はじめましての人はさすがにいないと思うが、軽く自己紹介しておこうと思う。
 俺の名前は高坂京介。少し前までごく普通の高校生だったものだ。
 いきなり話し始めるのもなんだから、この物語のあらすじを簡単に綴っておく。

 春休みのある日。俺は妹とちょっとした賭けをした。(賭けがなんだったのかは、ここでは割愛させてもらう。……内容が気になるって? どうしても気になるやつは、つまらない賭けを想像してみてくれ。想像したな? よし、それで正解だ)
 勝者は敗者に、なんでもひとつだけ命令することができる条件だった。
 お願いではなく、命令となると――とても強い強制力がある。
 そして俺は、妹に勝った。
 勝ったのだ。俺は妹に命令できるのだ。あの小生意気な妹を! あの小悪魔桐乃を! 欲望の赴くままオモチャにすることができるのだ! ヒャッハァ――――――ッ!

 ――とまあこんな感じで、俺の気分が最高潮に盛り上がっているところから本編スタートだ。



 こんこん、と小さくドアがノックされる。
 俺はドアの向こうにいる人物に、入ってくるよう促した。

「……入るよ」

 俺の前に姿を現したのは、つい最近まで恋人関係だった俺の妹、高坂桐乃。
 さらりと流れる長い髪――それを際立たせるためだけに存在していると言っても過言ではない、ピンクのヘアピン。
 そして、身に纏う白いワンピースの腰の辺りでは、大きなリボンが自己主張をしている。
 清潔感の漂う、大人しめの服装。しかし、アクセントとして麦わら帽子をチョイスした彼女のコーディネートには一部の隙もない。
 まるで妹めいかぁのヒロインを彷彿とさせるイメージだった。(つまりエロゲーヒロインそっくりということだ)

「――――」

 あまりの神々しさに、俺は不覚にも、妹に見惚れてしまっていた。

「……あんまジロジロ見ないでよ」

 桐乃は照れくさそうに、麦わら帽子を目深にかぶり直す。
 勘違いされては困るのだが、俺の命令はこれではない。
 この服装はあくまで副産物みたいなもので、完全に桐乃のセンスである。
 つまり何が言いたいかというと、俺の趣味で妹をエロゲーヒロインのようにコスプレさせたわけではないということだ。
 俺が命じたのは――

「ねぇ、京介」
「はいアウト!」
「何がっ!?」
「おいおい桐乃、もう忘れちまったのか? 今日は俺のことを『お兄ちゃん』と呼ぶ約束だろうが」
「……それマジでやるの?」

 そう、俺の命令とは、妹に『お兄ちゃん』と呼ばせることなのである。……一応言っておくが、そういう『プレイ』がしたかったわけではないぞ?
 決して桐乃に、『京介お兄ちゃん……好きだよ』などと呼ばせたいわけではない! ただの罰ゲームだからね。
 ということで、俺は不適に笑いながらこう返した。

「当然だ。さあ、愛を込めて『京介お兄ちゃん』と呼ぶがいい」
「………………キモ」

 清楚系美少女にキモイって言われると、なんだかゾクゾクするんだよなぁ。
 そんな内心はおくびにも出さず、俺は桐乃を注意する。

「その発言は減点だな。いいか? これは罰ゲームなんだぞ」
「うっ…………」
「ほら、やり直し」

 鬼教官の如く駄目出しをすると、

「わ、わかったわよ! …………やればいいんでしょやれば」
「うむ、ではどうぞ」
「きょ、京介――――お兄ちゃん」
「……っ……!」

 聞いた? …………やばいってこれ。破壊力がありすぎて心臓止まるかと思った。
 羞恥に頬を染めた桐乃が聞いてきた。

「…………満足した?」

 おう、満足したよ。その気持ちを桐乃に伝えなきゃな。
 心からそう思って、俺は口を開いたのだが、

「桐乃」
「……なに?」
「結婚してくれ」
「なっ…………!?」

 気付いたら妹にプロポーズしていた。

「ちょ……な、なんでそうなんのっ」

 叫んだかと思いきや、今にも掴みかかってきそうな勢いで詰め寄ってくる。
 そんなにくっつくなよ。…………ドキドキしちゃうだろ。
 俺は平静を装い、言い訳を探す。

「違う違う。いまのは『満足した』って言おうと思ったのを、思わず間違えちゃったんだよ」
「どこをどう間違えたらそうなったわけ?」
「誰だって言い間違えることくらいあるだろ」
「……そういうレベルじゃなかったと思うんですケド」

 いちいち細かいやつだなあ。

「なあ」
「なによ、お兄ちゃん」

 投げやりに返してくる桐乃。

「デートしようぜ」
「……………………」

 というわけで、デートである。
 デートコースはいつも通りアキバに決定した。
 しかし長くなるので、デートの詳細は省かせてもらう。
 軽く説明だけしておくと、妹の買い物に付き合って、メイド喫茶に寄って、ゲーセンでプリクラを撮った。
 そうだな…………全部省略するのもなんだから、プリクラのくだりだけ紹介しよう。
 ゲーセンに入ってから、こんなことがあった。



 ――俺たちは対戦ゲームで熱戦を繰り広げていた。
 本日の対戦筐体は、お馴染みのシスカリではなく『FIGHTING CLIMAX』という新作ゲーム。俺の妹にそっくりな美少女中学生と、黒猫そっくりの邪気眼美少女が登場する、奥深い対戦格闘ゲームだ。
 俺は妹似のキャラを使い、桐乃は某電脳世界のヒロインそっくりのキャラを使用。
 妹はこのゲームを何度かやったことがあるらしく、満足にキャラも動かせない初心者の俺は、一方的に痛めつけられる結果となってしまった。
 現在は対戦を終えて、フロアを移動中――

「へっへー、弱すぎ」
「ほっとけ。おまえだって黒猫と勝負したら勝てねえくせに」
「いやいや、あれはあいつがおかしいんだって。あたしが弱いわけじゃない」

 それは一理あるけど、おまえ沙織にもシスカリで負け越してるじゃん。あんまり強くないってことじゃん。
 そう考えると、どれだけ俺が弱いんだって話にもなるわけだが、シスカリに限って言えば俺と妹の実力はほぼ互角である。
 と――

「あっ! メルルの新しいぬいぐるみ!」

 桐乃がクレーンゲームに駆け寄った。

「おまえ、よく一目見て新しいって分かるな」
「メルルファンならとーぜんっしょ!」

 嬉々として答える桐乃。

「ふうん……」

 俺にはどこが違うのか判断できないが、ファンには簡単に区別がつくものらしい。
 ぱっと見たところ、メルルは最後のひとつのようだ。やっぱ人気あるんだな。

「ねぇねぇ、これ取ってよ」
「なんで俺がおまえにぬいぐるみ取ってやらなきゃいけねーんだよ」
「だって、今日はデートなんでしょ? メルル取ってよ、お兄ちゃん」

 可愛くおねだりされてしまった。…………どうすっかな。

「……デートなんだから、もっと他のことしようぜ?」
「え~? …………ケチ」

 唇を尖らせて、拗ねる。
 できれば取ってやりたいけど、俺こういうゲーム上手くねーんだよ。

 何千円も使ったあげく、筐体に八つ当たりしてしまうような――――


『ぶっ壊れてんじゃねぇのかこの機械! おかしいだろ! なんで取れねーんだよクソックソッ!』
『ちょ、恥ずかしいから大声出さないでよ!』


 ……こんな結末が見えた。今日はお助けキャラも来ないしさ。

「う~ッ」

 ぷくっとほっぺを膨らませて唸る妹。やめろ、それ以上マル顔になってどうする。
 すっかり機嫌を損ねてしまった彼女に、俺はこう提案した。

「そうだな――じゃあプリクラでも撮るか」



 帰宅後。
 風呂から上がった俺は、ベッドの上で妹の部屋に繋がる壁を眺めていた。
 今日は充実した一日だったな。握っていたプリクラに目を落とす。
 思わず笑みが零れてきた。

「これも、人には見せらんねーな」

 だってさ、これ、どう見たって――――
 と――そこでドアがノックされ、妹が部屋に侵入してきた。

「入るよ」
「入ってから言う台詞じゃねぇな、それ」
「ふ~、いいお湯だった」

 俺のツッコミを無視した桐乃は、そのままベッドに腰を下ろした。パジャマ姿である。

「あっ、プリクラ見てたんだ」
「まあな」
「どうせ、寂しくなって感傷に浸ってたんでしょ?」
「……………………」

 ……鋭いなこいつ。

「あれれー? もしかしてほんとにそうだったワケ~?」

 この言い草!
 明らかに分かってて、おちょくってやがる……。

「……悪いかよ」
「ふひひっ、お兄ちゃんかわええー!」
「あああああああああああっ! 殺せ! いますぐ俺を殺せっ!」

 恥ずかしすぎて、顔から火が出るかと思った。
 くそぉ……こんな羞恥プレイがしたかったわけじゃないのに! 俺はただお兄ちゃんプレイがしたかっただけなのにっ!
 充実した一日から一転して、黒歴史になった瞬間である。

「あー、楽しかったぁ」
「…………で、なんか用かよ?」

 俺は、涙目で妹を睨みながら問うた。

「いやぁ、あんたが寂しがってるだろうから、久しぶりに一緒に寝てあげよっかなーって」
「………………マジで?」

 めちゃくちゃ驚いた。
 ついこの前まで『兄妹なんだから』と、やけにガードの固くなってしまった妹の発言とは思えないお誘いだ。
 不意打ちでキスしてやった日なんか、家に帰ってからガミガミガミガミ――――超うるさかったしさ。
 ちなみに、あまりにも説教が長かったので、もう一度キスをしてやったら桐乃は静かになった。お口にマウスだ。
 ――そんな妹が添い寝のお誘いをしてくれている。

「そのかわり、あんたがいくらよっきゅー不満だからって、あたしが寝てる間に変なことしちゃダメだかんね?」

 桐乃は腕で自分の身体を抱き、警戒心を剥き出しにしてそう言った。
 それを見た俺は内心で、『この自意識過剰女イライラするなぁ』と思ったのだが、紳士的にこう返した。

「しない、しない。したこともない」
「……………………」

 視線が痛い。

「あんたさー、あたしの胸さわったことあったよね?」
「……覚えてないなあ」

 俺は、目をそらしながら答える。
 ずずい――と顔を近づけてくる桐乃。

「ふーん、へぇー、覚えてないんだぁ」
「……いいか桐乃、俺は寝ている妹の胸をつんつんしたこともなければ、抱きついてくんくんしたこともない」
「………………」
「もちろん、なかなか起きないから今日は大丈夫かなぁー、とか調子に乗って胸を揉んだことなんて一度もない」
「へえ~…………それは初耳なんですケド」
「……はっ……!」

 つい余計なことまで口走っちまった!
 半目で睨みながら、妹が追求してくる。

「……何か言うことは?」
「おまえのおっぱいってすっげー柔らかいよな。驚いたわ」
「だ、誰が感想を言えと言った――ッ!?」

 憤死しそうな勢いで、的確なツッコミを入れてきた。
 こいつを恥ずかしがらせるのって実は超楽しいんだよね。ここからは完全に悪ノリ。
 俺は桐乃の繰り出したパンチを軽くあしらい、

「オヤオヤ、褒めてやったんだからよろこぶがいい」
「む、胸の柔らかさを褒められて、よろこぶ妹がいるわけ――ないでしょ!」
「お兄ちゃんは、おまえの成長を肌で感じることができて嬉しかったよ?」
「うぇ…………本格的に駄目だコイツ……」

 えへへ………………本気で気持ち悪がられちゃった。
 ……ここまできたら、もう開き直るしかない。
 だから俺は、逆ギレ気味に言ってやったよ。

「うるせーなぁ、無防備に寝てるおまえにも責任はあるだろ」
「……起きてたし」
「おまっ…………! 起きてたんなら寝た振りすんなや!」

 俺の紳士力を、試すようなことばっかしてんじゃねーよ! だから事故が起きるんだ!

「うっさい! あんたがエッチなことしようとすると目が覚めちゃうのっ!」
「そいつは便利な機能だな!」
「てかっ、一緒に寝るの! 寝ないの! どっち!?」
「そんな脅迫まがいの誘惑があってたまるか!」

 とまあ――
 いつものように兄妹喧嘩はしたものの、結局二人並んで眠ることとなった。
 添い寝の条件として出された『おさわり禁止』を、俺は飲まざるを得なかったが。
 しかもひどいことに、『向かい合って寝たら胸さわるでしょ?』――というあらぬ疑いをかけられ、桐乃はそっぽを向いて寝てしまったのである。
 
 ……………………。
 一時間くらい経っただろうか。
 なかなか寝付けなかった俺は、背中を向けて眠る妹を眺めていた。

「……………………」

 ちょっとくらいケツさわっても起きないかな?
 欲望がムクムク湧き上がってきたところで、

「ねぇ、まだ起きてる?」

 と――妹が話しかけてきた。
 起きてたのかよコイツ。ふぃー…………危ないところだった。よく頑張った、俺の理性。

「……起きてるぞ」
「…………いまね、昔のこと思い出してた」
「何を?」
「あんたさ、あたしに言ったじゃん? 『妹』と『彼女』は、たいして変わんないって。……覚えてる?」

 言った。よく覚えてる。
 あれは確か…………偽装デートの帰り際だったか。

「そんなこともあったな」
「うん…………あの時、あたしすっごい怒ったっしょ」


『ちょうキモ……妹もののエロゲーのやりすぎじゃん?』


「ははっ、突き飛ばされたっけ」
「…………ごめん」

 後ろを向いてるから顔は見えないけど、しゅん――としてしまったようだ。
 俺は桐乃の頭に手をやり、ぽんぽんと撫でてやった。

「怒ってねぇよ。どうしたんだ急に?」
「……あたし勝手に勘違いしちゃったけど――あんたが言いたかったのって、もっと別の意味だったんじゃないかなって」

 そこで桐乃はこちらに向き直り、こう言った。

「『兄貴』と『彼氏』ってたいして変わらないなー、って思っただけ」

 互いの熱が届きそうな距離――妹の鼓動が伝わってくる。

「そーだな、その通りだぜ」
「じゃあ……最後まで、責任とってよ」

 暗闇の中――
 兄妹はいつまでも見つめ合っていた。



 翌日。春休み最終日。
 明日から、俺たちはそれぞれの学校へ行くことになる。
 桐乃は高校生になるし、俺も大学生になる。
 その前に集まろうということで、『オタクっ娘あつまれー』でお馴染みの、沙織と黒猫が我が家にやってきた。

「ちょっと、早く飲み物用意してよ」
「へいへい」

 リビングにお菓子なんかを用意して、ちょっとしたパーティーのような様相。
 飲み物係に任命された俺は、四人分のジュースを運ぶ。

「それでは皆様方、準備はよろしいですかな?」

 全員が着席したのを見計らって、バジーナファッション(今日はそういう気分らしい)に身を包んだ沙織が音頭をとる。

「きりりん氏と京介氏の門出を祝って――」


「「「「かんぱーい」」」」


 桐乃と黒猫がだべり始めた頃、沙織が小声で聞いてきた。

「京介氏、きりりん氏とはその後どうなっているのですか?」
「どうもこうも、見ての通りだよ」
「それは、『どう見ても恋人同士だろ』という惚気でござるか?」

 ……………………。

「なんでそうなるんだ」
「拙者にはそういう風にしか見えないもので」
「……そうかい。やっぱりおまえの眼鏡は度が合ってねえな」

 俺が皮肉っぽく言うと沙織は眼鏡を外し、「そうかもしれませんわね」と、いたずらっぽく微笑んだ。
 するとそこで――

「うんまーこれ! あんたの料理マジうまい! 絶対いいお嫁さんになるって! ってか、あたしの嫁に来いっ!」

 黒猫の作ってきた和菓子を喰った桐乃が、親友にプロポーズをしていた。

「ほ、ほめても…………なにもでないと言ってるでしょう……」
「いーじゃん。おねがぁーい」

 おまえはどこのナンパ野郎だよ。友達を口説くんじゃない。

「ま、まったく、仕方のない雌ね……考えておいてあげるわ」

 おまえも釣られてんじゃねーよ。しかもなんでちょっと嬉しそうなんだ。
 桐乃もニヤニヤしてるし、見てるこっちが恥ずかしいわ。
 と――妹と目が合った時だった。

「あっ、お兄ちゃんも食べる?」
「「「!?」」」
「――――はっ」

 凍りつく俺たち。

「あ、あなたいま……『お兄ちゃん』って……」
「ち…………ちがっ」
「いやはや、お兄ちゃんプレイとは、きりりん氏も業が深いですな」
「だから違うっつーのッ! いまのは『京介』って呼ぼうとしたのを、思わず間違えちゃっただけだしっ」

 俺にはおまえの気持ちが分かるぜ。
 あるよね、そういうこと。

「どこをどう間違えたらそうなったのか、詳しく聞きたいわ。それともあなた、心の中では『お兄ちゃん』呼びなのかしら?」
「だ、誰だって言い間違えることくらいあるじゃん? それに『お兄ちゃん』呼びだったのは『小学校二年生』までだもん!」

 焦った桐乃は、盛大に自爆した。

「ほほう…………それも興味深いお話ですなぁ」
「あっ…………うぅ~ッ」
「この際だから、昨日メールで自慢してきたプリクラの写メの件。この話もここでしてしまいましょうか」
「あ、あれはっ、京介が無理矢理撮ろうって! ごーいんに連れてかれたのっ!」
「ふうん……ところで、昨日は兄妹で一緒に寝たそうね?」
「きょ、兄妹なんだから一緒に寝るくらい……ふつーじゃん?」
「あなたのようなビッチがこの世に存在していていいのかしら? まったく世も末だわ。ねぇ、沙織?」
「はっはっはっは――! 黒猫氏、拙者こんなこともあろうかと、実はきりりん氏のために京都の老舗店から赤飯を用意しているのでござるよ」
「はぁ――!? 嘘でしょ!?」
「あら、おめでとう桐乃。予定日はいつ頃?」
「何の!?」

 おまえらそれ以上、俺の妹をいじめてやってくれるな。半泣きになってるじゃねぇか。
 収集がつかなくなった桐乃は、俺に助け舟を求めてきた。

「あんたも見てないで助けてよ!」
「ったく――やれやれ、しょうがねーな」

 手のかかる妹だ。

「勘違いするなよおまえら、俺は桐乃に『お兄ちゃん』と呼ばれたところで、『妹萌え』とやらは理解できなかったぞ」

 まったく、めんどくさいったらないぜ。

「そのわりにはすっごいニヤニヤしてなかった? どの口がそんなことゆってんの?」
「こっちを見ないでくれるかしら。不快だわ」
「俺を糾弾するときだけ団結するのやめて――!?」

 しかし俺はそんな妹を見て、いつものようにこう思っちまうのさ。
 俺の妹がこんなに可愛いわけがない――ってな。

 おしまい。

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最終更新:2014年04月18日 22:37