338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 02:12:47.47 ID:QMN4dXcU0

SS『妹取物語』桐,京,麻,沙,黒,あ,加


【原語版】

今は昔、御簾田(みすた)妹道といふ者ありけり。
御宅(おたく)に入りて絵炉気(えろげ)をとりつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、高坂京介となむ言ひける。
その絵炉気の中に、光る絵炉気なむ一筋ありける。あやしがりて寄りて見るに、箱の中光りたり。
それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。
妹道言ふやう、「我、朝ごと夕ごとに見る絵炉気の中におはするにて、知りぬ。妹となり給ふべき人なめり」とて、手にうち入れて家へ持ちて来ぬ。
うつくしきことかぎりなし。いと幼ければ須磨穂(すまほ)に入れて養ふ。

この妹のかたちけうらなること世になく、屋のうちは暗き所なく光満ちたり。
妹道、心地あしく苦しき時も、この妹を見れば、苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。

この子いと大きになりぬれば、妹道、くんかたんの桐乃とつけつ。

世界のめのこ、貴なるも卑しきも、いかでこのくんかたんを得てしがな、見てしがなと、音に聞きめでて惑ふ。
人のものともせぬ所に惑ひありけれども、なにの験あるべくも見えず。
妹道にものをだに言はむとて、言ひかかれども、ことともせず。
おろかなる人は、「ようなきありきは、よしなかりけり」とて、来ずなりにけり。

その中に、なほ言ひけるは、色好みと言はるる限り五人、思ひやむ時なく夜昼来ける。
その名ども、這い寄る地味子・千葉の堕天聖黒猫・沙織ばじーな大尉・殺戮の聖天使あやせ・星くず☆うぃっち加奈子、この人々なりけり。

これを見つけて、妹道、くんかたんに言ふやう、「この人々の年月を経て、思ひ定めて、ひとりひとりにあひ奉りたまひね」と言へば、
くんかたんのいはく、「五人の中に、ゆかしきものを見せたまへらむに、御志まさりたりとて、仕うまつらむと、そのおはすらむ人々に申したまへ」と言ふ。
「よきことなり」とうけつ。

這い寄る地味子は、心たばかりある人にて、妹道に供御を出だしけり。
くんかたん見ゆべくもあらざりければ、地味子は立つもはした、ゐるもはしたにてゐたまへり。
日の暮れぬればすべりいでたまひぬ。

千葉の堕天聖は、枡化羅(ますけら)をとりて、くんかたんの家に持て来て見せけり。
くんかたん目にも入れざりければ、言ひかかづらひて帰りぬ。

ばじーな大尉は、その時一の宝なりける匠六人を召し取りて、かみにくどをあけて、妹本を作りたまふ。
これをくんかたん聞きて、われは大尉に負けぬべしと、胸うちつぶれて思ひけり。
かかるほどに、門をたたきて、「くんかたんに見せ奉りたまへ」と言へば、妹道持ちて入りたり。
くんかたん、妹やあると見るに、妹なし。義妹あり。
「まことに妹の本かとこそ思ひつれ。かくあさましきそらごとにてありければ、はやとく返したまへ」と言へば、
妹道答ふ、「返さむこといとやすし」とうなづきてをりけり。

殺戮の聖天使は、加奈子をいとかしこくたばかりて、女瑠瑠(めるる)にたがはす作りいでつ。
くんかたん喜びて、「なにをもちてとかく申すべき。加奈子に仕うまつらむ」と言へば、
殺戮の聖天使けしきばみて、加奈子を山に埋み置きたり。

かくて、言ひけるは、消え失せにけり。

妹道は、くんかたんととはにあひみけり。








【現代語訳】※分かりやすくなるようにある程度意訳をおこなっています。


今となっては昔のこと、ミスター妹道と呼ばれる者がいました。
オタクの中に入ってエロゲを確保しつつ、さまざまな事に『使って』いました。名前は高坂京介といいました。
彼が買っているエロゲの中で、光るエロゲが一本ありました。不思議に思って近寄ってみると、なんと箱の中が光っているのです。
その筒の中を見ると、三寸くらいの人がたいそうかわいらしい様子で坐っているではありませんか。
彼は「俺が毎朝毎晩するエロゲの中にいるから分かった。きっと俺の妹だ」と思い、手のひらに入れて家へ持ち帰りました。
何しろ可愛らしいことこの上ありません。そして、たいそう小さいので、スマホに入れて育てました。

この子の容貌の美しさには比類がなく、まるで家の中には暗い所がなく光に満ちているようです。
妹道は、気分が悪く苦しいときも、この子を見ると苦しさが消えてなくなりました。腹立たしいことも慰められました。

そうしているうちに、この子はたいそう大きくなったので、妹道は「くんかたんの桐乃」と名づけました。
(もちろん、この子の主食に由来しています)

世間の女たちは、身分が貴い者も卑しい者も、どうにかしてこのくんかたんを得たい、妻にしたいと、噂に聞いては恋い慕い、思い悩みました。
人が行きそうにない所をもさまようものの、何の効果もありません。
妹道にことづけようとして話しかけても、相手にもされません。
志が大したことない人は、「必要もない出歩きは、無駄だった」と言って、来なくなりました。

そんな中で、それでもなお言い寄ったのは、色好みと評判の五人です。恋心が止まず夜昼となくやって来ました。
その人たちの名は、『這い寄る地味子』『千葉の堕天聖黒猫』『沙織バジーナ大尉』『殺戮の聖天使あやせ』『星くず☆ういっち加奈子』であった。

この様子(五人の淑女たちの熱心な求婚ぶり)を見て、(イヤイヤながらも)妹道はくんかたんに
「あの変態たち(五人の淑女)が長い年月、ストーキングしてる事をよく考えろ。どれか一人と結婚してやってくれ」と言うと、
「あたしが見たいと思うものを見せてくれたら、その人の妻になってあげてもいいんだけどさ・・・」と答えました。
これを聞き妹道は「妹だし、しかたねえよな・・・」と承諾することになったのでした。

さて、はじめの挑戦者である『這い寄る地味子』は策略にたけた人であったため、妹道に食事を出して歓心を買おうとしました。
ところが、くんかたんは姿すらあらわそうとしなかったため、
地味子は立ち上がるのも、座っているのもきまりが悪く、闇にまぎれてこっそりと抜け出ていきました。

次の挑戦者『千葉の堕天聖』は、「マスケラ」なる円盤を携えてくんかたんの元に向かいましたが、
見向きもされなかったため、何も言えず帰っていきました。

次は『沙織バジーナ大尉』。
大尉は、当時、随一の宝とされていた絵師六人を(金の力で)召し寄せ、全財産を挙げて妹本の制作に取り掛かりました。
これを聞いて、くんかたんは、あたしは大尉に負かされてしまうに違いないと、胸がしめつけられる思いがしました。
こうしているうちに、門をたたく音が聞こえ「くんかたんに見せてほしいでござるよ」と言われたので、妹道はくんかたんに本を届けてあげました。
くんかたんは喜び勇んでどこに妹がいるかと探しましたが、なんと妹はいなかったのです。全て偽妹だったのです。
これにはくんかたんもカンカンで「本当に妹本かと思って期待したのに・・・。でも、これ全部偽妹じゃん!すぐに返してきて!」と言うのです。
妹道は一も二も無く「返すのはまあ簡単だよな」と、ほっとしながら返してしまったのでした。

こんどの挑戦者は『殺戮の聖天使あやせ』です。
あやせたんは、かなかなちゃんを大変上手く仕立て上げ、メルルと寸分違わぬようにしてくんかたんに届けました。
これにはくんかたんも大喜び。
「kjgなじdfぎうおあbdh!!!ふひっ!かなかなちゃんhshs・・・じゅるり、け、けっこんしよう!めるちゃん!!!!」
せっかく乗り気になったくんかたんでしたが、今度は逆にあやせたんがブチ切れです。
かなかなちゃんはドナドナされて、千葉の山に埋められてしまいました。

このようにして、くんかたんに求婚する人達は、皆、居なくなってしまったのです。

そして、妹道は、くんかたんと永遠に幸せに暮らしましたとさ。(※「あひみる」には性的ないm)



End.



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最終更新:2014年10月10日 23:00