641 名前:【SS】闘いが終わって[sage] 投稿日:2011/10/06(木) 00:11:18.91 ID:OVsSr779O [2/13]
例のイベントを当事者達はどう思ってたか……てな感じで書いてみました
「ふうっ、これで試合終了か……」
「ふーん、あんたも気にしてたんだ、さすがはシスコンの鑑w」
「うっせえ」
『読モ最萌トーナメント』…読者モデルの中から、その年の一番の娘を選ぶネット上のイベントだ。
桐乃もノミネートされて予選を順当に勝ち進み、本戦に進んだんだが、二回戦で破れ去ったわけだ……
「で、どーなの?」
「どうなのって、何が?」
「この結果について、あんたの感想を聞きたい。変な遠慮はいらないから、率直なところを聞かせて」
「そうだなあ。まずは残念だよ。この世界最高の美少女が二回戦で姿を消すなんてなあ……ん、どうした桐乃?」
「な、何でもないから! つ、続けて」
何だか桐乃の顔が赤いぞ。しかし妹の目の前で顔色変えずに世界最高と言ってのける俺は、やはり重度のシスコンなんだろうな。
「残念なんだけど……何かこれでホッとした気持ちもあるのは確かだ」
「ふーん、それはなんで?」
「……実際、桐乃に投票してくれてる連中のコメント見てると、
ありがたいんだけどさ、何かこう、モヤモヤする思いがあるんだよな。どう説明すればいいか難しいんだが」
「それって焼きもち?」
「…言わせんな恥ずかしい、それにも増して俺が思ったのはだなあ…」
「ぷぷっ、あんた顔真っ赤だよw」
「う、うっせえ!!」
前言撤回。まだまだ俺にもシスコンを極めるまでに修行の余地がありそうだ。
「…それにも増して俺が思ったのはだ、お前を嫌ってる奴らの発言が酷すぎるわけなんだが……」
「気にしないで続けて」
「お前が負けた途端に茶化すようなコメントがいくつもついて、凄い悔しかったんだよ!!」
「気にしたら負けだよ。匿名だから好き放題言ってきてるけど、こっちも向こうの顔を見ずに済むんだから、そこは割り切らないと」
桐乃は強いな。俺はこいつらをホントにどうにかしてやりたい気分だぜ!
「とは言うものの、本当のとこ言うと、あたしもイラついてないと言ったらウソになる。
だから京介、そいつらの代わりにちょっと殴らせて」
「おい、冗談だろ?」
「……うん、冗談。京介殴ったってどうしようもないし、だいたい……」
「大体、何だよ?」
「言わなきゃダメ?」
「ああ、」
「……だいたい、京介殴れるわけないじゃん。こんだけあたしのこと思ってくれてる兄貴を」
「桐乃……」
「たとえ999人があたしのことを非難しても、京介があたしのことを応援してくれるなら、あたしは頑張れる。
京介の言うことなら、あたしは何でもできそうな気がするんだ」
桐乃がそこまで俺のことを信頼してくれてるとは、本当に嬉しかった。今なら、
「そうか、ならよかった。それなら……」
「何? 言ってみて?」
俺は意を決して、桐乃に語り掛けた。
「頬っぺたにチューしてくれないか?」
「バ、バカっ。それとこれとは話が違うから! しないかんね………今は」
「そうか、悪かったな」
ダメモトで言ってみたが、やっぱり駄目だよな、そりゃ。チクショー、赤城の野郎め……
「………。」
「悪かった、悪かったよ。じゃあ残念会しようぜ。飲み物と菓子持ってくるわ」
「仕方ないなぁ、そんなに言うなら付き合ってやっか♪」
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最終更新:2011年10月07日 23:56