144 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/12(月) 19:58:23.05 ID:BeBZrfgkP [3/12]
 みんな、こんばんわ。
 みんなの人気者、桐乃の友達で表4人組の一人、ランちんことランだよ。
 は? あたしのことを知らない? 表は3人組だろって?
 そんなこと言う人は原作2巻か6巻、もしくは漫画版俺妹2巻を読み直してこい!
 もしくは4コマ漫画にもでてるからそっちでもいいけどね。
 最新情報としては9巻にもあたしの出番があるからそっちも要チェック!
 はいそこ、影が薄いとかアニメに出てこないとか余計なこといわない!
 あれよ。あたしが出ちゃうとあやせや加奈子を食っちゃうからしかたなくあたしの出番は削られたの!
 そういうことにしといて! わかった!?

 ――コホン。さて、自己紹介はこの辺にしとこっか。
 話は変わるけど、実はあたし、もといあたし達は今修学旅行にきてるんだ。
 え? 話が唐突過ぎる? そこは突っ込んだらダメ! 気にしたらそこで終了!
 ・・・ということで修学旅行にきてるの。
 そんでもって今は夜。だから最初にこんばんわって言ったんだけどね。

 そうそう聞いてよ。
 修学旅行ってさ、普通ホテルとかに泊まるとか思うじゃん? 
 あたしもそう思ってたんだけど、いざ蓋を開けてみれば泊まるのはちょっといい感じの民宿。
 大き目の部屋に布団引いて雑魚寝するような場所だったわけなんだよねー。
 ま、それはそれでねっころがりながら話するには申し分ないんだけど。
 こういうのも気楽でいいよね。

 ちなみに、今部屋にいるのはあたしと桐乃+2名だったりする。
 勘違いしないでほしいけど、+2名ってのはあやせと加奈子じゃないから。
 あやせと加奈子はどうしたって?そんなのほかの班になってもらったに決まってるじゃん。
 最近あたしをのけ者してる罰よ罰。
 いいじゃん、あたしだって桐乃と遊びたいし。
 あやせとか加奈子いると桐乃そっちに構いっぱなしになるし。
 あやせと加奈子だけで桐乃を占領するのはずるいよね。
 何よ、ちょっと席が離れたからってあたしをハブにしちゃってさ。
 だから班決めのときにソッコーで桐乃引き込んでやったんだよね。
 桐乃ってば頼まれたら断れないタチだし、悪いと思ったけど利用させてもらったわ。

 だけどさぁ、班が別々になった時のあやせの顔ったらもう怖いのなんのって。
 目の光まできえちゃってさぁ。なんていうの? レイプ目っていうんだっけ? そんな感じで目をあわせられなかったわ。
 あやせってアレが本性なわけ? あやせの意外な一面を見た気がしたよ・・・。
 それはそうと・・・・・・

「アイツ何やってんだろ・・・・・・ううん、確かにまだちょっと時間あるけど・・・・・・。
 少しぐらい早くかけてくればいいのに・・・」

 桐乃、さっきから部屋の隅で何かぶつぶつ言ってるけど何してんだろ?

「き・り・の! な~にしてんのぉ?」
「ひぁ!?」

 ガバァ!っと擬音が聞こえそうなほどの勢いで桐乃に抱きついた。
 ついでにムニュっと胸を鷲づかみ。んっふふ、こんなこと男子には出来ないもんね。
 これぞ女の子の特権。羨ましいでしょ?

「ちょ、ランちん!? びっくりするじゃん!」
「あっはは、ごめんごめん!」
「んっ! こ、こらぁ! 謝りながら胸をもむなぁ!」
「いいじゃん減るもんでもないんだしさ。スキンシップだってスキンシップ」
「スキンシップって・・・・・・あんっ! も、もう~いい加減にしてよ!」
「・・・・・・・・・・・・」
「? ランちん?」

 こ、これは・・・・・・まさか・・・・・・!

「桐乃・・・」
「な、何?」
「桐乃――――またおっぱい大きくなったでしょ!」
「ぶっ! な、何言い出すのあんたは!?」
「いーーーや! 間違いない! この前の身体測定の時より絶対に大きくなってる!」
「なんでランちんがあたしの胸のサイズしってるの!?」
「そんなことはどうでもいい!」
「いや、よくない! よくないから!!」

 ちくしょー! 可愛さとかスタイルはまだ勝ちを譲ったとしても胸のサイズだけは負けてないと思ったのに!
 今触った感触だとほとんどあたしと大差ないぐらいなんじゃないの?

「くっ、まさかあたしの唯一のとりえが侵される時が来るなんて・・・・・・!」
「い、いや、何もそこまで卑屈にならなくてもいいんじゃ・・・・・・ほら、ランちんだってモデルやってるわけだし」
「慰めはいらないわ! 桐乃、あんた・・・・・・・・・・・・カレシに揉まれて大きくなったか!!」
「んなわけあるかーーーーー!!」

 大声であたしの言を否定する桐乃。
 でもね桐乃・・・・・・ネタはあがってるんだよ?

「へぇ~? そんなこというんだぁ?」
「当たり前でしょ! あんまり言いがかりつけないでよ。あたし、カレシなんていないし」
「ほほう・・・・・・駅近の映画館」
「!」
「お気に入りのスイーツショップ」
「・・・・・・」 
「あとはぁ・・・・・・某ゲームセンターのプリクラコーナー」

 むっふっふ。あたしの情報網をなめちゃだめだよ桐乃?
 桐乃が夏休みにしてたこと、こっちにもしっかり伝わってるんだから。

「ここら辺に何か心当たり、ない?」
「べ、別に? な、何も心当たりなんてないよ?」

 目をこちらから逸らして、あからさまに動揺してるのがわかる。
 もう、相変わらず隠し事が下手だなぁ桐乃ってば。
 そんな態度じゃバレバレだよ?

「ふ~ん、まだとぼk「あーー!? パジャマがない!!」なに?」

 ああもう、いいところだったのに。
 何かあったの?

「どうしようAちゃん」
「えぇ? 昨日あんなに確認したのに?」
「うん。・・・・・・やっぱり朝心配になってもう一回全部出したのが悪かったのかな?」
「何、朝何かしてると思ったらそんなことしてたの?
 もしかして入れ忘れ? 忘れ物しないための確認して忘れるとか本末転倒じゃん」
「そうだよね~・・・」

 っておやおや? あっちでなにやらお困りのようす。
 しかたないなあ。ひとまず桐乃の追求は置いておこう。
 あたしは桐乃を一旦放置して向こうの2人のほうへ向かった。
 ちなみにこのお二人はさっきの+2名でっす。
 双子の姉妹で、それぞれAちゃんBちゃん。愛称だケドね。
 本名は詠と美衣って言うんだけど、誰かが「AB姉妹でよくない?」っていう一言でそのあだ名が定着しちゃったんだ。
 あんまりなあだ名だとは思うんだけど、本人達が気に入っちゃって自分達でも使い始めたからそのまんまって感じ。

「どうしたのBちゃん」
「あ、ランちん。それがね、Bちゃんがパジャマ忘れちゃったらしくて」
「そうなの?」
「うん。困ったなぁ、ジャージとか持ってきてないし、私服で寝るしかないのかな。
 しわになるのイヤなんだけどなぁ」
「あ~、そうだよね。でもパジャマに予備なんて持ってきてないしなぁ」

 ここの民宿、温泉はあるのに浴衣がないんだよね。
 浴衣があればこんな問題、なんてことなかったはずなに。
 パジャマなんて予備なんて持ってきてないし・・・・・・やっぱり諦めてもらうしかないかな。

「何かあったの?」
「あ、高坂さん。ちょっとねー。わたしパジャマ忘れちゃったみたいでさぁ。
 どうしよっかって話してたの。服なんて私服以外に持ってきてないしさ」
「ふーん、そうなんだ・・・・・・あ、あのさ」
「なに?」
「あたし、一応パジャマの予備あるけど、使う?」
「ホント!?」

 マジ? 桐乃ってばどんだけ用意いいの? 普通パジャマなんて予備持ってこないっしょ。

「うん。たまたま、たまたま持ってきてただけなんだけどね? それでもよければ、だけど」
「いいよいいよ! ありがとう高坂さん!」
「わかった。じゃあ・・・・・・はい、これ」
「ありがと! ・・・・・・あれ? このパジャマ、もしかして普段から使ってるやつじゃない?」
「ギクリ」

 んん? なんか桐乃の様子、おかしくない?

「え、と・・・・・・ダメ、だった?」
「う、ううん! ただ、予備でもよかったのにって思って。
 わたしは予備のほうでもいいから今からでも変える?」
「だ、ダメ!」
「へ?」
「あ、いや、なんでもないよ」
「そ、そう?」
「うん」

 な~んか怪しいな。何か隠してる? さっきとはまた別件で。
 なんとなく桐乃が持ってきた荷物の中を覗き込んだ。
 中にはさっきBちゃんに渡したものとは別のパジャマらしきものが見える。
 紺色の、野暮ったいというか地味と言うか、そんな感じのやつだ。
 可愛らしさのかけらもない。まるで男の人が着るようなやつみたい。
 てかこれちょっと大きくない? それにこの襟元のボタン向きって・・・・・・

「あ! ラ、ランちん何覗いてんの!?」

 バッともの凄い勢いで荷物をひったくる桐乃。
 まるで見られたらマズイものでも入ってるみたいに。

   あ  や  し  い

 あたしの直感が言ってる。桐乃は絶対に何か隠してる。
 これは確かめる必要があるよね! さっきの続きもあるし!
 さっき見えたのも気になるし、ここは強硬手段に訴えてでも確かめさせてもらおうかな。
 桐乃を挟んで向かい側のAB姉妹に向かって視線を送る。
 一瞬のアイコンタクトの後、あたしはパチン! と指を鳴らした。

「A! B!」
「了解!」
「ういうい~」
「え? なに!? ちょっと何すんの!?」
「フッフッフ。桐乃、ちょ~っとおとなしくしててね~?」、

 ガッチリとAB姉妹に後ろから拘束された桐乃はわけがわからないといった感じだ。
 さてさて、さっき見かけたパジャマはっと・・・・・・

「ちょ!? ランちんなんであたしの荷物あさってんの!? 
 やめて! お願いだから! AちゃんBちゃんも離してよ!」
「まあまあ♪」
「よいではないですか♪」
「何が!?」

 ぜぇんぜんきこえませ~~んってね。イヒヒ。
 ん~と・・・・・・あった!

「みーつけた♪」
「ああ!? ダメ! それは・・・・・・!」

 ブツをはっけーん!
 取り出したブツをバッと広げると

「うわぁお。これ完全に男物だよね。何でこんなの持ってきてるの? なんでなんで?」
「そ、それは・・・・・・!」
「てかこれ絶対新品じゃないよね。でも桐乃のっていうのも・・・・・・」

 キュピーーーン!

 はっは~ん、なるほど。閃いちゃった。
 絶対にこれあれだよね。間違いない。

「わかった」
「な、なにが?」
「これが誰のかってこと。これさ・・・・・・カレシのでしょ?」
「な・・・・・・!? ち、違う!」
「顔真っ赤にしながら言っても説得力ないよ桐乃~?」
「ち、違うもん! さっきも言ったじゃん! あたしカレシなんていないし!」
「じゃあこれ、だれの?」
「そ、それは・・・」
「それは?」

<ネエキミハ~キヅイテルカナ~♪

 ああもう。何? 今いいところなのに。
 音のしたほうを見てみれば桐乃の携帯が音をたてて震えていた。

「はっ!? や、ヤバ!」
「おおっと!? ダメだよ高坂さん。まだ動いちゃ~」
「そうだよ~。まだ終わってないんだから」
「で、でもホラ! 携帯鳴ってるし! でないとマズイじゃん。ね? だから離してほしいんだケド」
「ふーん」

 時計を見た桐乃が急に暴れだすのを姉妹が抑えていた。
 さすが陸上部、二人がかりでも結構大変そうだ。
 だケドもうちょっと耐えてね二人とも。
 ひょいと鳴ってる携帯を掴みあげる。
 まだ鳴り止まないとは、かけてきてる相手結構辛抱強い。
 ディスプレイに写る名前は――『京介』
 うっそ!? 名前で登録されてる!?
 あの学校じゃ頑なに男子のことを名前で呼ばないような桐乃が名前!?

 これはこれはいよいよもって――――面白いことになってきたぁ!!

 桐乃のほうに向かって顔を向けた。多分、あたし今スッゴイいい笑顔してると思う。
 あたしの顔をみた桐乃は一気に顔を青ざめさせた。

「ま、まさか!? ちょっとまむ~む~!」

 Bちゃんが桐乃の口を塞いだ。
 こっちの頼みたいことをわかってくれるって楽だね。
 BちゃんGJ!
 そ~れ、ポチっとな。

「は~い、もしもし?」
『・・・・・・桐乃? じゃないよな。お前誰だ?』

 おお、口調が似てないとはいえ一発でわかるとは。これも愛の力ってやつ?

「こんばんは。あたし桐乃の友達のランっていいます」
『ラン? そういえば桐乃が何度かランちんって言ってるのを耳にしたような・・・』
「多分そのランちんであってますよ~」

 ほうほう、仲がよくてケッコウケッコウ。

「えっと、お兄さんの名前は京介さんでいいですか?」
『何で俺の名前を――って携帯か』
「その通りでっす」
『そうか・・・・・・てか桐乃はどうした? 俺この時間に電話しろって言われたんだけど』

 なるほど。
 桐乃ってば、カレシからの電話をソワソワしながらまだかまだかと待ってたわけね。
 口を塞がれた桐乃が真っ赤な顔をしてむ~む~言ってるけど気にしな~い。

「桐乃は今お風呂いってるんですよ。後でかけなおすようにいっときましょうか?」
『マジかよ。じゃあすまねえけど頼むわ。』
「わかりました~。・・・・・・ところでカレシさん。一つ聞きたいことがあるんですが」
『彼氏? 誰が?』

 またまた~。とぼけちゃって。桐乃と一緒で京介さんも照れ屋なのかな?
 追求しても時間の無駄だしさっさと話をすすめちゃえ。
 くるっと体を反転させた。特に意味はないけど気分の問題。

「とぼけなくてもいいのに~」
『とぼけてるつもりはねえんだけど』
「はいはい。それでですね、聞きたいことっていうのは――カレシさん、パジャマ一着なくなってたりしません?」
『え? なんで知ってんの? 確かに今日一着パジャマがなくなってたけど』

 証言ゲ~~~ット!!
 これで桐乃言い逃れできないよね。
 スピーカーで通話垂れ流してるからあっちの二人にも聞こえてるはずだ。
 っていうか、あたしの質問も結構きわどかった気がするんだけど。
 だって、あたしの質問の前提って、桐乃が修学旅行前夜までカレシさんと一緒にいたってことだし。
 うわぁ。桐乃ってば、浮かない話ばっかりだったと思ってたのにここまでカンケーが進んでたなんて・・・!
 それに、さっきもともと持ってきてたパジャマBちゃんに渡したってことは、カレシさんのパジャマ着るつもりだったってことだよね!


 うはっ! カレシのにおいに包まれて~なんてつもりだったのもしかして!?
 桐乃、恐ろしい子!
 しかしさっきから後ろでバタンバタンうるさいな。桐乃が暴れてるのかな?

「ほうほう、なるほど。わかりました」
『聞きたいことってそれだけか? てかなんでそんなこと知って――』
「じゃあ後で桐乃にいっときますね~。それでわ~」
『おい! ちょっとま――』

 ピッっと通話を終了した。
 フヒヒ、これで証言もゲットしたし、桐乃もいい訳は――
 なんて思いながら後ろを向くと

「ラ・ン・ち・ん?」
「き、桐乃!?」

 ドアップの桐乃の顔があった。
 ええ!? AとBは!? って思ったら桐乃の向こう側に見えた二人は目を回して倒れていた。
 ちょ、二人とものしちゃったの!?

「さ~て、ランちん。何か言い残すこと、ある?」
「き、桐乃、落ち着こう? ね、お願いだから」
「ええ~? あたしは落ち着いてるよぉ? これ以上ないってぐらいに」

 絶対にウソだよね!? 頭に青筋うかんでるじゃん!

「ご、ごめん桐乃! ちょっと魔が差しただけなの! だから許して!」
「フフフ、ランちん」
「な、何?」


「シネ」


「きゃああああぁぁぁ~~~~~~!!!!??」



 それから、こってりとしぼられたあたし達は、桐乃からきつ~く今夜あったことは秘密にするように言われた。
 特にあやせには絶対に言わないことっていわれた。
 まあ、あの子ちょっと桐乃に関しては怖いところあるし、しかたないかな。
 だけどさあ、桐乃も別に隠すことないのになぁ。
 うう、正座なんてさせるから足しびれちゃったよぅ・・・・・・
 さっき桐乃も携帯もって外いっちゃったし。何話してるんだろうね。
 あんなに嬉しそうにしちゃってさ。もっと素直になればいいのに。
 結局あたし達が言いふらさないのをいいことに意気揚々とカレシさんのパジャマきてたし。
 鼻スンスンさせてさ。あそこまでふやけきった顔初めて見た。
 どれだけカレシ好きなのよって。リア充爆発しろ!
 ・・・・・・まあいいや。あんなに幸せそうな桐乃、見れるのも珍しいしね。

 さてと、そろそろ寝ようかな。
 あっちの二人は桐乃のお説教でお風呂入った後ソッコーダウンしちゃったし。あたしもねよねよ。



 それにしても・・・・・・あの電話のカレシさん、どっかで声聞いたことあるような気がしたんだけど・・・・・・誰だったかなぁ・・・・・・



-END-




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最終更新:2011年09月14日 22:33