469 名前:【SS】:2012/10/02(火) 02:10:01.53 ID:EbQ+FEVA0
SS『兄のベッドの下談議』です。

実は前スレから温めてたネタだが、このスレタイを見て投下せざるを得なくなった。



SS『兄のベッドの下談議』






「ねえ、あんた前になんでこういう妹モノのゲーム好きになったのかって聞いたじゃん。」

 ああ聞いたな。でもなぜ俺のベッドの下を捜索しながら話す。
 そうこうしているうちに桐乃は俺のコレクションを広げ、ある疑問を俺にぶつけてきた。

「じゃあさ、あんたのベッドの下の本はなんでメガネ物ばっかなワケ?」

 うぐっ。痛いところを突く。理由はあるっちゃあるんだが、果たしてここで言うべきか。
 桐乃の若干苛立った表情を見る限り、ちゃんと答えてやらないと俺の部屋から帰らない
 つもりだぞこれ。

「ちゃんと答えてよ。怒らないから。」

 これ、間違った答えをいうと怒られるんだろうな。
 いつになく真剣な顔でじっと俺を見つめてくる桐乃に観念した俺は、正直に話すことにした。

「俺のベッドの下、お袋にバレてるのお前も知ってるだろ。だからバレても最悪誤魔化せるように、
 当たり障りの無いものを選んでたんだよ。例えば、俺が妹物のエ……そういう本持ってたら間違い
 なく家族会議だ。」
「あー。だから妹モノがなかった……わけ。ふーん。ふーん……。」

 俺に背を向けたまま、桐乃は何か考え込んでいるようだったが何を思いついたのかこちらに向き直る。

「じゃあさ、ホントは妹モノの本、読みたかったの?」

 ブッ。どうしてそういう発想になる。さも俺が妹モノ好きと取れる発言をするんじゃない。
 それはお前だろうが。

「読みたかったんでしょ?」

 顔が近い。だがこれは実の妹だ別に意識することなど何もないはずだ。などと考えていると、
 桐乃は意を決したように次の言葉を口にした。

「あたし、シャワー浴びてくるから、1時間後、あたしの部屋に来て。」










 そうして1時間が過ぎ、俺は桐乃の部屋の前に立っている。
 最後に発した桐乃の言葉がぐるぐると頭の中を回り続けている。

「まさか、な……。」

 いつか桐乃から「人生相談」を受けたあの日も似たような想像をしていたっけかと
 思い返すとつい苦笑が漏れてしまう。けれど、俺と桐乃の関係はあの時とは随分と
 変わってしまった気がする。果たして俺はこの扉を開けるべきなんだろうか。
 そんな焦燥した気分の俺をよそに、中から呑気な声が返ってきた。

「そこにいるんでしょー。入ったら?」

 扉を開くと、中にいたのは風呂あがりの桐乃。と山積みにされた妹モノ同人誌。

「あのー、桐乃さん?そこのダンボールは何ですか。」
「え、あたしのオススメ同人誌だけど。あんた、見たかったんじゃないの?」

 恐らく、俺は今とんでもなく間抜けな声を出していることだろう。
 そして桐乃は俺の考えを見透かしたように例の台詞を口にし始めた。

「あ、もしかしてあんたまた変な想像したでしょー。あーキモイキモイ。これだからシスコンは。」

 こうなりゃヤケだ。いっそここに置いてある本全部読むまで居座ってやろうか。

「ほら貸せよ。今晩中に全部読んでやる。」

 こうして兄妹の夜は更けていくのであった――。










「……よし。黒髪ロングの清楚系をセットしてと。そろそろお兄さんがチェックする時間のはず、
 なのですが一向に戻ってきませんね、お兄さん。」



473 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 10:21:39.38 ID:RZ59p3Ie0
>>469
おつ!
きりりんって京介が本読んでると後ろから覗いてきて読んでるシーンの感想とか言ってきそうだよねw



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最終更新:2012年12月09日 02:02