221 名前:【SS】話は聞かせてもらったぞ!人類は滅亡する! 1/2[sage] 投稿日:2011/10/28(金) 19:33:05.89 ID:67KAEPhj0 [6/8]
桐乃「今日世界が滅びるんだって」
京介「は?」
桐乃「マヤ暦ってあるでしょ?
あのノストラダムスの予言とかみたいに終末論で言われてるヤツ。
あれの最終日が2011年10月28日なんだって」
京介「な、なんだってー(棒)
それは本当かキバヤシ!」
桐乃「2012年て説もあるけどね。
ねえ、もし今日が世界最後の日ならあんた何したい?」
京介「そうだな……やりたいことが多すぎて決められねえな」
桐乃「あんたってそうやって考えてるうちに一日終わっちゃいそうだよね」
京介「うるせぇ。そういうおまえはどうなんだよ」
桐乃「あたしは日々悔いのないように頑張ってるから特にしたいことはないかな。
まあ最後だから、みんなと集まってお話したり、カロリーを気にせずスィーツ食べたり。
あと、積みゲーしたまま死んだら成仏できないから、ちゃんと全部クリアしとかないと。
シスシスも最後にプレイしたいし……」
京介「なにが『悔いのないように頑張ってるから特にしたいことはないかな』だ。
やりたいことだらけじゃねえか」
桐乃「うっさい。何も決められないあんたよりマシだから」
京介「俺は決まったぜ」
桐乃「ふ~ん。何したいの?エロゲ?」
京介「ずっと桐乃と一緒にいる」
桐乃「へ?」
京介「一緒に他愛の無い事喋ったり、ご飯食べたり、ゲームしたり、お風呂入ったりする。
せっかくだから死んでも忘れないように、飯はお前の手作りがいいな。
おまえの隣にずっといて、それで世界が終わっても悔いなんかねえよ」
桐乃「さ、流石に生粋のシスコンだね。
……一つ聞き捨てならないのがあったし」
京介「おまえだってブラコンだろ?」
桐乃「そ、そうかもだけど、あんたみたいに重度じゃないし!
……まぁ最後なんだし、一緒にいたいなら側にいるのくらいは許可してあげる」
京介「へいへい。
……ありがとうな」
・・・・・・夜・・・・・・
京介「ん~!
もうこんな時間か。部屋に戻った桐乃はもう寝たかね?」
京介(結局世界は滅びなかったな。
まあ、おかげで一日中ずっと一緒にいられたからいいんだけどよ。
さすがに風呂までは一緒じゃなかったけどな)
京介「……手作りの飯がいいは言い過ぎたよな。
おかげでリアルに世界滅亡風景を垣間見ることになったぜ」
コンコン
桐乃「ちょっといい?」
京介「いいぜ」
がちゃ
222 名前:【SS】話は聞かせてもらったぞ!人類は滅亡する! 2/2[sage] 投稿日:2011/10/28(金) 19:33:26.15 ID:67KAEPhj0 [7/8]
京介「どうしたんだ、桐乃?
枕なんか持ってきて……」
桐乃「…………」ボソ
京介「なんだって?」
桐乃「……たの」
京介「もっとはっきりと言ってくれ」
桐乃「だから!もし世界が終わっちゃったらどうしようとか考えてたら、怖くなって眠れなくなっちゃったの!」
京介「世界が終わるのが怖くなった?
おまえが?」
桐乃「わ、悪い?」
京介「悪くはねえよ。むしろおまえにそんなところがあって可愛いと思うね」
桐乃「か、可愛いって……」カァァァ
京介「けどよ、それと枕と何の関係があるんだ?」
桐乃「その……」
京介「なんだ?」
桐乃「怖くて寝れないから、一緒に寝て欲しいんだけど……ダメ?」オズオズ
京介「もうマヤの予言の日は終わったんだろ?
ならもう怖くないはずだろ?」
桐乃「はぁ……マヤってメキシコでしょ?
日本とは半日くらい時差があるからまだ終わってないじゃん」モゾモゾ
京介「そういやそうか」
桐乃「もっとグローバルに考えてよね」モゾモゾ
京介「……桐乃、そんなにモゾモゾ動くな」
桐乃「お、落ち着かないんだから仕方ないじゃん。
あんたのベッドが狭いのがいけないんでしょ?
というか、もっとそっち行ってよ」モゾ
京介「これ以上向こうに行くと壁とベッドの隙間に落ちるんだよ。
……ところで桐乃、一つ聞いていいか?」
桐乃「なに?」
京介「おまえ、世界が終わることを考えて、何が怖くなったんだ?」
桐乃「…………」
京介「言いたくなけりゃ別にいいけどよ」
桐乃「…………昼間さ、いつも悔いの無いように頑張ってるって言ったじゃん?
あれ、ウソ」
京介「…………」
桐乃「毎日毎日できなかったこととか、素直になれなかったこととか、言えなかったこととか思い出して、
反省したり後悔したりしてる」
京介「…………」
桐乃「そのまま、素直になれないまま、伝えたいことも伝えられないまま、世界が終わっちゃうことを考えたら、
すごく怖くなっちゃったの」
京介「…………」
桐乃「たぶんさ、今日で世界が終わっちゃうとしても、あたし全然素直になれないと思うんだ。
本当にしたいこともできないまま、世界が終わっちゃう気がする」
京介「……それならどうするんだよ?
ずっとそのままでいるつもりなのか?」
桐乃「まさか。こういうのは、時間をかけてゆっくりとやってかないとダメなの。
……だから、これからもよろしくね」
京介「……ああ」
桐乃「…………」
京介「…………」
桐乃「…………ねえ、手を握ってもいい?」
京介「………………」キュッ
「おやすみ、京介」
「おやすみ、桐乃」
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最終更新:2011年10月30日 12:50