818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/11/30(月) 00:49:28.33 ID:YqEMkZIR0

えっ!?兄って妹のパンツくんかするのが普通なの?!

誰に吹き込まれたのかとんでもないことを言い出すきりりん

そう…だよね
普通そうだよね…
…あたしもしてたし

さらっととんでもないことをカミングアウトするきりりん

あれ?
そもそもアイツあたしのパンツに興味を示したことあったっけ?
まえお風呂のとき落としたパンツ拾ってくれたことあったけど。
全然動じてた風じゃなかったし…。
…ひょっとしてウチの兄貴っておかしい!?
どうしよう…。
なんとか…なんとかしなきゃ…!

こうなると止まらないのが高坂桐乃。

でも思い出したけどリアにパンツめくられたとき反応あったんだよね。
たしかあのとき履いてたのって縞パンで…。
そう!!
つまり京介は縞パンにしか欲情しないんだ!!

京介に自分の縞パンをくんかさせようと画策するきりりん。
かくしてオペレーション「きりりんのをくんかさせる計画」(K.K.K)が発動した。

内容はシンプル。
きりりんが脱衣所に縞パンを投下、離脱。
入浴目的でやってくる高坂兄、そして密室で思うさまくんかして頂く。

すばらしい。

しかし問題が。
自分の履いてるパンツを、京介にくんかされるということにどうしても抵抗あるのだ。

アタシがアイツのパンツくんかしてるからって、アタシが同じことされても良いってことにならないでしょ!

その通り。正論で人間動けるなら世の中もっと良くなっているハズ。

新品の縞パンを使用することにする。

京介の入浴時間は過去のタイムスケジュールデータから逆算。
脱衣カゴのすぐそばにさりげなく置く。
使用済み感を出すために、くしゃくしゃにしておくことも忘れない。

しばらく監視していると予想通り京介がやってくる。
風呂から出てすぐ取れる位置にバスタオルをセット。着替えもその近くに置く。
まず上を脱ぐ。
筋肉質で骨ばった細い肢体があらわになる。
きりりんが生唾を飲み込む。

ちなみに脱衣所は密室のはずなのにここまで描写できる理由はここでは語らない。
とりあえず妹パワーとだけ言っておこう。

話を戻す。
床に落ちている布に気がつく京介。
かがんでソレを手に取る。首をかしげる。不思議そうな顔。

そして、手にしたそれを。
ソレを!!
!!
きりりんガッツポーズ!!

それを洗濯機に入れる京介。

…。

Failed

…。

どうして。なぜ。
作戦は完璧だったはずだ。


と、これ以上の「なぜ」を考えない。
まずミスを理解し、改善案を考える。
高坂桐乃は簡単にはあきらめない。

あの縞パンを起きに召さなかった。
そのように仮説を立てる。

たしかにアレは、アキバのコスプレショップで買って来た安物である。
ペラペラでちゃちいモノで、あんなものでは満足しないのかもしれない。
京介という人は。

よし。ということでお気に入りの下着ブランドのショップに向かう。
いつも買っているはずなのに、何故かこの時だけは顔が真っ赤になってしまう。
このミッションが成功したらアイツ殴る と理不尽な怒りを覚えるきりりん。

買ってきたのはかなりお高い。
何回ガチャ引けるだろう、って思う。
でもこれならきっとくんかしてもらえる。

作戦の流れは全開と同じ。
今度はリアリティをさらに付け加えるために、縞パンをレンジでチンして人肌くらいに温めておく。
さすがきりりんあったまいー。

さて、京介がやってきた。
気付く!
屈んで!
手に取る!
そして!
それを!

それを!!

…洗濯機に…。

脱力して突っ伏すきりりん。

…なにがいけない…。
一体なにが気に入らないアイツは…。

緊急!
緊急脳内桐乃会議。
これはきりりんの脳内に居る高坂桐乃が集まり、様々な意見を交換したり小話を披露したりする。
会議のフィナーレには総勢607人の高坂桐乃によるキャンディーのつかみ取り大会が行われる。

さておき会議の結論。
今後の方針はトライ・アンド・エラーを繰り返すことになった。
もっと言えばゴーフォーブロークン。
当たって砕けろ。

苦しい戦いが始まった。
失敗することは怖くなかった。
成功しないことが怖い。

しかし最も恐ろしいのは自分がずっと縞パンのことばかり考えるようになったことだ。
花も恥らうお年頃なのにである。

色々なブランドの縞パンにしてみた。
それでもだめなら素材、デザイン、色。
考えつくものは何でも試した。
でも駄目だった。

作戦の試行錯誤を繰り返すたびに、きりりんの買う縞パンの布面積は少なくなっていく。
え?これみえるじゃん?何を隠したいの?はみでるよ?
素朴な疑問を抱いたあと

(そうか、これアイツにくんかさせるってことは、アタシがこれ履いてるって思われるわけだよね)

ってことに気がついて羞恥に悶えるきりりん。

しかしそれもそれも京介のため。
というかアイツのせいだ全部。アイツの。

消耗してげっそり。

ナニガイケナイ。

自室にはくんかされなかった大量の縞パンが放置されている。
美少女がエロゲーというのは問題だがこの惨状も大問題である。

これ以上打つ手はない、と言える。

いやでもひょっとして、という思いでグーグルさんに検索ワードを入力する。

ずらっと並ぶ画像。
いやというほど見た縞パン。
スクロールしていくがどれも部屋にある縞パンとの違いがわからない。

と。
一枚の画像が目に留まる。

これは…?
たしかに"縞"パンツだ。
このパンツを試したことは無かった。

これを見てあの馬鹿がくんかしてくれるとは思えなかったが、現状もうこの"縞"パンツを使うくらいしかない。

もう京介が、いつ風呂に入るかは、プラマイ5分の精度で予言できるようになってしまったきりりん。
日常生活の延長でいつものように脱衣所に置いてくる。

何も期待せずに待つことが習慣になってしまった。
死んだ目で脱衣所の様子を伺う。

入ってきた。
京介も慣れて日常になってしまった動作でパンツを拾う。
そしてそれを洗濯機に。

入れない。

きりりんの目に光が宿る。

凝視している。
怪訝なふうだ。

いままでこんな反応なかった。
鼓動が早くなる。

京介はためつすがめつ眺める。

そしてそれを十分堪能したあと。

それを。

京介はそれを。

くんか

くんか した。

きりりんは動けなかった。
今自分が何を見ているのか分からなかった。

いやわかっていたのだが脳の処理が追いつかなかったのだ。

遅れてようやく理解した。
そう。

京介が、くんかしてくれた。

くんか。

知らぬ間に頬を熱いものが伝う。
これは、涙?
私、泣いてるの?

安堵のため息と同時に全身の力を抜くきりりん。

よかった。
よかった。

ほんとうに。
よかった。

しばらく動けないってくらい力が抜けた。

流れる涙の暖かさを感じながら目をつむり、きりりんは眠りに着く。
夢うつつに

(目が冷めたらアイツをぼっこぼこにしてやろう。足腰立てなくしてやるんだ)

なんて物騒なことを思いながら。

一方

俺あんなの持ってたっけな?
お袋が勝手に買ってきたとか?
ひょっとして親父のが混ざってたのかな

と京介

例の"縞"パンを洗濯機に放り込む。

しかし最近やたらとパンツを目にするなこの家で。
…桐乃だよな、やっぱ。

何が起こっているか分からないが何が原因かはわかっている。

不気味なものを感じながら京介は湯船に浸かる。

脱衣所の洗濯機。
さっき入れたはずの"縞"パンが引っかかってぶら下がっている。

うん、確かに"縞"である。

それからしばらくのあいだ京介は、なぜか自宅で縞柄トランクスを落ちているのを度々見かけることになる。。



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最終更新:2017年08月26日 10:25