934 名前:ろりりんとちび介のクリスマス・イブ【SS】[sage] 投稿日:2011/10/03(月) 17:46:59.43 ID:hlA+twGwO [1/2]
ちょっとクリスマスネタで書いてみたくなった

「ねえおにいちゃん、サンタさんはいまどこにいるのかなあ」
「サンタさん?」
「うん、サンタさん。きりのねえ、サンタさんにいーっぱいおねがいをするんだ」
ニッコリわらってたのしそうに話す桐乃
なのに、どうしてだろう。桐乃の夢をこわすようなこと言っちゃったんだ……

「サンタクロースなんていないよ」
「えっ!!!」
「サンタなんていないんだよ。プレゼントはみんなお父さんやお母さんが用意してくれるんだぞ」
「うそだよ、サンタさんはほんとうにいるんだもん!!」
「じゃあきりの、サンタクロースを見たことあるのか? ないだろ。だからいないの!」
「……サンタさんはいるもん!! いるんだもん…… おにいちゃんのばかぁ……うぇぇぇんん」

桐乃を泣かせてしまったことで、お父さんとお母さんにはすごく怒られた。
桐乃に謝るように言われたけど、桐乃はあれから顔もあわせてくれない、どうしたらいいんだろう……

とうとう謝ることができないまま、夜中になった。部屋に入ると、桐乃は二段ベッドの下ですやすやと眠っていた。
見ると、桐乃の枕元に赤い靴下が置いてあった。なにやら紙が入っている。そっと見てみると……

『サンタさんへ おねがいがあります。
あたしは、おにいちゃんとけんかしてしまいました。
でも、あたしは、おにいちゃんのことが大すきだから、とってもさびしいです。
だからサンタさん、どうかおにいちゃんとなかなおりして、またたのしくあそべりようにしてください。
サンタさんへ こうさかきりの』
「桐乃………」
桐乃の気持ちを知って、桐乃にとんでもないことをしてしまったのがわかって、涙がどんどんあふれてきた。
「……おにいちゃん?」
泣き声に気づいたのか、桐乃が目を覚ました。
「桐乃、ごめんな…ごめんな。」
「すごーい!! サンタさん、もうきりののおねがいごときいてくれたんだ!! すごいすごい!!!」
「えっ???」
「きりのね、おにいちゃんとはやくなかなおりできますようにって、サンタさんにおねがいしたんだよ。
そしたら、こうしておにいちゃんがきてくれたんだよ。うわあ…サンタさんほんとうにいたんだ、よかったあ」
「………」
「きりの、しんぱいしてたんだ。だっておにいちゃんがうそつくはずないから、
もしかしたらほんとにほんとにサンタさんはいないかもしれないって……でもやっぱりいたんだよ。よかったあ」
「……桐乃……うっ…うっ……」
まるでサンタクロースがここに自分をつれてきたみたいに思って、それでいて、自分のことを決して責めようとはしない桐乃。
そんな桐乃が、とてもいい子で、桐乃のことがとても可愛らしくて……とても……とても……

「うわあん…桐乃、ごめんよぉぉ」
思わず桐乃に抱きついた。
「え、おにいちゃん??」
「ごめんよ、本当にごめん桐乃……う、ううっ」
「……もう、おにいちゃんたら泣き虫さんなんだから。だめだよ、いつまでもないてちゃ」
「うん、わかった……」
「よしよし、いい子いい子」
桐乃が小さな手で、頭を撫でてくれた。
「いい子になったおにいちゃんに、きりのからごほうびをあげます。だから、ちょっと目をつぶって」
言われた通りに目をつぶった。

「おにいちゃん、だーいすきぃ」

ちゅっ!

「きりのは大きくなったらおにいちゃんのおよめさんになるやくそくのキスだよ。
じゃあおにいちゃん、おやすみなさい……」
「うん、おやすみ、桐乃……」




-------------

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年10月03日 23:27