769 名前:合体しちゃった【SS】[sage] 投稿日:2011/12/02(金) 04:09:08.80 ID:8YTM9Oz+O [2/2]
ある日のこと、俺は桐乃の部屋に呼び出された。なんでも、面白いものを見せたいとのことだ。
「で、面白いものって何だよ?」
「興味ある? なら特別に見せてあげようかな」
桐乃は、何やらプリントされた紙を差し出してきた。
「……なんじゃ、こりゃ?」
紙には、どうやら赤ちゃんの顔らしきモンタージュ風の写真が印刷されてた。しかしこの顔、何だかどこかで……
「これ、あたしの赤ちゃん」
「何ぃ???」
「あたしに子供ができたら、どんな顔の子供ができるのか、写真を使ってシミュレーションできるの。
で、これがその結果。やっぱあたしの子供だけあってチョー可愛いし♪」
「はいはい。ところで、赤ちゃんの顔ってことは父親の要素もあるわけだが、相手は誰だよ?」
「相手ねえ、そんなに気になる?」
「当たり前だろ」
「じゃあ教えてあげる。シミュレーションであたしの相手を務めたのは、京介って名前のドヤ顔な奴」
なんだ、俺だったのか。ならいいや……って、あれ、なんか、なんかおかしいような???
※※※
「ちょ、ちょっと待て。何で相手が俺なんだよ」
「何か問題でも?」
「だ、だって俺とお前の子供ってことは、二人が結婚して、その、なんだ…」
「うわあ、あんた何マジになってるワケ? チョーキモいんですけど♪」
「う、うっせえ……」
「ヤダヤダ、あんた顔真っ赤な上に涙目になってるしw」
もう止めて、俺のライフはゼロよ……
「だ、だいたいだな。こんなシミュレーション当てになんねーよ。
実際やってみなきゃ子供がどっち似になるかなんて分かんないだろ!」
「ちょ、あんた今何て言った?」
「ん、だから実際やってみなきゃ分かんないだろって」
「あ、あんた何言っちゃってくれてるワケ??」
「は? さっぱり分からんが。で、何でお前そんな急に興奮してるんだ?」
まるでさっきまでの俺みたいに、こんどは桐乃が顔を真っ赤にしていた。
「うっさい、実際やってみるって、あたしと実際にやってみるってことじゃん……し、しないかんね」
「だから何を? ああ、やっと意味が分かった。お前と俺が子づく…」
「口に出して言うなバカ!!!」
こうして俺は妹様から散々叩かれたり蹴られたりしたわけだが
流石に、「ありがとうございます!」なんてキモい返事はせずに、ただひたすら耐えるのであった。
※※※
「……気が済んだかよ。桐乃?」
「怒んないの?」
「元はと言えば俺が原因だからな」
「ふうっ、ホントあんたって誰にでも優しいんだから……ま、でも……
だから、京介をあたしの相手にしといて間違いはなかったのかもしれない」
「褒めてくれてありがとな……それはそうと、このシミュレーションなんだが、もうちょっと俺の要素増やせたりしないのか?」
「うん、できるできる。例えばね……」
こうして俺たちは、赤ちゃんの顔のシミュレーションにはじまり、
赤ちゃんの名前や結婚式場、新婚旅行やら新居やら、いろんなシミュレーションをしてみたのだった。
「ねえ、京介。最後に、あのシミュレーションをしてみない?」
「おう、桐乃。やってみるか。じゃあその前に…」
俺はベッドの下に誰もいないのを念入りに確認してから、桐乃とあのシミュレーションを始めた。
……あくまでもシミュレーションだからな……
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最終更新:2011年12月02日 11:50