603 名前:【SS】:2013/04/21(日) 23:34:01.76 ID:3tnssI3n0
(※代理投下)
SS『赤ずきん』 桐,京,あ,加
むかしむかし、あるところに、とても可愛らしい女の子がいました。
ある時、その女の子はお兄ちゃんの赤いパンツで、女の子のかぶるずきんを作ってしまいました。
そのずきんが女の子にとても似合っていたので、みんなは女の子の事を、『赤ずきん』と呼ぶ様になりました。
ある日の事、お母さんは赤ずきんを呼んで言いました。
「桐乃?お兄ちゃんが病気になったのよ。お見舞いに行ってあげなさい。きっと、喜ぶから」
「はい、お母さん」
「それじゃあ、このカレーを持って行きなさい」
赤ずきんがお兄ちゃんの所へ一人で行くのは始めての事だったので、お母さんは心配でたまりません。
でもお母さんには用事<井戸端会議>があって、一緒に行けないのです。
「いい?途中で道草しないようにね。それから、あやせたんと『オオカミ』に用心するのよ?」
「はい、お母さん。大丈夫だよ」
赤ずきんは、お母さんを安心させるように元気良く、
「いってきまーす!」
と、言って、出かけて行きました。
お兄ちゃんの家は、ここから電車で30分ぐらいかかるマンションの中にありました。
その日はとても天気のよい日で、赤ずきんがスキップしながら駅に向かって歩いていると、そこへあやせたんが現れたのです。
「こんにちは。可愛いわたしの桐乃ちゃん」
あやせたんはニコニコしながら、赤ずきんに話しかけました。
赤ずきんはお母さんに言われた事を思い出しましたが、エロゲ大好きの赤ずきんには、
あやかちゃんそっくりのあやせたんが悪い人間には見えません。
「こんにちは、あやせちゃん」
赤ずきんが返事をしてくれたので、あやせたんはニヤリと笑うと尋ねました。
「桐乃ちゃん、今からどこへ行くの? たった一人で」
「あのね、京介のお家。京介が病気だから、お見舞いに行くの」
「そう。それは偉いけど・・・あれ? そのバスケットの中には、何が入っているのかな?」
「お母さんの手作りカレーとエロゲー!京介の病気が早くよくなるように、持って来たの」
「そ、そうなんだ・・・ところで、どこなのかな?お兄さんのお家は」
「5つ先の駅の近く。ここからなら、電車で25分くらいかも」
「25分か・・・」
あやせたんは、ちょっと考えました。
(お兄さんの家を探して、お兄さんを埋めてしまうには、ちょっと時間が足りないかも。よし・・・)
「桐乃ちゃん。お兄さんの家に行く前に周りを見てよ。こんなにゲームショップもあるし、フィギュアも売ってるよ。
せっかくだから、楽しくお買い物をしてから行ったらどうかな。たとえば、ゲームを買い足すとか」
赤ずきんは、あやせたんの言う通りだと思いました。
妹ゲーを山のようにつんで持って行けば、お兄ちゃんはきっと喜んでくれるに違いありません。
「そうね、あやせちゃんの言う通りだわ。あたし、ゲームを積みながら行くわ」
赤ずきんはさっそく、色々な妹ゲーを探し始めました。
さて、赤ずきんと別れたあやせたんは、そのまま真っ直ぐお兄ちゃんの家を探しに行きました。
トントンと、戸を叩くと、
「っせーな。誰だよぉ?」
と、言う、ガラの悪そうな声がしました。
あやせたんは、天使の様な声を出しました。
「桐乃だよ。カレーとゲームを持って来たの。開けてちょうだい」
それを聞いたお兄ちゃん(?)は、うれしそうな声で、
「おっ、桐乃ぉ?カギかけてねーし、入っていーぜぇ?つーか、加奈子ぉ、出るのめんどーだしぃ?」
「そう?それじゃあ、遠慮なく」
あやせたんは戸を押し開けると、ベッドにだらしなく体を投げ出してるかなかなちゃんに飛びかかりました。
あやせたんは、怖さのあまり気を失ってしまったかなかなちゃんから、星くずうぃっち☆メルルの衣装を剥ぎ取ると、
あとはひといきに、かなかなちゃんを埋めてしまいました。
それからあやせたんは、メルルのコスプレをして、ベッドの中へ潜り込みました。
何かがおかしい気もしましたが、あやせたんの頭は桐乃を手に入れることで一杯で気が付きません。
その頃、赤ずきんはまだ妹ゲーを買っていましたが、やがて手に持ちきれないほどたくさん買ってしまうと、
やっとお兄ちゃんの家へ行く事を思い出しました。
「そうだ、急いで行かないと」
お兄ちゃんの家に行ってみると入り口の戸が開いていたので、赤ずきんは不思議に思いました。
「どうしたんだろう? 京介は、いつも戸を閉めておくのに」
赤ずきんが家の中へ入ると、いつもと違った、変な匂いがする様な気がしました。
でもそれが、妹パンの匂いだとは気がつきません。
部屋の奥のベッドには、お兄ちゃんが寝ています。
「こんにちは、京介」
赤ずきんが大きな声で挨拶しましたが、何の返事もありません。
赤ずきんは、ベッドに近づきました。
お兄ちゃんは妹パンを握り締め、不自然に腰を曲げてしまっています。
(京介の様子が変。病気でこんなになってしまったのかな?)
赤ずきんは思い切って、お兄ちゃんに馬乗りになってみました。
「京介、京介の鼻は、ずいぶんと大きいのね」
すると、お兄ちゃんが言いました。
「そ、そうとも、お前の匂いがよく嗅げる様にな」
「それに目が大きくて、光っている。何だか怖い・・・」
「こ、怖がる事はないぜ?可愛いお前を、よく見る為だから」
「それに、京介の胸ってとっても広い・・・京介の胸ってこんなに広かったかな?」
「そうだよ。大きくなくては、お前を抱いてあげる事が出来ないもの」
「それから、何て言っても、その大きなリヴァイアサン。京介のリヴァイアサンがあんまり大きいから、びっくりしちゃった」
「そうとも。大きくなくては、お前を・・・」
「・・・お前を?」
「食べられないからさ!」
お兄ちゃんはそう言うと、赤ずきんを食べてしまいました。
「ああ、食った食った。桐乃を食って満足だ」
そうこうしてるうちに、赤ずきんはすっかりお腹が大きくなったので、そのまま婚姻届を出してしまいました。
これでもう、お兄ちゃんも逃げられません。
こうして、悪い『オオカミ』がいなくなって、みんなはひと安心です。
赤ずきんも、お兄ちゃんと一緒に居られて満足そう。
それに、今でもたまに食べられているとか・・・。
何にせよ、二人はいつまでも、幸せにくらしましたとさ。
おしまい
----------
最終更新:2013年05月03日 07:25