850 名前:【SS】海外旅行に向けて[sage] 投稿日:2011/10/19(水) 19:07:14.86 ID:sKrphukF0 [5/6]
桐乃「今日は海外旅行の日なんだって」
京介「そうなのか。
とは言っても、いきなり海外旅行に行けるわけないだろ?」
桐乃「別に海外旅行をする日じゃなくて、1019で「遠(10)くへ行く(19)」……海外旅行について考えたりする日なんだってさ」
京介「そうか。でも海外旅行ねえ……親父が長期休暇取るのは難しいし、俺たちには縁のない話だよな」
桐乃「別に家族全員で行かなくても、あたしたちだけでもいいんだけど。
あんたも来年は大学生だし、あたしも高校生なんだからさ、あんたが保護者役になれば認めてもらえると思うよ」
京介「親父が認めてくれるかぁ?危険だって反対されると思うぜ」
桐乃「あたしは海外留学してたし、あんただって一人でアメリカまで来れたじゃん。
二人とも実績あるんだから、何か言われても簡単に押し切れるよ。
あとはお母さんを味方につけておけば確実だね」
京介「それもそうか。それなら他の奴らも誘って……」
桐乃「う~ん。さすがに黒猫とかあやせとか、他の家の子たちを誘うのは無理だと思うよ?
なんかあった時に責任取れないから」
京介「親父一人を残してお袋がついてくるとも思えねえし、そうなるとおまえと二人きりか……」
桐乃「あんたと二人きりなのは嫌だけど、あたし一人だとさすがに認めてもらえないと思うし、仕方ないからついてくるのを許可してあげ
る」
京介「へいへい、ありがとうな。
海外旅行か……春休みに行くにせよ、夏休みに行くにせよ、小遣いを貯めないとな。
受験に合格したらバイトでも始めるか」
桐乃「あたしから言い出したんだし、旅費くらいあたしが持つよ?」
京介「そういうわけにもいかねえだろ?
妹に海外旅行奢ってもらうのなんか恥ずかしいし、ただでさえ旅行中には言葉とか、おまえに頼ることが多いだろうからな」
桐乃「旅行中に妹に頼りっぱなしなのも十分恥ずかしいと思うけど」
桐乃(どうしよう……京介がバイト始めたら一緒にいられる時間が少なくなるし……
……そうだ!)
桐乃「ねえ、それなら良いバイト紹介してあげようか?」
京介「良いバイト?」
桐乃「うん!
あたしモデルに復帰したでしょ?
だからあたしの付き人してくれない?」
京介「桐乃の付き人か……」
桐乃「無理にとは言わないし、できるときだけでいいからさ。
事務所の方からも少しはお給料出してもらうけど、あたしの方からもあんたの働き具合に応じて海外旅行用に積み立てるから。
そうすればあんたも今よりもあたしと一緒にいられて嬉しいし、
あんたが近くにいると美咲さんが海外スカウトして来れないしで一石四鳥でしょ?」
京介「俺におまえの付き人が勤まるかはわからんが……そういうことなら快く引き受けさせてもらうぜ!」
桐乃「じゃあ契約成立ね。
仕事は今日からしてもらうから」
京介「へ?今日から?
今から撮影があるのか?」
桐乃「ないよ?」
京介「じゃあなんで……」
桐乃「あたしは『モデルのときの付き人』じゃなくて『あたしの付き人』って言ったじゃん。
撮影の時以外にも色々しなくちゃいけないことあるから、それを手伝ってもらうの」
京介(『あたしの付き人』か……確かにそう言ってたな。
また色々と面倒なことにつき合わせるつもりか?)
桐乃「あんたは付き人見習いだから、まだ簡単な仕事しか頼まないから。
嫌なら断ってもいいし」
京介「例えばどんな仕事だ?」
桐乃「お風呂上りに髪を梳いてもらったり、マッサージしてもらったり、休日にショッピングに付き合ってもらったり……」
京介「それくらいなら問題ないな」
桐乃「あと、これから寒くなるから、あたしが身体を冷やして体調を崩さないように、抱きしめて寝たり……」カァァァァ
京介「へ?今なんて言った?」
桐乃「だから、ギュッとして寝るだけの簡単なお仕事!
……イヤなら断ってもいいんだけど……どうする?」チラッ
京介「……仕事に貴賎はないよな。
よし!その役目、喜んで引き受けてやるぜ!」
桐乃「うん!
京介の働き、期待してるからね!」
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最終更新:2011年10月20日 05:26