446 名前:蜜柑【SS】[「sage」] 投稿日:2011/01/27(木) 01:37:08 ID:edWSPk6I0 [1/4]
窓の外には葉を失った庭の木が見える。 
そして俺の目の前にあるのは茶色のテーブル、その上にあるのはあの忌々しい妹、桐乃のファッション誌と籠に入った蜜柑である。

土曜の昼下がり、俺、高坂京介は居間の炬燵で一人の時間を楽しんでいた。
ん? 高坂家に炬燵があるのかって?
お袋が食卓をどかして炬燵出したんだよ!

ぼんやりと机の蜜柑の皮を剥くと柑橘系の匂いが鼻を軽く刺す。その時、玄関のドアが開く音がした。
「誰だ・・ 母さんか? 」


ガチャ!
勢いよく入ってきたのは桐乃だった。
「・・・ あんた、昼から炬燵で蜜柑なんて爺クサっ!」
制服姿の妹様は帰ってくるなり俺に罵声をあびせた。
「帰ってきて兄貴への第一声はそれかよっ?!」
「あんた何かやることないわけぇ? あたしは寒い中部活だったってのに・・ あ~あ~ ダサい兄貴持つと苦労するわ。」
「へーへー どうせ俺は暇人さ。 紅茶入れてやるから待ってろ。」
と俺が言うと桐乃はむっとしつつも、俺への罵倒をストップした。

「・・ほらよ。」
桐乃にコップを渡すと、珍しく素直に受け取る。
俺はすぐに炬燵の中に戻った。そこで、俺の足が何かにぶつかった。 俺は驚いて前を見た。
すると、なんと桐乃が炬燵の向かい側にコップを置いて座っていた。


447 名前:蜜柑【SS】[「sage」] 投稿日:2011/01/27(木) 01:38:12 ID:edWSPk6I0 [2/4]
「キモ・・ 足からませようとしないでよ。 このシスコン」
「しっ・・してねーよ! 偶然だ! ってかおまえ、爺クサいこと自分でしてるぞ!」
「はぁ? あたしはアンタと違って陸上やって帰ってきて疲れてんの! 少しは労わりなさいよ!」
「うっ・・・」 グータラしていた俺には言い返すすべがなかった。
「わかったよ。 お前はここにいろ。 俺は部屋に戻るから。」
そう言って俺が立ち上がろうとすると、桐乃が炬燵から出て、俺の左腕をつかんでいた。
?・・・・・意味がわからん!

「な・・なんだよ?!」
「あんた馬鹿じゃん? まあ知ってるけど。 こうすれば足・・・ぶつからないでしょ」
桐乃は俺の隣に座った。 ・・・腕を密着させたままで。

「あの・・ 桐乃さん? これはさすがにまずくね?」
すると、桐乃は一瞬顔を紅潮させて驚いた後、顔を蒼ざめさせて言い放つ。
「はぁ!? アンタ妹と密着したくらいで欲情してるの? キモ・・ キモッ! 超キモッ!! 」
肩を思い切り殴られた。 クソっ!! なんなんだよ・・・ってか肩パン痛てぇ・・
「ああぁぁーー!!! わかったよ! このままでいいよ。」
俺はやけくそになって言った。

しばらくこの状況が続いた。

「ねぇ、蜜柑とってよ・・・」
桐乃が少し気まずそうな声で言った。
「おまえ・・・ 目の前にあるだろ。 自分でとれよ。」
「はぁ? 手が冷えてるから炬燵から出したくないの! それくらい察しなさいよ!」
桐乃が俺を睨みつける。炬燵で温かいせいか、少し顔が火照っている。
ふぅ・・・・ まあいいけど。
俺はしぶしぶ、蜜柑をとって剥いてやる。
「ってかお前、手を使わないでどーやって食べる気だ?」
「・・・・」


448 名前:蜜柑【SS】[「sage」] 投稿日:2011/01/27(木) 01:39:12 ID:edWSPk6I0 [3/4]
まさか食べさせろってことか・・・
「何よ、あたしを労わるって言ったくせに。。 自分で言ったことぐらい守りなさいよ! 男のくせにっ!」
なんでそんなに涙目になってるんだ? マジで意味分からん。
顔も真っ赤になってる。 炬燵に長く入ってるからか? ・・・あれ? でもこいつそんなに暑がりだっけか?

「・・・ アンタってやっぱり口先だk」
「だーー! 分かった! ほら!」
結局俺は一粒ずつ桐乃に蜜柑を食べさせてやることにした。
最後の一粒を食べさせようとした時、俺の指が桐乃の唇に触れた。

「ん?」
「っ!!!!!!」
桐乃は咄嗟に体を後ろに反らせた。 
ガタンッ! 
テーブルが桐乃の足に蹴りあげられたのか、さっきの冷めた紅茶がこぼれそうになる。
「ヤベっ!」
俺は紅茶のコップを抑えると、バランスを崩して桐乃の上に覆い被さるように倒れた。
まるで俺が桐乃を押し倒したような体勢になっている。

目の前に桐乃の額がある。
顔は暑さのせいで真っ赤だ。 こいつ・・こんなに睫毛長かったのか。 息も少し変で、荒い。暑くて体調が悪くなってきたか?
なんせ変な息なんだもん。 擬音語にするなら「くんかくんか」って感じか?


449 名前:蜜柑【SS】[「sage」] 投稿日:2011/01/27(木) 01:39:58 ID:edWSPk6I0 [4/4]
桐乃がその体勢のまま、沈黙を破った。
「・・・ねぇ。 暑くなってきたから、えっと、 その・・・・・・・制服脱がせてよ。」
桐乃は顔を横に向けて目を細めながら言った。
あー やっぱり暑かったのかこいつ、我慢すんなよ。   ・・・って
「ちょっと待てえええええええええええええ!!!!!!!」
「いいじゃん。 兄妹なんだし。」
「よくねぇよ! 自分の言ってること考えろ! もう労わるとかの次元じゃねえぞ!」
「・・・」
なんなんだよ! その泣きそうな顔は! もう・・・どうにでもなれ。 俺は決意した。
よくわからんが妹に悲しい表情をさせるわけにはいかない。
「・・・・わかった。」
俺は桐乃を起き上がらせると、上着を脱がせた。 そして、シャツのボタンを上から一つ一つ開けていくと、桐乃の白い肌と白い下着が露わになってくる。
やばいやばいやばい!! 興奮するな俺! 相手は実妹だぞ!!
俺の顔も多分真っ赤だ。 桐乃と違って、熱いからじゃないが。
桐乃の顔を見ると、なぜか目をギュッとつぶっている。
最後のボタンを開けたと同時に

ガチャ・・  
ゆっくりとドアが開いた。
「京介―? 桐乃―? ただいまー   ・・・へ?」





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最終更新:2011年01月28日 20:54