26 名前:【SS】桐乃のしっぽ 1/2:2013/01/07(月) 20:16:58.93 ID:m4Adwc/w0
prrrrrr
黒猫『千葉の堕天聖黒猫よ。
何か用かしら?』ガチャ
京介「なあ、最近桐乃に尻尾が生えただろ?」
黒猫『……生えたわね。
一体どうなっているのかしら』
京介「あの尻尾の動きに何か法則性があるみたいなんだが、わからないか?
黒猫って名乗るくらいだし、猫の尻尾について詳しいだろ?」
黒猫『ええ、夜も飼っているし、普通の人よりは詳しいわね。
……あれが猫の尻尾と同じかは解らないけれど。
それで、どんな動きについて知りたいのかしら?』
京介「尻尾を垂直に立ててる姿をよく見るんだが、アレはどういう意味だ?」
黒猫『嬉しい時や甘えたい時ね』
京介「……舌打ちされたり、『ジャマなんだけど』とか言われたんだが」
黒猫『あら、本音と建前が一致していないなんて桐乃らしいじゃない』
京介「そうかぁ?どうにも信じられないんだが。
それじゃあその状態で尻尾を前向きにした場合はどうだ?
朝とか学校から帰ったときなんかにやられるんだが」
黒猫『挨拶ね』
京介「こっちはあってるみたいだな。
尻尾を大きく振っている時はどうだ?
俺の部屋にいるときによく見かけるんだが」
黒猫『激しく振っているのかしら?
それともゆっくり?』
京介「両方あるな」
黒猫『ゆっくり大きく振っている時は機嫌のいいとき、リラックスしている証拠ね。
逆に激しく左右に振っている場合は不機嫌な時、怒っている場合よ』
京介「犬とは違うんだな……」
黒猫『ふふっ。機嫌が悪い時に頭でも撫でようとして怒られたのかしら?』
京介「まあな。
というか、お前にシスカリで惨敗したのが原因だけどよ」
27 名前:【SS】桐乃のしっぽ 2/2:2013/01/07(月) 20:17:29.01 ID:m4Adwc/w0
黒猫『あら、そんなのいつものことじゃない。
それに少し時間が経てば尻尾も落ち着いたでしょう?』
京介「落ち着いても結局撫でさせてはくれなかったけどな。
尻尾が山形になったり膨らんだりするのは怒っている時でいいんだよな?」
黒猫『ええ。威嚇しようと、少しでも身体を大きく見せているのよ。
喧嘩するたびに見るのではないかしら?』
京介「喧嘩してても尻尾は膨らんでいない時もあるな。
左右に大きく動いていたから……イライラしてるのか?
逆に尻尾を身体に巻きつけたり足に挟んだりすることもあるんだが、あれも怒ってるのか?」
黒猫『いいえ、それは怖がってる時ね。
桐乃が怖がる姿はあまり見ないけれど……一体どんなときのことかしら』
京介「結果した時に『もう買い物に付き合ってやらないからな』って言った時だったか。
桐乃も『あんたとデートするなんてあたしから願い下げだから』って言ってたんだが。
あれからしばらくは尻尾をだらーんと下げていたな……
尻尾を下げるといえば、俺が桐乃を抱きしめてる時も尻尾を下げてゆっくり動かしてたんだが、あれも嫌がってたのか?」
黒猫『え?
……いま、なんて言ったかしら?』
京介「抱きしめてる時に尻尾を下げてゆっくり動かすのはどういう意味なんだ?」
黒猫『…………リラックスしてのんびりとしている証拠ね』
京介「そうか……良かった。
最近毎日やってるんだが、嫌がっているわけじゃ無くて安心したぜ」
黒猫『毎日?それってどういう―』
京介「寝ている桐乃の頭を撫でながら耳元で名前を呼んでやると尻尾の先だけ小さく振ることがあるんだがあれはなんだ?」
黒猫『………………ちゃんと聞いていると尻尾で答えているのよ』
京介「なんだ、あいつ起きてたのか。
……まてよ、それじゃああのときのセリフも聞かれてたってことか?
くそっ、なんだか恥ずかしくなってきたな……
なあ黒猫、それじゃあ風呂で桐乃の尻尾を手入れしてやってるときなんだが―」ガチャ
京介「あれ、黒猫?黒猫ー?」ツーツーツー
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最終更新:2013年04月07日 03:41