692 名前:【SS】俺の桐乃がこんなに可愛い、のかもしれない[sage] 投稿日:2011/09/17(土) 00:09:57.23 ID:2+RPh6CJ0 [1/2]
『俺の桐乃はこんなに可愛い、のかもしれない』


おう、高坂京介だ。
なんだかここでは、みんな「桐乃は可愛い」と言ってくれているらしいが。
もしそれが本当なのだとしたら、俺は兄として、皆に感謝するよ。
いつもあいつを応援してくれて、ありがとう。
……正直に話せば、若干、胸の中にモヤモヤした感情はあるものの、それでも、自分の妹が評価されているのは、素直に嬉しく思う。
最近になって気付いた事なんだが、どうやら俺は、少なからず桐乃を可愛いと思っているらしいんだ。
俺と桐乃の関係は全然進展していないし、今でもあいつはクソナマイキな態度しかとらない。
高圧的な態度も、ワガママを押し付けてくる所も、なんも変わっちゃいない。

でも、とある一件から、少しだけ変わった事もある。
あいつが、桐乃が俺にぶつけてくれた本心。
「自分が一番じゃないとイヤ」
桐乃がそんな風に思っていたなんて、俺は知る由もなくて、ひたすら驚いたし、何より後悔した。
桐乃の内心も知らないで、浮かれていた自分に腹が立った。
だから俺は、もう迷わずに桐乃を正面から受け止めようと、そう決心した。
すると、どうだ。今までの傍若無人な態度も、捻くれた意地の悪さも、
俺を「兄貴」ではなく、「京介」と呼ぶことも。
不思議と嫌な気がしなくなってきちまった。
それどころか、どうやら嬉しくも感じられてしまう。
周りからはシスコン、シスコンと言われる有り様さ。俺は少しばかり、考えを改めただけだってのによ。
まったく、難儀な話だぜ。

さて、こうなったからには俺も開き直り、何処ぞの妹バカな親友を見習って、ウチの妹・桐乃がどれだけ可愛いかを、少しだけ話してみた

いと思う。
……実際にシスコンを公言するとなると、やはり変な気分だな。
まぁ、いまだに不本意ではあるものの、桐乃の可愛さをより多くのみんなに知ってもらうために、話を進めていこう。


とは言ったものの、既に俺と桐乃の関係や、二人の間にあった出来事は、皆が知っている通りだ。それを掘り起こしても面白くない。
それならば、という事で、今回は
「こんな桐乃は可愛いのか?」
という、普段の桐乃と違った「if」の桐乃を想像してみようと思う。
見てくれでは既に世界一可愛いと言える桐乃の事だから、どんなパターンにせよ、きっと可愛くなってしまうんだろうな。
それでも、俺の妹の可愛さを知りたいと思う奴は、是非聞いていってくれ。


まず、『甘えん坊な桐乃』だ。

俺の妹萌えの師である桐乃自身が、一番ストライクなのがここだろう。自分にそんな妹が現れたら、きっと
「やばやばやばっ!マジヤバいって!!お姉ちゃんを萌え殺すつもり?フヒヒ」
とか言って、暴れまくるだろうよ。
では、俺にとってはどうなのだろう。

「京介お兄ちゃん♪今夜、桐乃も一緒に寝てい~い?」

……や、やるじゃねぇか……。ベタな妹ゲーをやっている時はそうでもなかったが、実際に自分を投影すると、とんでもない破壊力である


桐乃が我を忘れて夢中になるのが、ちょっと分かった気がするぜ。ハァハァ。

でも、なんだろう。この違和感は。
すごく可愛いのだけれど、実際の桐乃とかけ離れすぎていて、可愛さ以上の感情を抱けない気がする。
兄の立場からすれば、これ以上ない理想の妹像であるはずなのに。
まぁいい。次にいく事にしよう。


次は、『ちょっとエッチな桐乃』だ。
自分で何言っているのかよく分からない設定だが、桐乃のスタイルの良さを踏まえると避けては通れない道である。
開け!俺のシスコニック・リヴァイアサン!!(カッ!!!)

「えいっ!」
(ぽよん♪)
「なっ!?いきなりどうしたんだ、桐乃!?」
「べっつにぃ~。ちょっとしたスキンシップだって」
「……あ、あの、当たってるんですけど……」
「当ててんのよ」

おほっ♪
コレはありなんじゃねぇ?むしろ、大歓迎じゃね!?
前々から桐乃の柔らかさには定評があったが、このスキンシップと称した妹アタックは、世界中のお兄ちゃんを虜にすること間違いなしだ


いい。これはいい。
……いいのだが、この妄想をこれ以上続けると、何処からか恐ろしいほどの殺気を感じてしまいそうなので、自重することにしよう。


よし、最後は『物静かな桐乃』だ。
これはあまりにリアルとかけ離れている気がするので、想像も難しい。
だが、いつも桐乃と相対する俺に不可能はない!

「…………兄さん」
「ん?どした、桐乃?」
「……この雑誌、一緒に読まない?」
「俺と?」
「…………(コクリ)」
「別にいいぜ。ほら、隣こいよ」
「うん」
トテテッ、ススス、……ピトッ♪
「ちょ!くっつき過ぎじゃないか!?」
「(フルフルッ)……こうしないと、二人、読めないもん」
「そ、そうか……」

これは、眼鏡だよな。桐乃、絶対眼鏡かけてるよなっ!
垢抜けた本来の桐乃と、まるで正反対にいる桐乃だ。
物静かな文学少女の風貌で、小動物のように寄り添ってくる妹。
そして、眼鏡。
これは無視できない魅力を兼ね備えている!
……のだが、このタイプの桐乃だと、妹にハァハァしているイメージが湧かないんだよな。それどころか、美男子同志を絡ませt……ハッ

!!
い、いかん!知り合いの腐った妹を連想してしまった!!ダメだ、ダメだっ!!!
兄として、妹がどんな趣味を持とうが許容できる。しかし、あの強烈なBL好きが二人に、だと……?想像しただけで恐ろしいじゃないか。
やはり、この桐乃は却下だ。


うぅむ。
いくつかの「if」桐乃を想像してみたものの、どこか違うんだよな。
もし桐乃が、優しくて、俺に甘えてくれて、誰もが羨むような健気な妹になっても。
それがあいつの本心からそうならない限り、きっと俺は喜べない。
それだったら、クソナマイキで、危なっかしくて、それでいてたまに可愛げを見せる今の桐乃が、一番可愛いと思える。
前はこんな風に考えなかったのにな。不思議な話だ。

とにかく、俺は本来の桐乃が一番好きらしい。
自分でも恥ずかしいほどのシスコンぶりだが、本音なんだからしかたない。
もうあいつを悩ませないためにも、その事実を受け入れていこうと思う。



そうだな、まずは――

次に桐乃に会ったら、「ほっぺにチュー」をおねだりしてみるよ。
きっと、「し、しないかんね!」って一蹴されるだろうけどさ。

それでも、それが俺達の「新たな一歩」だと思うから。




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最終更新:2011年09月17日 11:11