47 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 15:48:21.97 ID:o/99Y8Ob0 [4/16]
タイトル:『骨と関節の日』

「ねぇ、ねぇ、今日は『骨と関節の日』の日なんだって」
「変な日があるもんだな」
「それでね、お願いがあるんだけど・・・・・」

桐乃は上目遣いで俺の顔を覗き込む。

「お願いって、まさか骨折らせろとか物騒なこと言ってくるんじゃないだろうな?」
「そんな、あやせみたいなこと言わないよ」
「おまえ、親友にさらっとひどいこと言ってるな」
「ははははは・・・・・」

と苦笑いを浮かべる。
桐乃、あやせならマジやりそうだけど、思ってても言ってはいけないことはあるんだぞ。

「俺に物理的ダメージを食らわせないなら聞いてやってもいいぞ」
「それは大丈夫、絶対に物理的ダメージは与えないから」
「そうか、ならお願いを聞いてやろう」
「絶対だかんね」
「ああ、約束する」

桐乃は「やったぁ」と喜びながら、台所に走っていく。そして冷蔵庫から何かを取り出し
てリビングに戻ってくる。

「おい、これはなんだ」
「ヨーグルトだけど」

テーブルにカップのヨーグルトが置かれる。

「それはわかる、何でさっきのお願いと関係があると聞いている」
「へへへへ・・・・・」

と照れ笑いを浮かべると、桐乃はおもむろにスプーンでヨーグルトを掬うと、俺の口の前
に持ってくる。

「はい、あーーーん」
「意味わかんないんだが・・・」
「うっさい、さっき約束したじゃん」
「・・・わかった」

俺は覚悟を決めて、それを口に入れた。
「それじゃ、今度はあたしに・・・」と桐乃は、スプーンとヨーグルトを俺に渡す。
俺はそれを受け取ると、同じようにして桐乃の口の前にスプーンを差し出す。

「ほらよ」
「『ほらよ』じゃないよ、『あーーーん』でしょ」
「・・・・・・・・あーーーん」

満足した顔で桐乃は、ヨーグルトを口に入れる。
そしてまた桐乃がスプーンで掬うと、「あーーーん」と言いながら俺の口にヨーグルトを
入れる。

こんなことを繰り返していくうちに、いつしかヨーグルトは空になった。

「おい桐乃、何の意味があるんだよ」
「だからその・・・・・」

耳まで真っ赤にしながら桐乃はもじもじしている。

「だからなんだよ」
「だから・・・その今日は『骨と間接』の日だから・・・その間接キ、キキ・・・・・ス
を」
「おまえ、それ字が違う」

俺は物理的ダメージを受けなかったが、精神的なダメージでライフが0になりそうにだっ
た。

Fin




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最終更新:2011年10月09日 22:09