481 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/11/11(金) 01:55:39.79 ID:RwvPcMmU0 [2/3]
タイトル:ポッキーの日

「なによ、あんた・・・一人でポッキー食べてんじゃないわよ」

俺が部屋でポッキーを食っていると、ノックもせずに部屋に入ってきた桐乃が開口一番そ
んなことを言った。

「おまえも食うか?」
「食べるに決まってんでしょ」

桐乃はそう言うと、俺の手からポッキーをひったくってベッドに腰を降ろす。

「桐乃、全部食うんじゃないぞ、俺のなんだから・・・」
「バカ、あたしだってそんなに意地汚くないって。はいあんたもひゃべれば」

そう言いながら、こともあろうか口にポッキーを咥えて俺のほうに突き出してくる。

「おまえっ・・・・なんてことしてんだよ」
「うっさいな、こんなの兄妹の戯れ合いだって思えばいいじゃん、あんたは意識しすぎ
なの」

桐乃は、再びポッキーを咥えて俺のほうに突き出してくる。

「おまえがそう言うんなら・・・まあ兄妹だし・・・」

少し恥ずかしかったが、ポッキーを咥えると端から食べ始める。俺の目の前にある桐乃の
顔は、ニコニコしていて恥ずかしがるというよりは、恥ずかしがっている俺を楽しんでい
るようであった。

「ふふふっ、なにあんた赤くなっちゃってさ、ほんとシスコンなんだから」

ポッキーを何とか食べ終え、疲労感全開の俺に向かって桐乃がそんなことを言う。

こいつ、なんでこんなに楽しそうにしてんだよ・・・・・

「おまえな、俺のことからかって楽しいのかよ。そんなことやってっと、俺も勘違いしち
まうだろ」
「キモッ!戯れ合いに何勘違いしてんのよ。まあ・・・あんたがキスしたいってんなら別
にいいけど」

そう言って、桐乃は今度はポッキーを咥えずに唇を突き出してくる。しかし桐乃の口元に
はチョコが付いていて、キスのおねだりというよりは、ほんとに子供の戯れ合いにしか見
えない。

「そんな口にチョコ付けたようなままで言われてもな」

俺は桐乃の科白とチョコを付けた口元のギャップに思わず笑い出してしまう。

「なっなに笑ってんのよ、どこ?どこについてんのよ?」

桐乃は慌てて口元を拭うが、検討違いの場所を拭っていてなかなかチョコを取ることがで
きないでいる。

「しょーがねーな、今取ってやるからじっとしてろよ」

俺はそう言うと、桐乃の口元に付いたチョコを指で拭ってきれいにしてやると、指に付い
たチョコを舌で舐め取った。

「ほらよ、きれいになったぞ」
「なななななんてことしてんのよ、このシスコン!」

口元をきれいにしてやったにも関わらず、桐乃は顔を真っ赤にして怒り始めてしまう。

「おまえ、何怒ってんだよ?」
「あんた、今あたしの口元についたチョコ、自分の口に入れたでしょ」
「ああ、すまん、拭くもんなくてついやっちまった。おまえだってキスしていいとか言っ
てたんだから、これくらいいいんじゃねーのか?」

俺はさっきまで桐乃にからかわれたお返しとばかりに、少しからかってやろうと思った。

「ふんっ!ならあたしも、あんたに付いてるチョコ取ってあげる」
「なっ?俺にも付いてんのかよ」

桐乃に言われ、俺は慌てて口元を手で拭う。しかし桐乃と同じように見当違いのところを
拭っているのか、桐乃の表情を見ると取れていないようである。

「なにやってんのよ、あんたは・・・・・しょうがないな、あたしが取ってあげる」
「おうそうか、そんじゃ取ってくれ」

俺は桐乃にチョコを取ってもらうことにした。
すると桐乃は俺に顔を近づけると、ペロっと舌を出して俺の口元を舐めた。

「------っ!」
「ふん、あたしをからかった罰よ」

そう言って、桐乃はソッポを向くと手に持ったポッキーを食べ始めるのであった。

Fin




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最終更新:2011年11月12日 06:36