352 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/28(火) 19:42:52.31 ID:Zn9YJ4S50 [2/2]
あれは思い出したくもないけど、俺が一人暮らしを始めて2ヶ月ほど経ったころのことだった・・・
俺はこの冬、とある理由で、親と一緒に住んでいた実家を離れて、一人暮らしをすることになった。
不安も多かったけど、やがて一人暮らしにもなじんできた。
そんなころ、妹の桐乃が俺のアパートに遊びにくることになった。
二人ともお互いに忙しかったので、会うことが少なかったんだ。
そんなこともあって、俺は久しぶりに桐乃が遊びに来ることをとても楽しみにしていた。
その日、桐乃は約束どおり俺のアパートへやってきた。
しばらく会ってないように思ったけど、まったく変わっていない桐乃になんだか安心した。
「京介・・・ひさしぶりだね!」
「桐乃もひさしぶりだな。部屋にあがれよ。」
俺はこころよく桐乃を部屋に上げた。
早速お菓子とお茶を入れて、桐乃とエロゲーを始めた。
2ヶ月間しか離れてないといっても、次から次へとエロゲーは発売されるもんだから、話は一向に終わる気配が無い。
どんなエロゲーをしているのか、どんなエロゲーを買ったのか、かわいい妹はいるかなどなど話題には不足しなかった。
結局一息ついたときには、かなり遅くなっていた。
「もうこんな時間になっちゃったな」
「うん、いろいろ話したもんね。京介のエロゲセンス、結構良くなったし」
エロゲのセンスを褒められるのはアレだが・・・
まぁ、それでも喜んでくれて良かったな。
「ところで、桐乃?おまえ、帰りの時間大丈夫か?」
「え、えっと・・・そろそろ終電の時間・・・かな?」
桐乃はそんなことを言いつつも、時計を見ようともしない。
「なあ、桐乃、明日何にも予定がないなら俺の家に泊まっていけよ」
せっかく遊びに来たのに、このまま帰すのはもったいねえだろ?
「そっ、そうだね、明日はお休みだし、京介の部屋に泊めてもらおうかな~」
話が決まったところで、二人の好きなエロゲをプレイして、
そうしているうちに、よくわからないが二人で寝ることにした。
ベッドは狭い上、桐乃の荷物も置いていたから、仕方なく・・・
そう。仕方がないから、来客用の布団をベッドの横に敷いて、二人でその中に潜り込んだ。
そして、電気を消して1時間ほどたった頃だっただろうか・・・
俺に馬乗りになった桐乃が、ビンタをしてきたので目が覚めた。
「ねえ、京介、コンビニいかない?」
俺を急に起こしておいて、その言い分はねぇだろ?
「おい、桐乃。今、何時だと思ってんだ?」
俺は急に起こされたので、不機嫌そうに言った。
だが、桐乃は俺をゆすりながら
「いいじゃん、行こうよコンビニ。あたし、急にアイスが食べたくなっちゃった!」
「ひとりで行けばいいだろ!それにコンビニなら、このアパートの3軒となりに―――」
「いいから一緒に行こうよ!ねえ京介!」
桐乃ってこんなわがままでブラコンだったか?
いや、ブラコンはブラコンだろうが・・・
まあ近所のコンビニだし、すぐに戻ってまた寝ればいいか。
「しょーがねぇなー、コンビニ行くぜ~行けばいいんだろ?」
「本当?ありがとう!」
というわけで、俺は桐乃のわがままを微笑ましく思いながら、桐乃とコンビニへ行くことにした。
服を着て部屋を出てアパートの階段を下りると、いきなり桐乃が俺の手を凄い力で握り締めて一気に走り出した。
俺はおどろいて、手を握られたまま桐乃と同じように走る格好になってしまった。
毎度のことながら、ワケのわからねー行動に出やがると思いつつ、とりあえず、桐乃に確認をしてみた。
「桐乃、さっきからどうした?それにコンビニ行くんだろ?こっちは駅の方角だぜ?」
「大きな声を出さないで!今から駅前にある交番にいくの」
「え?交番?なんで交番??」
そして、桐乃はこう言いやがった。
「だって、あたし、みちゃった・・・京介のベッドの下に、包丁を持った女が隠れているのを!」
結局、その女は警察に逮捕されなかった。
現場に残された包丁や手錠、ライターからも、その女を特定することが出来なかったそうだ。
そして、今、よくよく考えてみると・・・
もし桐乃が起こしてくれず、二人とも完全に寝てしまったら、きっとベッドの下から這い出してきた女に・・・
「ねぇ。お・に・い・さ・ん」
SS『ベッド下の女』End.
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最終更新:2012年03月04日 06:34