SS『バレンタインの真実?』
「高坂ぁぁぁっ!」
荒ぶるクマさんがあらわれた!
って、どっかのロープレじゃないんだけど、誰が来たかは察してもらえたことと思う。
「な、なんだぁ?」「な、なに?」
「ふっふっふっ、ついに見つけたぜぇ!ここで会ったが百年目!」
完全に悪役の台詞である。
コマンドは?、、、じゃなくて。
「おまえ、こないだウチに来て、桐乃と遊んでたじゃねーか?」
「いやいや、あれはきりりん氏と遊んでたワケじゃなくて!高坂に!会いに行ったの!そしたらきりりん氏に毒入りチョコを食べさせられたんだってば!」
「ど、毒入りって酷くない!?」
となりで桐乃が非難の声を上げる。
「いーや、最初のやつは明らかにあたしの命を狙ってきてたね、間違いなく!あわよくばライバルを亡き者にせんという意図が込められていた味だった!」
「う、、、確かに最初のやつはゲロマズだったけどさ。でも最後のほうは美味しいって言って食べてたじゃん?」
「そうそう!最後のほうのやつは、ちょー美味かった!だがしかし!そんなことで、あのゲロマズチョコの恨みが、、、って、そんなことはどーでもよくて!いや、よくないけど!」
、、、どっちだよ。
「と、とにかくっ!さあっ!このチョコを受け取るのだぁっ!」
「おまえ、箱の中で全裸待機するんじゃなかったっけ?」
「あ、あれは高坂がボツにしたんじゃん!」
そりゃまぁ、そうだけどさ。
「まぁ、確かに?前回のは、ちとやり過ぎて、高坂にドン引きされていたので!ので!」
「今回は基本に立ち返り!」
「女の子らしく、直球勝負の正攻法にしてみましたぁ!」
「ってなわけで!」
「さあ!高坂!観念して、大人しく、このチョコを受け取るのだぁっ!」
それのどこに女の子らしさがあるんだよ、、、。
でもまぁ、ちゃんと答えてやらねーとな。
「ごめんな、櫻井。気持ちは嬉しいんだけど、そのチョコは受け取れねーわ。」
「な!、、、なんでだよ!」
「いや、本命の人から本命のチョコをもらったあとで、他のやつのチョコレートなんて受け取れねーだろ?」
「なっ!ちょ、ちょっとあんた!何言っちゃってんの!?」
「事実だろ?」
「う~~~。」
ぷいっ。
「、、、てなワケだ。悪りぃな、櫻井。」
「ま、まさか、チョコレートを渡しに来て、受け取ってもらえないどころか、逆にノロケ返しを食らった、、、だと、、、!?こ、このバカップル兄妹め!!!ちくしょ~~~っ!覚えてろよ~~~っ!」
櫻井はそう言い捨てて、駆け出し、、、不意に、ぴた、と足を止める。
「どうしたんだ?」
「あ、いや、ちょーっと、きりりん氏に聞きたいんだけど、、、まさか、前にあたしが話したプラン、実行とかしてないよね?」
「え?あ、あ、あ、あったりまえじゃん!するかってーの!」
「なんでいま、そんなこと聞くんだ?」
「いや、前に『あたしがやる羽目になる』な~んて言ってたからさ。もしそれで成功してたんなら、あたしは間抜けにも敵に塩を送ってしまったことになるじゃんか?」
「ばーか、んなワケねーだろ。ワザワザそんなことしなくたって、これまで食べた中で一番最高のチョコだったよ。なぁ、桐乃?」
「は、恥ずかしいこと、さらっと言うな!このバカ!」
「ぬぐあぁぁぁっ!余計なこと聞くんじゃなかったよ、ちくしょうっ!!!お、覚えてろよ~~~っ!」
さっきと同じ捨て台詞を残して、走り去っていくクマさん、もとい、櫻井なのだった。
「、、、ところでさ、桐乃?」
「な、なに?」
「さっき、櫻井の質問に少しどもって答えてなかった?」
「な!んなわけないでしょ!き、気のせいだってば!」
「だ、だよな。」
-俺は-
二度とそれを聞けなかった・・・。
シュレディンガーのぱんつ、、、もとい、猫と同じく、永遠にそれを証明する術は無いのだ。
そして聞きたいと思っても聞き出せないので---
そのうち俺は考えるのをやめた
Fin
--- そこから時を遡ること、少し前 ---
、、、、、。
どうしよう、、、
やっぱ、やったほうがいいのかな、、、?
でもあいつ、ドン引きしてたし、、、
う~~~、、、
、、、、、。
、、、ちょ、ちょっとだけ、、、
、、、ちょっとだけ、やってみよっかな、、、
・・・・・
、、、やっぱ、リボンだけじゃ、上手く隠せないじゃん、、、
「おーい、桐乃。来たぞー」
びっくぅ!
「桐乃~、制服返してくれー」
や、やば、、、は、早く服、着なきゃ、、、!
「今日ちょっと急いでるんだわー」
ちょ、ちょっと待てっての!
「桐乃?いるんだろ?」
がちゃ。
え?
きぃっ。
「----!!」
「、、、なっ」
「きゃあああああああ~~~~!!」
最終更新:2015年11月28日 23:30