85 :【SS】:2016/02/15(月) 13:07:21.26 ID:SohUOr8f0
SS『ちょっとオトナのチョコレート』
さて、と。今年はどんなチョコ作ろっかな~♪
あ、そういえば!あいつってもう二十歳超えてるよね。じゃあ、ちょっとオトナっぽいやつにも挑戦してみよっかな、、、。
・・・・・・・・・・
「はい。京介。コレ。」
「おお!さんきゅな、桐乃!すっげー嬉しいぜ!」
「ちょ、あんた大げさすぎ!そんなに喜ぶなってーの。」
「だってよ、いつも朝イチにくれてたのに、今年は朝にくれなかったからさ、、、。正直、ちょっと焦ってたんだよ。」
「あっそ。、、、その、、、今日のは朝じゃなくて夜あげたほうがいいやつだったからさ、、、。」
「そか。じゃあコレ、今から食べてもいいか?」
「ん。」
「どれ、、、へぇ、今回のは粒チョコなんだな。」
「この形にすんの、けっこー大変だったんだかんね。感謝して食べなさいよねw」
「そうなのか、、、じゃあ、一個ずつしっかり味わって食べないと、だな。」
「へへ、今回はちょっとオトナっぽいチョコにしてみたんだ。」
「へぇ。ビターな感じとか?」
「それは食べてのお楽しみ♪」
「そっか。んじゃ早速。いただきまーす、、、ぱくっ。」
「ただ、チョコはばっちりだったんだけど、最後の味見が出来てないんだよねー。」
「むぐむぐ、むぐっ?」
「どうしたの?しかめっ面して?」
「むぐむぐ、、、ごくん。なぁ、桐乃?」
「なに?」
「これがウイスキーボンボン風だってのは分かる。だけど中身がウイスキーじゃないようだが、、、中に入ってるのは何なんだ?いったい?」
「ああ、それ?ウイスキーってお父さん飲まないからウチになかったんだよね。で、日本酒はあんまり飲まないって言ってたじゃん?あんた。」
「ああ。」
「だからあんたがたまに飲んでるビールにしてみた。」
「(ビールかよ!てか、ビールでどうやって作ったんだ?これ?)」
「そのままだと炭酸があるからダメなんだよね。だからちゃんと炭酸を抜いておくのがコツ。」
「(、、、その発想はなかったわ。)」
「でもビールだとあたしが味見出来ないから、代わりに炭酸のオレンジジュースで試してみたんだ。それだと、けっこーいけてたんだけど、、、どうかな?」
「えと、、、正直に言っていいか?」
「うん。」
「正直言って、、、美味くはない。」
「そっか。」
「でもおまえが頑張って作ってくれたものだからな。ぱくっ。」
「ちょ!む、無理して食べなくってもいいってば!」
「無理なんてしてねぇよ。前に食べた石炭チョコに比べりゃ、どうってことはないしな。ぱくっ。」
「いや、だから、、、!」
「こういうのは、気持ちが大切なんだよ。俺のために一生懸命作ってくれたっていう、おまえの気持ちがな。ぱくっ。」
「じゃなくて!」
「でもこの手のチョコレートは、まだ今度、ちゃんと味見が出来る歳になってから、だな。ぱくっ。」
「人の話を聞けっ!」
「ぱくっ。むぐむぐ、、、。」
「結局全部食べちゃってるし、、、。」
「、、、ごくん。で?話って?」
「だから!味見してなくって美味しいかどうか分かんなかったから、別にちゃんと用意してあったの!」
「え?」
「こっちがさっき言ったオレンジ味のやつ!」
「ちょ!おま!、、、先に言ってくれよ、そういうことは。」
「あんたが人の話を聞かないでぱくぱく食べちゃうからでしょ!しかも全部食べちゃうし、、、。」
「おまえが一生懸命作ったものなんだから、全部食べるに決まってんだろ?」
「なっ!」
「じゃあ今度はそれな?」
「ちょ!まだ食べる気?」
「当たり前だろ?こっちのは美味しいって言ってたじゃねぇか、おまえ。」
「そ、それはそうだけど、、、。」
「じゃあ、改めて。いただきまーす、っと。ぱくっ、むぐむぐ、、、うん!美味い!」
「ホント?」
「ああ。こっちはすっげー美味い!ぱくっ。」
「良かった、、、てか、流石に食べ過ぎじゃん?」
「言っただろ?全部食べるって。」
「ったくもう。太っても知んないよ?」
「そんときはおまえの朝のジョギングについて行ってやるよ。」
「ほう?あたしについてこれるとでも?」
「ふっ、なめんなよ、桐乃。俺を誰だと思っている!」
「へぇ、自信満々じゃん?おもしろい、じゃあ明日の朝からだかんね?」
「おう、まかせとけ!」
・・・・・・・・・・
そして翌朝。
「よし、じゃあ行くぞ、桐乃。(チリンチリン)」
「って自転車かよ!!!!!」
Fin
「ところでそれ、普通の自転車だよね?」
「ああ。それがどうかしたのか?」
「ぷっ、いつもの痛チャリじゃないケド、大丈夫w?」
「俺が痛チャリしか乗れねぇみたいに言うな!!!」
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最終更新:2017年08月26日 10:52