SS『ある朝の日常2』
1.ぎゅっとやさしく抱きしめてあげた
2.起こしてしまわぬよう、そっと布団を抜け出した
3.問答無用で、布団から蹴りだした
またか。
と言わないで欲しい。
まただ。
としか答えられない。
これが、この前まで普通の高校生だった高坂京介の、最近の朝の日常である。
もう選べる選択肢なんて、ないんだがな、、、、。
「おーい、桐乃さーん、、、?」
、、、反応が無い。
「今日はホントに胸を触っちゃってもいいんですかー?」
、、、やっぱり反応が無い。
どうやら、今日はホントに眠っているようだ。
、、、いやいや、やんねーよ、マジでマジで。
、、、とは言え、どうしたもんかな、、、。
仕方なく、桐乃の寝顔をぼんやりと見つめる。
我が妹ながら、改めて、こうやって、近くでじっと見ると、あれだな、そう、何て言うか、うん、そんな感じだ。
、、、我ながら意味不明だが、何を考えたかは、気にしないで欲しい。
というか、雑誌に載っている可愛いモデルが実際の妹で。
その妹が、朝、自分の布団に入ってきて、となりで寝ている。
、、、客観的に見たら、すごい状況だよな、これって。
そんなことを考えながら、じっと桐乃を見ていると、
「ん、、、。」
徐々に桐乃の目が開いていく。
「よ。おはよう。」
爽やかに挨拶する。
「、、、ん、、、おはよ、、、う?」
「!!!」
「ぎゃーっ!」
がばっと布団をかぶって顔を隠す。
なんでだよ。理不尽すぎるだろ。今回は、何もしてねーぞ、俺。
ばっ、と、目だけ布団から出して、真っ赤になって涙目で睨んでくる。
「い、いつから見てた!?」
「ん?ずっとだけど?」
「~~~~~~~!」
また、がばっと布団をかぶって、布団の中でバタバタしている。
俺の布団、どんどんめちゃくちゃになってるんだけど。
と、見ていると、突然、ピタッ、と動きが止まる。
「き、桐乃?」
声をかけてみると。
こちょこちょ。
ぐっ!くすぐり攻撃かっ!
こちょこちょこちょ。
「おい、ばか、やめろって!」
「ふんっ!お返しだっつーの!」
「このっ!」
こっちも仕返しだ、とばかりに、布団の中に手を伸ばす!
ふにょ。
「え?」
「ぎゃーーーっ!!!」
布団の中から絶叫が聞こえる。
い、今のは、もしかして、、、。
げしっ。
痛ぇ!布団の中でケリを食らった。
「ど、どこ触ってんのよっ!」
「ど、どこ触ったんだ?」
「ど、どこだっていーでしょっ!」
おい。会話になっていないぞ。
「エッチ!ばか!すけべ!変態!どエロ!死ね!こっから出てけっ!」
布団にくるまったまま、ぎゃーぎゃーと、まくしたてる。
「今のは俺が悪いんじゃないだろ?それに、ここは俺の部屋なんだが?」
「悪いっつーの!いいから出てけっ!」
「はいはい。」
起き上がって、部屋から出て、扉をパタンと閉める。
なぁ、今回、俺は悪くないと思うんだが、どう思う?
Fin
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・・。
くんかくんか。
ふひっ♪
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最終更新:2013年12月25日 03:24