345 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/09/20(火) 16:30:33.26 ID:krIRD6590 [4/7]
SS千葉の堕天聖黒猫と本音
ガールズトーク翌日辺りの黒猫視点です
「私の名は黒猫。人は皆『千葉(せんよう)の堕天聖』と呼ぶわ…」
「なーに中二病言ってんの。チバの性奴隷エロ猫の間違いっしょ」
「エロ…!?ではなくて、私の崇高なる世界に立ち入らないで頂戴ビッチ」
「じゃなくてさあ。折角妹2人もできて『キタキタキターー!』って思ったのにさ、2人とも京介と
出かけるなんて聞いてないし!何よそれ…あたしの萌える気持ちをどうぶつけろっていうのよ!」
「…その辺の壁なり柱にでもぶつけてて頂戴。私の大切な妹にビッチ臭を付けられても困るわ」
「あーーーーもう!もっかい温泉に入って来る!」
そう言い残して、ビッチ女-高坂桐乃は部屋を出て行った。
ふう…これで静かになるわね。大体あの女には空気を読むと言う考えはないのかしら。
真っすぐでいて、何に対しても全力で突っ走る女。多少の障害があってもあの女なら容易く乗り越えるだろう。
その癖、最も大切な事だけには、非常に奥手なのは笑ってしまうわ。
-だから私に隙を作ってしまうのよ。
あの女の最大にして唯一の隙-そして誰よりも大切に想っているであろう相手を思い浮かべる。
そしてその相手は、いつしか私にとっても大切な存在へ変っていた。
「あの者…『京介』は前世にて契りを結んでいた関係。そして…」
私は右足を上げ、左手を水平に真横に挙げたままこうつぶやく。
「未来において再び巡り合う関係。でも…」
そこで私は服に忍ばせていた携帯電話を右手で取り出し、それを耳に当てる。
「トゥルルルル…トゥルルル…私よ」
私の脳内にはある存在が浮かびあがり、それは形を変えてハッキリと姿を現してきた。
「やはりあなたなのね…はっ!?では現世における『京介』が、ああなってしまったのは…くっ」
携帯を耳から離し、苦しげな表情を浮かべる。
「『京介』を本当の姿に戻すには…どうしても、そうする他は無いという事ね」
現世において、『京介』は本当の姿を見失い彷徨っている。そしてそれを救うためには『京介』の
半身でもある存在-それを繋げなければ本当の姿に戻れないのだ。
「その為には『京介』の半身-あの女と、お互いが秘められし心に気付かなければならない…のね」
ぐ…と歯ぎしりする。が、私の≪儀式≫を達成する為には、本当の『京介』でなければならない。
そう…この現世において『京介』は2つに分かたれた存在になってしまったのだ。
『京介』とその半身であるビッチ…『桐乃』。それが現世での姿なのだ。
「わかったわ。幾ら元が1つの半身同士であるとは言え、現世における2人はアダムとイブ、
つまり間には何も立ち入ってはいけない存在同士なのね…なんて恐ろしい事になっていたの」
私はそこで暫く思案し…1つの答えを導き出す。
「ふっ…いいでしょう。ならば私は今回は道化に甘んじてやるわ。その代わり…」
ほんの少し…だけど強く感じる胸の奥の痛みを打ち消し、こう宣言する。
「誰よりも幸せになりなさい。それがあなた達にかけられた呪いを打ち消す方法なのよ」
…そう、これでいい。私は永久に転生を繰り返す存在、きっと彼らと再び出会えるわ。
「えーーーっと、黒猫さんそろそろいっすか?」
「な…な…な、あああああなた!いつからそこにいたの!?」
「いや、戻ったばかりなんだが。入ってはいけない雰囲気を感じてな…」
そこには私が前世で契りを結んでいた存在『京介』がいた。
ふぅ…私の本当の姿を知られてはならないわ。彼は現世ではただの人だもの。
「ルリ姉また遠い世界にぶっとんでた?」
「あなた…今日のご飯はオレンジとグリーンに彩られた素敵なメニューで良いというのね」
「ごめんなさい何も見てません」
日向はいつからこうなってしまったのかしら…とため息をつく。
「たっだいま!って日向ちゃんキタキタキタアァァァ!さっそく桐乃お兄ちゃんとおそぼ!うへへへ」
「ルリ姉ー!高坂くんマジ助けてヤバイヤバイキリ姉壊れたってばあ!」
騒がしい周りを見渡し嘆息する…でも、今はきっとこれでいいのでしょうね…。
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最終更新:2011年09月21日 07:05