431 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/16(金) 17:44:48.99 ID:cmEYAw5/0 [4/5]
SS『シスコンの再定義』※エロい人にはエロく見える話です。



「高坂さんー、お届け物ですー」
「あっ、はいっ、今いきますっ!」

10月も半ばを過ぎたある日のこと、
俺が部屋で勉強中だった所に、急に宅急便がやってきた。

今日は桐乃も、親父たちも居ない。
仕方が無いので扉をあけると、そこには縦長の巨大なダンボール箱が有った。
なんつーか、子供くらいなら入りそうな大きさの・・・
しかも、一体どこのものなのやら、全くの無地のダンボールというのが余計に不安を煽る。
何やら怪しげな物体だが、依頼主まで俺の名前になってる。

はて?俺は何か頼んでたっけか?
不審に思いながらも、サインをして荷物を受け取る。

・・・つか、このパターン・・・!
慌てて携帯を『とある人物』にかける。

「もしもし。高坂だが」
「もしもしー!京介氏でござるかー!?一体どうなされましたかー?」
「どうなされたじゃねえっ!お、おまえっ、またヘンな荷物を送りやがって!」
「むぅ?・・・荷物・・・ですと?」

あ、あれ?

「あれ?おまえじゃ、ないの?」
「拙者、京介氏にもきりりん氏にも、荷物など送ってないでござるよ?・・・少なくとも、昨日までは」
「・・・昨日まではって、なんだよ」
「いやー!さすが京介氏!しっかり聞いているとはさすがですな!
 拙者、最近きりりん氏に頼まれましてな!妹モノのエロ漫画をダンボール二箱分、
 先ほど送らせていただきましたぞ!・・・京介氏宛で」
「親に見られたら俺が死ぬよ!?」

それにしても、さっき送ったばかりの荷物が今届くわけねえ。
しかも、よくよく考えてみれば、依頼主を俺の名前にする必要だってねえよな?

「と、とにかく済まんかった。俺の早とちりだったみてーだ」
「まあまあ、京介氏。あまり気にしない事でござるよ。それに・・・」
「ん?」
「たしかこの前、きりりん氏が『京介ってちょうシスコンじゃん?
 だからさ、あたしがあいつのシスコンをちょっとやわらげてあげないとやばいじゃん』
 みたいな事を言ってたでござるよ。もしかすると、それに関係するのではござらぬか?」

ふむ・・・確かに、結構前の事だがそんな会話をした記憶があるな。
『あんたがこれ以上シスコンこじらせないように、
 あ、あたしがシスコン改善のためのアイテムを買ってあげるんだから!感謝しなさいよね!』
・・・こんな感じだったな。

だけどよ?たしかあれって一ヶ月くらい前の話じゃなかったか?
そんなもんがいまさら届くとか、ワケわかんねえよ。
konozama食らったって可能性もないわけじゃなーが、それにしたって・・・
いや、梱包からするとamazonじゃねーよな。

「京介氏、心当たりはありましたかな?」
「ああ。多分コレ、桐乃が買ったもんだろうな」
「おおっ!では、妹モノのエロゲーでござるか?」
「いや、エロゲの入ってそうな小さな箱なら、わざわざ電話したりはしねーよ。
 なんつーか、でかすぎるんだよな、箱が。」
「ほう?」
「しかも、箱に何も書いてねーから、一体なんの商品なのやら・・・」
「は、箱になにも書いてないうえ、巨大な箱ですと!?」
「あ、ああ」

おいおい、どうしたんだよ・・・何か心当たりがあるってのかよ?

「拙者。きりりん氏の京介氏を想う気持ちに痛く感動いたしましたぞっ!」
「ちょっ、お、おまえ何言って・・・?」
「なになに、京介氏も分かっていながら拙者に相談とはお人が悪い。
 ノロケたいお気持ちはよく分かりますぞ!」

いや、まったくわからねーよ。

「兎に角、『きりりん氏』との甘い時間をごゆるりと堪能なされよ!ではさらばっ!」
「お、おいっ!」

・・・言うだけ言って、電話切りやがったよ・・・

ふと携帯の画面を見るとメールが来ていた事に気づく。
無性に嫌な予感がする・・・ってか嫌な予感しかしねーよ!

案の定、メールは桐乃からのものだった。
『あんたへのプレゼント。少しはシスコン治せ』
そっけない口調で書かれているが、俺へのプレゼント。俺へのプレゼントだもんな!
ココ、大事な事だから2度言ったぜ。

ともかく、俺へのプレゼントってんなら、早速開けないといけないよな?
俺は、明らかに20kgは超えているであろう、そのダンボール箱を俺の部屋へと運び、そそくさと開け始めた。

正面のガムテープを剥がし、箱を開ける。
そこで、俺は、固まってしまった・・・

俺の目に飛び込んできたのは、生まれたままの姿をしている桐乃・・・
いや、正確には、桐乃に非常にそっくりで、桐乃を一回り小さくしたようなお人形・・・
言葉を飾っても、意味ねーな。要は、桐乃そっくりのラブドールが入ってたってわけだ!

とりあえず、ベッドの上に寝かせてみる。
・・・これ、どうしよう?







「ただいまー」

数時間後、階下から、桐乃の声が聞こえてくる。
気だるい身体を起こし、桐乃を待ち受ける。

「京介、入るよ?」
「おう」

相変わらず、俺の桐乃は可愛い。
もちろん、桐乃に直接は言えないけど、ものすごく綺麗だ。

部屋に入った桐乃は、さっそく、ベッドの上に座っている『桐乃』に目を向けた。

「ふ、ふーん?あんたにしては気が利くじゃない」

送られてきた『桐乃』は、さすがに素っ裸だったからな。
サイズにちょっと無理はあったが、桐乃の服を着せてやったってわけさ。

「で、どうだった?」
「どう、って?」
「だからぁ、多少はシスコン・・・おさまった?」
「・・・多分・・・」

とりあえず、今日一日くらいは賢者の気持ちで居られそうだぜ?

「それに、すっげえ良かった・・・」
「なっ、なに言ってんのっ!」
「おまえがずっと側にいてくれたみてーだったし、本当に気持ちよかった・・・」

なんつーか、身体と身体が触れ合う温もり?みてーな?
それにしても・・・

「うー・・・・・・・・・」

『桐乃』じゃなくって、桐乃だったら・・・

「ちょ、なにチラチラ見てんの!?し、しないかんね!」



End.




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最終更新:2011年09月17日 11:11