212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 20:13:04.86 ID:qNilr8Gx0
SS『となりの加奈子』
※これは過日劇場公開されたばかりの、スタジオアヤセ製作『となりの加奈子』のあらすじとレビューになります。
『千葉の山の加奈子』『天空の白、妹パン』などで評価が高いスタジオアヤセの最新作と聞いて早速劇場へ。
「家族みんなで楽しめる」との前評判に、超満員の劇場は老若男女様々な年齢層の人であふれていました。
特に家族連れが目立ち、たったひとりで見に行った自分がちょっと浮いてるようにも感じました。
そんな中、気になったお客さん発見。
高校生か大学生風のラブラブカップルなんですけど、劇中の高坂兄妹にそっくり!
人目もはばからずキスしっぱなしで、正直こっちが恥ずかしくなっちゃいました。
・・・つーか、女の方、トモダチの桐乃に似てるっつーか・・・
ま、そんなことあるわけないよね?
さて、気を取り直して映画館の中へ。
映画が始まるまでのこの瞬間、やっぱ、すっごく緊張しますよねっ!
館全体が暗くなり、上映が始まります。
早速、楽しげな音楽にのせてオープニングが流れ始めます。
『埋っめっよ~ 埋っめっよ~
わたしは げんき~
埋めるの~ 大好き~
どんどん 埋めよ~
加奈子に~ 黒猫~ お兄さん~
桐乃スレ民~ あやせスレ民も~
真っ赤に染めて~ 埋め立て中』
・・・・・・・・・家族向け?
それはともかく・・・
はじめのシーンはのどかな農村風景。
高校生になる桐乃は、兄パンと一緒に田舎の一軒家に引っ越してきました。
それは、妹婚という不治の病にかかったお兄ちゃんを、
人目をはばからずにイチャイチャできる家に迎え入れるためでした。
さっそく荷物を運び入れる桐乃。
そこに、村の少女たちがひやかしにやってきます。
「ククク・・・その家には『這い寄る混沌』が住み着いてるのよ・・・」
「いやー、拙者、沙織・バジーナと申します、以後お見知りおきをっ!」
あからさまに不審な姿の二人の歓迎に桐乃は面食らいましたが、
実際、その家で最初に桐乃を迎えたのは、『うへぇ』というえもいわれぬ奇妙な声だったのです。
姿も見えない奇妙な隣人に、さすがの桐乃も少し不安になります。
でも、兄パンと一緒に入るお風呂の中、そんな不安も吹き飛んでいきました。
さて、そんなある日、桐乃は庭で奇妙なモノに出会いました。
『地面から突き出してるアホ毛だけ』です。
あまりにも意味不明で何が起こっているのか全くわかりませんが、桐乃が観察しているとゆっくりゆっくり左右に揺れ、
気が付けば桐乃は、アホ毛の前で眠り込んでしまいました。
桐乃が気が付いた時にはアホ毛は居なくなってしまっていましたが、
とりあえず、桐乃はアホ毛の事を『加奈子』と呼ぶ事にしました。
それから少しして、ふたたび桐乃は加奈子に出会いました。
雨の日の夕方、「様子を見に行く」と言ったお父さんをバス停まで迎えに行く桐乃。
乗ってくる予定のバスにお父さんは乗っていませんでした。
でも、お父さんは言った事は必ず守る人。次のバスには乗ってくるのでしょうか?
そうして、バスを待ち続ける桐乃ですが、田舎なので中々バスが到着しません。
そんな中、いつの間にか隣で加奈子がバスを待っているではありませんか!
お互いに話しかける事も出来ない二人は、ただただバスを待ち続けます。
よく見ると、加奈子は『コスプレ』と言うのでしょうか?露出の高い服を着て、ずぶぬれです。
可哀想に思った桐乃は、お父さんに渡すつもりだったメルル柄の傘を、加奈子に渡してあげました。
これには加奈子も大喜び。涙まで流して喜んでいます。
そうしているうちに、遠くの方から光が差してきました。
「やっとバスが来た!」そう思うのも束の間、やってきたのはなんと魔法(事務所)のミニバン。
中から現れたあやせたんに首根っこをひっぱられ、加奈子はドナドナされていきました。
加奈子が去ったあと、後に残されたのは、メルルのステッキ。
桐乃はそれを庭に植え、はやくアホ毛が育たないかなと思うのでした。
加奈子とバス停で出会って数日。
中々毛の出ないステッキに残念そうな様子の桐乃。
ある日の晩、うとうとしている桐乃の耳に、奇妙な声が聞こえてきました。
「めーるめるめるめるめるめるめ めーるめるめるめるめるめるめっ!」
慌てて外に飛び出すと、なんとメルルのステッキの周りで、加奈子が踊ってるではないですか!
しかも振り付けも完璧!
一緒になって桐乃も踊っていると、加奈子はメルルに変身してしまいます。
たまらず桐乃は加奈子に抱きつきます。
「めっ、メルちゃんかわいいよぉ~~~~
ぐふっ、でゅふふっ!かなかなちゃ~~~ん♪あたしの妹にならない~?」
・・・正直マジキモイんですが、このシーン。
と、ともかく、メルルコスの加奈子を好きなだけprprして大満足の桐乃。
でも、目が覚めると、あんなにもprprしたハズの加奈子が居ません。
落胆する桐乃でしたが、視界の隅に何かを見つけます。
そう、あのメルルステッキの横に、ちょこんと1本のアホ毛が生えたのを見つけたのです。
「夢だけど、夢じゃなかった!」
大喜びの桐乃。
きっと、あやせたんからの贈り物なんでしょうね。
そんな不思議な出来事が色々とあって、桐乃も村の生活にだいぶ慣れてきました。
そんなある日、お兄ちゃんの幼馴染から連絡がありました。
どうやらお兄ちゃん、妹分が足りなくて禁断症状が出てしまい、村に来るのが遅れるというのです。
桐乃はとっても落胆してしまいますが、人前では出さないように我慢します。
そうしているうちに、これまで一緒に暮らしてきた兄パンがなくなってしまいます。
きっと、寂しくなって、京介を探しに出ちゃったんだ・・・
そう考えた桐乃は、必死に兄パンの行方を追いますが見つかりません。
大事な大事な兄パンなのに、捨てられたりしたらどうしよう・・・
不安と焦燥でいっぱいの桐乃の目に、庭に生えたアホ毛が飛び込んできます。
「お願い、助けて!兄パンが無いのっ!」
桐乃の必死の思いが通じたのでしょうか。
「うへぇ」の声と共に、加奈子は穴から飛び出し、魔法のミニバンを呼び出しました。
そして、すぐに兄パンの所まで桐乃を連れて行ってくれたのです。
兄パンを見つけて安堵の表情を見せる桐乃。
それを見ていたミニバンの中のあやせたんは、諦めたような表情をすると、
再び桐乃をミニバンに乗せてひとっ走り。桐乃をお兄ちゃんのところに連れて行ってくれました。
窓から中を覗き込むと、妹パンに顔を突っ込んで悶えている桐乃のお兄ちゃん。(キモすぎるんですが)
桐乃はお土産に、自分の今はいていたパンツを部屋に投げ入れると、
あやせたんと一緒に帰っていくのでした。
村に戻ると、村の娘達が心配して出迎えてくれます。
三人と1枚の楽しそうな表情を見ながら、
加奈子はひっそりとあやせたんに埋められているのでした・・・(終)
エンディングは村に来る事のできた桐乃のお兄ちゃんと桐乃のイチャイチャ生活の様子が流れる中、
二人の今後を祝福するような歌で〆られました。
さて、すさまじいストーリーの映画でした・・・
でも、結構一般受けはいいみたいで、子供たちの楽しそうな笑い声が周りから結構聞こえていましたし、
後半は桐乃の気持ちに感情移入して、泣き出す子まで居ました。
本音を言うと、マジキモ過ぎるブラコンストーリーだったんですけど、
人間の本質的感情である『愛』を見事に描ききったという点では評価できると思いました。
それと、かなかなちゃんマジかわいい♪
わたしのトモダチにも加奈子って娘が居るんだけど、あんなに可愛かったらなー
ただ、あの、メルルステッキの周りで踊ってるシーン。
あの変身シーンあざとすぎ。っつーか、あれ、いいの?一般向けで?
まあ、あんまり文句言う人も居ないようなので、魔法少女の定型として受け入れられてるのかもしんないですけど。
話はちょっと飛んでしまいましたけど、全体としてはとっても楽しかったです。
音楽のレベルも高く、絵もずっと綺麗でした。
そして、人間の普遍的な気持ちが前面にでてるこの作品、どんな年代の方にもオススメできますし、
かなかなちゃん目当てのオタクの人でも楽しめるかと思います。
きっと、かなかなちゃんの不思議な魔法と、桐乃の優しい気持ちが
心の中に残ってくれると思います。
れびゅあー:らん
End.
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最終更新:2012年07月05日 10:40