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SS『風邪を吹き飛ばして!お兄ちゃん大好き!』
がちゃ。
「ねぇ、このエロゲー、あんたの部屋の棚にまた置かせてくんない?、、、って、どうしたの?昼間っから布団にくるまって?」
「ん、、、ああ、実は、、、ごほごほ、、、。」
「なに?風邪?」
「ああ、、、どうもそうらしい。」
「へぇ~、あんたでも風邪ひくんだ?」
「?どういう意味だ?」
「昔っから言うじゃん、妹バカは風邪ひかないって。」
「妹は余計だ!ごほっ、ごほっ。」
「大声出すなっつーの、ったくもう、、、ほら!ちゃんと布団かけて。」
「さんきゅ。、、、今日、親父とお袋は?」
「昨日、二人とも出かけるっつってたじゃん。」
「あ、、、そか。まいったな、、、。」
「、、、はあ、しょうがない。じゃあ、あたしが看病してあげる。感謝しなさいよね。」
「、、、いいのか?」
「あんたに早く治ってもらわないと、来週発売のエロゲー買いに行けないっしょ?」
「、、、ったく、、、そういう理由かよ、、、。」
「あったりまえじゃん?それに、、、。」
「、、、それに?」
「な、なんでもない!てか、あたしにうつされても困るし?だからしかたなく看病してやるっつってんの!分かった!?」
「はいはい、、、ありがとよ、桐乃。」
「ん。てことで、あんたはしっかり寝てなさいよね。」
「ああ。」
「あ、それと、このパソコン、ちょっと借りるから。」
「パソコン?何すんだ?」
「少し調べたいことがあんの。いいっしょ?」
「ここで?まあ、別にいいけど?」
「さんきゅ。」
「、、、んじゃ、俺は寝とくから。」
「ん。」
、、、カタカタ、、、
「『病気 看病 エロゲ』、検索っと。」
「おい。」
「ん?なに?」
「、、、気のせいか、今、風邪に関係ないものが入っていたようなんだが?」
「風邪に関係ないもの?ああ、コレ?そっか、そだね。ちょっと変えようっと。」
「、、、やれやれ。」
「『風邪 看病 エロゲ』、検索っと。」
「そっちかよ!げほっ、げほっ、、、。」
「ほら、大声出すなっつったでしょ!病人は病人らしくちゃんと寝てろっての。いい!?」
「、、、。」
「返事は?」
「、、、はい。」
「よし。」
、、、頭がくらくらしてきた、、、ちゃんと看病してもらえるのか?俺?
「う~ん、あんまり出ないなぁ。」
、、、あたりまえだろ。
「しかたない、キーワードを変えてみるか。」
、、、最初からそうしろっての。
「『風邪 看病 妹』、検索っと。」
、、、駄目っぽい予感しかしなかった。
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、、、ん?なんか、いい匂いがすんな、、、。
「あ、起きた?ちょうど良かった。」
声のしたほうに顔を向けると、桐乃が机に鍋を置いていたところだった。
「、、、それは?」
「ん?ああ、コレ?おかゆ作ってきたの。あんた、朝から何も食べてないっしょ?」
、、、確かに。そう言われれば、すっげー腹減ってんな。
「ほら、体起こして。」
「あ、ああ。」
まだ目覚めきれないぼんやりとした状態で、俺は言われるがまま上体を起こす。
そうしている間に、桐乃が鍋からお椀におかゆを注ぐ。そして。
「ふーっ、ふーっ、はい。」
「ああ、、、ぱくっ。」
「どう?」
「ん、美味い、、、って、ええっ?!」
「ちょっと!急に動かないでよ!危ないじゃん!」
「ど、、、どうしたんだ?いったい?」
「ネットで検索したら、これが一番効果あるって書いてあったの!だ、だから仕方なく、だかんね!」
「ど、どういうふうに調べたんだ?」
「えっと、、、確か、、、『風邪 看病 妹 兄 シスコン』、って入れたら出たよ?」
、、、殆ど風邪に関係なくね?それ。てか、そんなピンポイントな要求に答えてんじゃねぇよ、Google先生。
「だ、だから!や、やるからね!分かった!?」
「、、、マジで、、、?」
「マジだっての!い・い・か・ら!グチグチ言わずに口を開けて!、、、あ、あーんしろっての!」
、、、ちくしょう、こうなりゃヤケだ。
「あーん、、、ぱくっ。」
、、、かえって熱が出てきそうで困るんだが?コレ?
だいたい誰だよ、んなことネットに書いたやつは!
「ふーっ、ふーっ、はい。」
「あーん、、、ぱくっ。」
こんなんで風邪が治るんだったら、医者なんて要らねぇだろ!ったく!
そして、その翌日---。
「ホントに治ったんだ?さっすが筋金入りのシスコンだよね、あんたってばw」
「う、うっせ!」
俺だって信じられねぇよ!どんだけシスコンなんだっての!俺ってやつは!
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、、、そして更に、その数日後。
ネットで例のキーワードを検索して、書いたやつを調べてみた俺は、、、。
ぴんぽーん。
「はーい。」
がちゃ。
「あれ?京介くん?どうしたの?」
出てきたヤツの頭を、有無を言わさず引っ叩いたのだった。
Fin
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最終更新:2015年02月10日 22:43