいかと」
かなかな「そんなんでいいの?超ラクショーじゃん!」
沙織「では、かなかな氏の了承も取れたので、2回戦開始でござる~。まずは、かなかな氏やきりりん氏と仲の良い、あやせ氏からどうぞ

!」
あやせ「では、私と桐乃の、愛のエピソードを一つ」
京介「愛の、って……」
あやせ「以前、私と桐乃は、ある事情で喧嘩をしてしまいました。それはとても辛いもので、もう桐乃と話す事も出来なくなっちゃうんじ

ゃないかって、本当に不安で、泣きそうにもなりました」
桐乃「……………」
あやせ「でも、その時桐乃はこういってくれました」

「あやせの事もエロゲ―と同じくらい好き」

あやせ「きっとその言葉は、桐乃が言うからこそ、何よりも説得力があり、私を本当に大切にしてくれている、そう感じられる一言でした

。桐乃の本心を聞いて、私達は仲直り出来て、それまで以上に仲良くなれました」
桐乃「あやせ……」
あやせ「一時は本当に嫌な思い出にもなりましたが、今では最高の思い出です!大好きだよ、桐乃!」
桐乃「……うん!アタシも!エヘヘ」
沙織「これは……諸事情は知っていたものの、当の本人達を目の前にして聞くと、こう、胸が熱くなってしまいますなぁ~。グスン」
京介「あやせも桐乃も、良い笑顔しやがって……へへ」
黒猫「……………」
京介「どうした?友達をとられたみたいで、悔しいか?」
黒猫「な、何を言っているの!?そんな訳無いでしょ!下等な人間風情が、不器用に馴れ合っているのを見て、言葉を無くしていただけ、

よ……」
京介「ふーん。そっか」
黒猫「……その締まりの無い顔、やめてもらえるかしら?」
京介「へいへい。悪かったよ」
黒猫「まったく……」
沙織「さて、心温まるエピソードを聞かせて頂いた後は、運命の採点タイム!このエピソードを、かなかな氏はどう判定するのでしょうか

?」
かなかな「うっへぇ。あん時、そんなきめぇコト思ってたのかよ」
あやせ「!?」
桐乃「加奈子っ!?」
かなかな「ダチの趣味聞いただけで、喧嘩とか、マジきめぇ」
あやせ「加奈子……(ユラリ)」
かなかな「マジきめぇ、けど、それでもダチだかんな」

『70うへぇ』

かなかな「加奈子をハブいた分、減らしたかんな!今度は加奈子にも、ちゃんと言えよな!」
あやせ「加奈子……(フシュゥ)」
桐乃「うん!分かってるって!」
かなかな「ふん!」

沙織「出ました!70うへぇ!さっそく高得点でござる!」
京介「アイツ、相変わらず男前じゃねぇか」
京介(桐乃は、良い友達に恵まれたな)

沙織「さて、次は黒猫氏の登場です!個人的な意見を言わせてもらいますと、この黒猫氏のエピソードは気になるところ。高得点も狙える

のでは、と思っております」
黒猫「あ、貴女がハードルを上げるのはおかしいでしょう!そんな大層なものではないわよ」
沙織「いやしかし、拙者は黒猫氏を応援しておりますぞ!」
黒猫「ふ、ふん!勝手にしなさい」
京介(桐乃の表の友達、そして今度は裏の友達、か。これはどうなることやら……)

黒猫「私は、さっきのスイーツ2号のようにはいかないわよ」
桐乃「はっ?アンタなんでいきなり喧嘩腰なワケ?」
黒猫「別に喧嘩腰ではないわ。ただ、私にはさっきの低俗な話が不快だったから、崇高な気分を取り戻したいだけよ」
桐乃「……はは~ん。なに、もしかして?アンタさっきのあやせの話に、ヤキモチ焼いてるワケ~?」
黒猫「なっ!?いきなり何を言い出すのっ!?」
桐乃「なるほどねー。アンタぼっちだから、さっきの話聞いて寂しくなったんでしょ~?ねぇ、今どんな気分?ねぇねぇ?」
黒猫「くっ……、そうやっていつもいつも、私の気分を逆撫でして……」
桐乃「顔真っ赤wwwwwうぇwwwうぇwww」
黒猫「……いいわ。折角の機会だから、この際正直に教えてあげるわ。貴女も、その軽そうな頭にちゃんと記憶しておきなさい」
桐乃「ムッ。いつになく強気じゃん。いいよ、聞いてあげる」
黒猫「……貴女はいつもそうやって人を小馬鹿にして、無神経な事を言うくせに、その実、妙に確信を得ている。本当に、本当にタチが悪

い女よ」
桐乃「……ふん。悪かったわね」
黒猫「そう、それでいて腹は立つものの、どうしても憎めない。言ってみれば、卑怯な性格なのよ。そんな貴女だから、一緒にいると喧嘩

ばかりで、共に過ごした記憶もロクな物じゃないわ。でも……」
桐乃「………」
黒猫「それなのに、一向に記憶から消えずに残っている。不快なのに忘れられない日々を、貴女と、貴女と沙織と一緒に私は作ってきたの

よ」
沙織「黒猫氏……」
黒猫「実に不本意だけれど、それを『思い出』というのなら、それをくれた貴女達には、少しだけ感謝するわ。――ありがとう」
桐乃「!?」
黒猫「……と、とりあえずそういう事にしておくわ。仕方ないものね」
沙織「うぅ、黒猫氏……。グス……グス……」
桐乃「……何よ、意地張っちゃって。バカじゃん……」
京介「お前もだけどな」
桐乃「うっさい!!」
沙織「……グスッ、黒猫氏、温かいエピソードをありがとうございまする。拙者、本番中にも関わらず、少し泣いちゃいましたぞ。
    ……ですが、これはあくまで公平な勝負!冷静な立場から話を聞いていた、かなかな氏に採点して頂きましょう!」
かなかな「おーよ!やってやんよ」

京介「あやせに劣らず、黒猫も良い話だったな。正直どちらの経緯も知っている俺としては、甲乙つけがたいぜ……」
あやせ「やはり黒猫さんは、油断できないですね……」
京介「……あの、あやせさん?凄く黒いオーラを感じるんですけど、僕の気のせいでしょうか?」
あやせ「え?やだなぁ、お兄さん。私がそんな腹黒い女のわけないじゃないですかぁー」
京介「だ、だよねー。アハハー」
あやせ「まぁ、あとで黒猫さんとは二人だけで話をしようとは思いますけど」
京介「やっぱり魔女化してたっ!!」

かなかな「ん~、あやせの話と違って、あっちの連中は加奈子全然分かんねぇかんなー。良い話だけど、イマイチピンッとこねぇっつーか


沙織「おやおや?これは意外にも、かなかな氏が採点で悩んでおりますぞ。これが吉と出るか、凶と出るか?」
かなかな「めんどくせーから、さっきのあやせの話で、加奈子が引いた分を乗っけて、8じゅ……」
あやせ「……………(ザッ)(←スコップを取り出す)」
かなかな「……なーんつって!」

『70うへぇ』

かなかな「て、てへぇ☆(キラッ)」
沙織「おぉーと!点数はあやせ氏と一緒の70うへぇでござったー!」
京介「今、酷い脅しを見た!」



沙織「さて、最後に来ますはこの方!今日まだ全然活躍していない、眠れる獅子・京介氏でござるーっ!!」
京介「今のところ、ツッコみぐらいしかしていないよな、俺」
桐乃「せっかくの妹の日なのに、アンタ何やってるワケ?」
京介「返す言葉もない……」
桐乃「まぁ、でも。妹の日だし?妹のアタシが大目に見てやんないと、さすがに可哀想っていうか?次に期待してあげる」
京介「そう言ってもらえると、正直ありがたいわ」
桐乃「でも、最後くらいはキッチリ決めてよね」
京介「あぁ、分かってるよ」
京介(幸いにも、こっちの対戦は俺の得意分野だ。腐っても俺と桐乃は兄妹、エピソードなんて数えきれない程あるんだよ。
   それに、俺の得意技・『テンションでいろいろ誤魔化す』も通用するかもしれないしな)
桐乃「あっ、て言っても、テンションで誤魔化すのはダメだかんね」
京介「なんだって!?」
沙織「では京介氏、お願いしますぞ」

京介(しまった。勢いで凌ごうかと思ってたのに、それが通用しないなんて……)
あやせ「やはり、セクハラ話が来るのでしょうか?その時は……」
黒猫「さぁ、どうするのかしらね。兄さん」
桐乃「……早くしなさいよ」
京介(えぇい、ままよ!こうなったら勢いで多少は誤魔化しつつも、本音で向き合ってやんぜっ!)
京介(いくぜぇ!!これが俺の、全力全開だっ!)

京介「桐乃ぉーーーーー!!」
桐乃「は、はい!(ビクッ)」
京介「今日は妹の日だから、普段言えない事も、今まで言いたかった事も、全部吐き出すからなぁー!よぉーく聞いておけよっ!!」
桐乃「う、うん。分かった……」
黒猫(何やら妙に熱いわね……)
沙織(これはこれは。京介氏も本気でござるな)
あやせ(とりあえず、電圧はこれくらいにしておいて……)
京介「俺には、いや俺達には、あやせや黒猫みたいに綺麗なエピソードなんか無いし、あるのはお前のために親父と喧嘩した事、一緒にエ

ロゲ―した事、お前の偽彼氏を追い返した事ぐらいか……。
   はっ、どれも些細なもんばっかりさ」
沙織(どれも結構な衝撃を覚えるのでござるが、それをツッコむのは野暮でござろうな)
京介「でもよ、そのどれもが俺にとっては大事で、俺と桐乃の思い出だと思ってる」
桐乃「……………」
京介「俺は本当に出来の悪いバカ兄貴だし、お前にとっては不服な存在かもしれない。けどな、俺はこの数か月の間で、こうしてお前と本

音で向き合えるようになった事を嬉しく思うよ」
桐乃「京介……」
京介「俺は前からお前の事大嫌いだったし、その気持ちは今も残ってる。でもよ、お前と一緒にいて気付いた気持ちもある。
   それは、大嫌いなのに大好きだ!って事だ。 おかしいだろ?でも、それが本心なんだよ。近くにいるとイライラするのに、それで

も絶対に俺の傍から離したくない。
   一番傍にいるのは、俺じゃなきゃイヤなんだ。ワガママかもしれないけど、そのためなら俺はいつだって全力で向き合ってやる!」
桐乃「……うん。分かる、気がする。その気持ち」
京介「だから言うぜ!俺はこれから先も、ずっと桐乃の隣にいる。そして他の誰でもない、俺自身の手で桐乃を幸せにする!
   望むんなら、結婚だってしてやんよ!!なんせ桐乃は世界一の妹だからなっ!世界一幸せにしてやりたいし、そうさせてみせる!
   これが今の俺の、交じりっ気無い、本当の気持ちだ!!何か文句あっか!?」
桐乃「……うぅん、ない……無いよ……」
京介「俺が絶対に連れて行ってやるからな!作り物じゃない、ハッピーエンドにさ」
桐乃「きょう、すけぇ……うっ……うっ……」
京介「きっと明日から、また素直になれなくなっちまうかもしれないけど、もう迷わねぇから。だから、これからも一緒にいてくれよ、桐

乃」
桐乃「うん……。――ありがとね、京介」
京介「……おう」


会場一同(ポーッ)

沙織「……はっ!!――さ、さて、この熱気にあてられたまま、京介氏の採点に行きたいのですが……」
黒猫「正直、点数なんて出さなくても、誰が優勝かは一目瞭然ね」
あやせ「えぇ。悔しいですけど、桐乃のあの表情を見れば、それも仕方のない事です」
沙織「やはり、予想通りというか、きりりん氏に関しては、京介氏がズバ抜けておりますなぁ」
黒猫「シスコンの究極系が、あの姿なのね。実に滑稽だけど……」
沙織「本当に美しくもありますな」
黒猫「……えぇ、そうね」
あやせ「この先、桐乃を泣かせるような事をしたら、私も容赦はしません!」
黒猫「物騒な事を言わないで頂戴。闇の力に取り込まれるわよ」
あやせ「そんなの知りません。というか、あなたとは二人でお話ししたい事があるんですけど?黒猫さん」
黒猫「さ、沙織!この危険な女を、一刻も早く私から遠ざけて頂戴!あの目は魔女よ、魔女」
沙織「あっはっは!皆、違った形できりりん氏を思っておるのですなぁ。いや~、本当に素敵な企画でした。拙者、このイベントを企画し

た自分にGJ!と声をかけたいですぞ」
黒猫「笑ってなんかいないで、早く!あの女、スコップなんか取り出したわよっ!?」
あやせ「フフ……、一度埋まればクセになりますよ……」

かなかな「おーい!ちょっとー!」
沙織「おや、かなかな氏?どうしました?律儀に採点して下さいましたかな?」
かなかな「いやぁよー、加奈子もさすがにさっきのは、モーレツなうへぇだったから、適当にボタン連打してたんだけど。
     そしたらいきなり機械が壊れて、止まんなくなっちゃったんだよねー」

『うへぇ、うへぇ、うへぇ、うへぇ、うへぇ、うへぇ、うへぇ……』

沙織「おやおや、エンドレスうへぇとは。想定の範囲外でござるな」
黒猫「それくらいの、シスコンブラコンという事ね」
かなかな「うっへぇ」


京介「桐乃……」
桐乃「京介……」
あやせ「ところで、あの二人はいつまであのままなんですか?」
黒猫「み、見つめ合ったまま世界を作っているわね……」
沙織「まぁ、今日は特別な日ですし。こういうのも良いのではないでしょうか?」
かなかな「けっ!なんかノロケが続きそうだから、加奈子帰るわー」
あやせ「私も、今後の事を考えて色々用意しますので、ここで失礼します」

ゾロゾロ、ゾロゾロ……

黒猫「気付けば、観客の人達も帰っているわね」
沙織「皆、本当にほっこりした表情で帰られましたぞ」


京介「あぁ、桐乃!」
桐乃「あぁ、京介!」
黒猫「……いい加減、私達も帰りましょう。あそこからとんでもなくリア充の匂いがしてきたわ」
沙織「そうですな。ここは気を利かせて、二人きりにしてあげましょう」


京介「きりの~~~~~!!」
桐乃「きょうすけ~~~~~!!」



さて、これは余談でござるが。
その妹の日、街中で京介氏ときりりん氏に良く似たカップルが、腕を組んでくっついていたという話を聞きましたぞ。
当の本人達なのか、それとも他人の空似なのか――。
真実は分かりませぬが、
その日以降、お二人の仲は、以前よりもちょっとだけ良くなっていたでござる。
いやはや。
今後は、妹マスター改め、『きりりんマスター京介氏』とお呼びする他無いのかもしれませんな。ニンニン。




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最終更新:2011年09月12日 08:38